
鈴木快が5位入賞! 総合6位でインカレを終える/全日本大学対抗選手権
最後のインカレで有終の美を飾った。昨年のロードレースでは序盤に飛び出した先頭集団を積極的に追走するも捕まえられず、脚を使ってしまい完走とはならなかった鈴木快。大学最後となる今大会は「結構脚を温存しながら走っていた」(鈴木快)と、序盤は2位集団から好機をうかがった。ラスト10周目で「金井に行けと言われてアタックが決まった」と温存していた脚で先頭集団を形成する鹿屋体大を追った。惜しくも先頭に追い付くことはできなかったが、チームトップの5位入賞。大歓声が待つゴール地点で大きなガッツポーズを見せ、倒れ込むようにゴールイン。体は力尽きたが140kmを走り終えた鈴木快の表情にはいつも通りの笑顔が広がっていた。そして結果に対しては「うれしかった」と一言。最後のレースでも自分らしさを貫き通した。
主将の強さを見せた。昨年チームトップの12位でゴールした金井主将は、今年も完走を果たしポイントを獲得した。序盤、中盤とメイン集団の前方に位置し、レースをけん引。19周目に入ったところで徳田鍛(鹿屋体大)が逃げ始め、集団が崩れたがペースを乱すことはなかった。同期の鈴木快をアシストしながら「何があっても、死んででも這いつくばってでもゴールはしてやると思っていた」(金井)と前だけを見つめ走り続けた。昨年度のインカレ後から主将としてチームを引っ張ってきた金井主将。「最後のレースで一番いい形で終われたのかなと思う」と金井主将。最後の大会、集大成のインカレでの主将の背中は間違いなく後輩たちの目に焼き付いた。
また、今大会ロードを含め4種目に出場した小林も25位でゴール。トラック競技で1~3日目もレースに出場し「疲れもあり完走できるか心配だった」という小林だが、疲れを微塵も感じさせない力強い走りを見せた。レース終盤も持ち前のタフさを存分に発揮。ルーキーイヤーの昨年に続き2年連続での完走となったが「もう少し上で戦えるようになりたい」(小林)と、底知れぬ向上心でさらなる成長を誓う。
トラックとロードの総合順位は6位、昨年の8位から順位を2つ上げた。しかし、目標である総合優勝への道には鹿屋体大、中大といった高い壁が立ちはだかる。金井主将は「今回のインカレは収穫が多かった。収穫は来年の代にもつながると思う」と新チームへの期待を膨らませた。新主将の加賀谷慶治(政経3=能代西)を中心に、明大自転車部の新たな歴史への挑戦がここから始まる。
[鈴木拓也]
試合後のコメント
金井
「総合で6位になれたことが、自分の中では本当にうれしい。この一年間頑張ってきた甲斐があったと思う。(大学最後のレースという実感は)レースを走っていても、終わってしまうんだという感覚は頭の中によぎっていて。だから踏ん張らなければならないと思っていた。それが支えで、今回28周という長いレースを、気持ち的にも折れることなく走れたのかなと思う。(レース前夜は)どうすれば一番調子のいい鈴木が勝てるかだとか、自分も上位に入り、あわよくば勝てるかということを考えていた。それが今日の結果だったのだと思う。(レース展開は)思っていたより自分のやりたいことができた。結果的に集団から4人が抜け出して、鈴木をとりあえず前の逃げ集団に追い付かせて、自分も追い付いて、そこからさらに勝負できるように、鈴木に勝負をさせて。何もしないより何かしたかった。何があっても、死んででも這いつくばってでもゴールはしてやると思っていた。鈴木が昨日の夜から緊張していたので、頑張って声を掛け合った。『どうする、どうする』と鈴木がどんどん聞いてきてくれたので、それに答えられるように逃げを作ったりだとか、色々試行錯誤した結果、鈴木が5位になれたので、自分としては満足。最後のレースで一番いい形で終われたのかなと思う。ただ一つ不甲斐ない点があったといえば、自分の個人の順位が下がっていってしまったことが悔しいと思ったが、後悔が残るようなインカレ期間ではなかったので良かった。(鈴木さんにはどのような言葉を掛けたか)去年のレースは無駄脚を使って駄目になってしまったので『ここは行かなくていいからタイミングを見て付いてきて』だとか、『近くにいて』と指示をした。けれど彼の力があったからこそできたことなので、自分はそれを支えて助言をしてあげただけだった。(大学4年間は)あっという間だった。この4年間で海外に行かせてもらったり、いろんな大会に出て、日本一に一回なったり。早かったがとても濃い4年間だった。主将として部を引っ張っていくのは大変なんだと感じた。わがままに付き合ってくれた後輩たちのお陰で、今回の総合の順位を残すことができたので本当にうれしい。団抜きにおいては新記録を出すことができて、今回のインカレは収穫が多かった。収穫は来年の代にもつながると思う。この4日間無駄なことはなかったと思う。(今まで支えてくれた方々に対して)ありがとうございます、としか言いようがない。色んな人に面倒を見てもらって今の自分がいるので、部のみんな、大学、両親、部の監督、部長先生に本当にここまでいい思いをさせてもらい、ありがとうございますと伝えたい」
鈴木快
「後半になるまで集団の中にいて最終的に10周くらいから金井と抜け出して、金井に行けと言われてアタックが決まった。高校の後輩の広瀬(中大)や馬渡(鹿屋体大)と逃げたが、鹿屋は前に送っていたので馬渡は自分と広瀬の脚を使わせる戦法だったと思う。(最後まで2位集団を引っ張っていたが)最終的に広瀬と2人になって、広瀬も脚が無くなって最終的に1人になってしまった。1人では後ろの方は有利なので頑張らないといけないと思って逃げたが結果的に抜かれてしまった。(8周目でアタックしたのは)金井の指示で行こうみたいになった。明治も人数が絞られていて、小林がきつそうにしていて後ろにいたので金井に行くぞと言われた。(12周、17周はずっと先頭が6人だったが追いかけたりしたか)全くしてない。金井と脚使わないで走ろうという話をしていて前半は結構脚を温存しながら走っていたのであまり追わなかった。6周目くらいで前に出たのは前の方を取りたかったから。(どういった気持ちでレースに臨んだか)8位には入ってやろうと思っていた。完走が一番の目標で集団の中でとりあえず完走しようと思っていて、そこから8位に入ろうとシフトチェンジしたのが金井と逃げた時。逃げたら8位に入るか、集団に追い付かれてそのままちぎれて完走できないかのどっちかだから、それだったら8位に入るしかないと思った。(最近の調子は)中央と合宿して調子いいなという感覚はつかんでいた。(最後のレースで結果出せたのは)うれしかった」
市山襄(政経4=法政二)
「(レースを振り返って)結果から見て、同期や後輩が頑張っている中、ロードに専念している身でありながら完走できなかったというのは不甲斐なさを感じる。(インカレでの調子は)自転車も身体も気持ちも調子が良かった。ただ、自転車を少しいじったのが良くなかったと思う。(戦略は)最後はサバイバルになると分かっていたので、ひたすら集団についていって最後に機会を見て仕掛けたり、周りのサポートができたらと思った。(大学最後の試合という実感はあったか)実感はあったが、結果が結果だったので不甲斐なさが残った。大きな舞台で恩返しができなかった。最後に悔いが残った。(今まで支えてくれた方々に対して)今まで応援を沢山の方から受けて本当に感謝している。一方で自分だけいい走りができなかったのが申し訳ない」
小林
「(インカレを総括して)1日も休む日が無くて、緊張感もあって大変だった。(ロードレースを振り返って)疲れもあり完走できるか心配だったが、思ったよりも脚が回った。集団に付いていくこともでき、最低限のことはできたかなと思う。(完走できたことは自信となったか)サバイバルレースだったので、ちぎれたらすぐに降ろされると思いながら走っていた。完走できたことは良かったが、もう少し上で戦えるようになりたい。(ニ度目のインカレとなったが)昨年は初めてということで、とても緊張した。今回もそれなりの緊張はしたが、昨年経験していたので落ち着いてやれたと思う。(今後の目標は)団体追い抜きのタイムが良かったので、団体追い抜きを上げていきたいのと、ロードレースは個人的に好きなので最悪点に絡めるようになっていきたい」
松本裕典(法1=北桑田)
「(ロードを振り返って)走る前は脚が結構回っていたが走ってみてペースが速くて、自分が思っている以上に走れなくて、自分の実力が改めて弱いという事が分かった。全日本の時はジュニアだったが今度からアンダーの人たちと走っていく中で自分より速い人はいっぱいいて、その人たちと戦えるように、まだ戦える場にも行けてなくてリタイアしたので、その人たちと戦えるレベルに到達するまで頑張る。(戦略は)鹿屋体大の優(徳田)さんとか絶対に逃げると思ったから、その逃げに乗りたかったが乗れなくて、集団に付いて行くだけでも精一杯だったので作戦というよりは、走り切れるかどうかという感じだった。(今大会で見つけた課題は)長い距離を乗る脚がない。今回は140kmという長い距離で、さらにきついコースなので、まずは走り切れる力を付けたい。それから、どう展開していける脚をつけていこうかなと考えていきたい」
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