FW戦で圧倒し、立命大に快勝! /練習試合
FW戦を制す
「FWから圧倒することをチーム全体で意識していた」(中村駿太・商3=桐蔭学園)。昨秋の対戦では優位に立つことができなかったブレイクダウンで立命大を圧倒し、勝利を大きく手繰り寄せた。またモールやサイドアタックでトライを奪ったことに加え、ヤンボールスクラムにプレッシャーを掛けターンオーバーするなど「8人で押すという意識を全員が共有できた」(中村)というスクラムでも終始、立命大を圧倒。FW陣が昨秋のリベンジを果たし、シーズン当初から取り組んできたフィジカル強化についても自信を深めたようだ。
オフロード
新しいオプションにチャレンジしてきた成果が、この試合でも随所に現れた。前半22分、敵陣22メートルライン付近でオフロードパスを受けた右FL三橋功太郎(理工4=日大)が抜け出して中央にトライ。また得点には結び付かなかったものの、中村からボールを受けた左PR勝木来幸主将(営4=常翔学園)がインゴール目前までゲインするなど、オフロードというオプションが明治のアタックに幅をもたらしていることは間違いない。
課題は精度だ。つなごうとしたオフロードパスをカットされ、カウンターを許す場面も見られた。「チャレンジするところはチャレンジして、ボールキープするところはキープするという意識」(中村)が欠かせないだろう。また「内側の人間まで声が行き届かせられなかった」(堀米大地・政経4=流経大柏)というコミュニケーションの部分と、ターンオーバーを許した後の攻守の切り替えのスピードでも課題が残った。
存在感を示したBK陣
途中出場した主力選手があらためて存在感を発揮した。後半20分、右WTB齊藤剛希(商3=筑紫)が自陣右サイドでボールを受けると個人技でインゴールへ。ファーストタッチでトライを奪う活躍を見せる。27分にSO田村熙(営3=国学院栃木)が途中出場するとチームの勢いはさらに増した。正確なキックでエリアを獲得するばかりでなく、37分にはノールックのパスで松浦の2トライ目を演出。終了間際には、再び齊藤が個人技で敵陣深くまでゲインすると、同じく途中出場の右CTB尾又寛汰(商2=国学院栃木)がサポートし、インゴール中央に飛び込んだ。さらに齊藤は相手のキックを逆サイドまで走ってカバー、マイボールをキープするなどディフェンスでもチームに貢献した。「今までになかったプレーだったので良かった」(齊藤)と自賛。春シーズン、明治のBK陣をけん引した3人の充実ぶりが光った。
夏合宿の全日程が終了した。帝京大以外には全勝しチームの雰囲気は良好だが、近藤雅喜(商2=東海大仰星)や梶村祐介(政経1=報徳学園)などケガ人の復帰でポジション争いは激化している。対抗戦開幕は目前。重要なターゲットと位置付けるのは初戦・筑波大戦だ。丹羽政彦監督(平3文卒)は「筑波大戦までが合宿」と気を引き締めていた。勝負の2週間がここから始まる。
[柴田遼太郎]
1.PR | 勝木 来幸(営4=常翔学園) →17.塚原(後半12分) |
9.SH | 村島 亮平(政経4=常翔啓光学園) →20.加納(後半0分) |
16 | 朴 成浩(政経1=大阪朝鮮) | ||
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2.HO | 中村 駿太(商3=桐蔭学園) | 10.SO | 長石倉 豪(営4=報徳学園) →21.田村(後半27分) |
17 | 塚原 巧巳(政経3=国学院栃木) ←1.勝木(後半12分) |
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3.PR | 須藤 元樹(文3=国学院久我山) | 11.WTB | 堀米 大地(政経4=流経大柏) | 18 | 尾上 俊光(政経2=尾道) | ||
4.LO | 東 和樹(政経3=京都成章) | 12.CT B | 西橋 誠人(商4=桐蔭学園) | 19 | 葛野 翔太(商2=深谷) ←8.松橋(後半12分) |
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5.LO | 小林 航(法3=明大中野八王子) | 13.CTB | 水野 拓人(情コミ4=東海大仰星) →22.尾又(後半27分) |
20 | 加納 遼大(文4=常総学院) ←9.村島(後半0分) |
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6.FL | 上田 宥人(政経3=東海大仰星) | 14.WTB | 成田 秀平(営2=秋田工) →24.齊藤(後半19分) |
21 | 田村 熙(営3=国学院栃木) ←10.長石倉(後半 27分) |
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7.FL | 三橋 功太郎(理工4=日大) | 15.FB | 松浦 康一(政経3=佐賀工) | 22 | 尾又 寛汰(商2=国学院栃木) ←13.成田(後半27分) |
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8.No.8 | 松橋 周平(政経3=市立船橋) →19.葛野(後半12分) |
23 | 松波 昭哉(政経4=東福岡) | 24 | 齊藤 剛希(商3=筑紫) ←14.成田(後半19分) |
試合後のコメント
左PR勝木来幸主将(営4=常翔学園)
「立命大には昨年負けていたので、勝つだけではなく全ての局面で圧勝しようと言っていた。結果は点数に出たと思う。本来ノートライに抑えられるところを許してしまったのが反省点。簡単なハンドリングミスやコミュニケーションの面でのミスが多かったので、対抗戦に向けてしっかり修正していきたい。(合宿を振り返って)充実した夏だったと思う。帝京には負けてしまって内容は良くなかったが、春よりは差は縮まった。秋に勝って全員で笑えればそれでいいので、いい収穫と捉えてこれからも頑張っていきたい。対抗戦初戦は筑波なので、ここで勝って波に乗れるか乗れないかで全然違う。この夏合宿は内容にこだわってきたが、筑波戦に関して はとにかく勝ちにこだわりたい」
HO中村駿太(商3=桐蔭学園)
「FWから圧倒することをチーム全体で意識していた。相手をセットピース、特にスクラムで圧倒できたので良かった。去年と比べて相手の力が落ちているということもあるが、春からスクラムに重点を置いて練習してきた成果だと思う。春の途中までは前3人とLOだけで押すことが多かったが、8人で押すという意識を全員が共有できた。この試合でフォーカスしていたことは、FWから圧倒することと、外にポイントができた時の振り戻しのアタック。意識してできていた。セットプレーは完成度が上がったというより、自信が持てたことが大きい。ただ東海大と合同練習をした時は五分だったのでもう少し上げていければ。フィジ カルについては、立 命大を相手にある程度前に出れた。去年出れなかったところで出れているというのは自信になった。今日の課題はいい加減なパスをつないで、オフロードのところでミスになってしまったこと。前に出れているからオフロードでつなぎたくなる気持ちは分かるし、そこでうまくいったりいかなかったりというのはある。チームの中でボールキープに対する意識を高めて、チャレンジするところはチャレンジして、ボールキープするところはキープするという意識が浸透していけばいいのと思う。二本取られているのは自分たちのミスから。今みんなが意識しているトランジッションのところをもっときつい状態できるようにステップアップしていきたい。あとは夏合宿を通して、ラインアウトのデリバリーのところが 良くないのでまだまだ課題かなと思う」
右PR須藤元樹(文3=国学院久我山)
「久しぶりに明治として80分間フルで試合に出られた。ところどころ良いところと悪いところがはっきり分かれてしまって、点差的には開いたがまだまだ圧倒できる試合だったと思う。いいゲインが切れて継続してトライが取れたのは良かったが、無理にパスをつないでしまって相手に渡って失点する場面があったので、そういった軽いミスをなくしていきたい。前半は自陣で戦う時間が多くてゲインも切れなかったので、戻りながら戻りながらのプレーで体力的にも少しきつかった。(夏合宿は)チームとして大きく成長できたと思う。これから対抗戦もすぐ始まるが、自分たちがやろうとするプレーを確立できた良い合宿 だった。明治はチャンピオンチームではないので、まずは目の前の初戦である筑波戦にフォーカスして、一戦 一戦大切に戦っていきたい」
左FL上田宥人(政経3=東海大仰星)
「(立命大戦は)昨年の最後に負けて、リベンジということで頑張った。良かったプレーはFWで前に出れたところ。それでBKで簡単に取り切れた。(夏合宿を振り返って)帝京大戦以外は全勝できたが、やはり目標である帝京大をどうやって仕留めるか。秋でどれだけ良いゲームに持ち込めるかが課題。それ以外は良いゲームができたので良かった。(秋に向けて)春夏帝京大に負けているが、まあ帝京大ばかり意識はせずに一勝一勝勝ちにこだわって圧倒できるようにする。そして、優勝という目標に向かって頑張りたい」
左WTB堀米大地(政経4=流経大柏)
「大学選手権の時にシーズンを終わらされた相手だったので勝てて良かった。ディフェンスで2本取られたのが反省点。コミュニケー ション不足がたたってサイドを抜かれた。疲れている状況で内側の人間まで声が行き届かせられなかったし、内側からの声も聞こえなかった。焦りからハンドリングエラーを何度かしてしまった。立命大も強気に来たので、その雰囲気にやられたところもあった。特にラックの両サイドを抜かれた時は焦ってしまった。でもアタックに関しては後半は立て直せて良い形でやれた。しっかりビデオを見直して次の同志社大や筑波大があるので修正して臨みたい」
右WTB齊藤剛希(商3=筑紫)
「今回は少し休ませるという意味で途中出場だった。比較的前半もリードしていてけれど後半は均衡している状況で入ったが、ファーストタッチでトライが取れたのは良かった。チームに良い影響を与えられた と思う。サイドで相手が蹴って後は転がったボールを取ればトライになるシーンで、逆サイドから入ってマイボールをキープ出来た。今までになかったプレーだったので良かった。ディフェンスはキックチェイスで1本連携ミスで取られてしまった。BKでコミュニケーションは取れていたがキックチェイスの時にあいまいになってしまった。キックチェイスが今回の試合の課題だった。そこをもう一回やられてしまったので克服したい」
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