
下級生が全日本の場でベスト8入り連発/全日本学生選手権
勝利への1ポイントが遠かった。男子ダブルスに出場した澁田・西脇組の準々決勝は第1シードの古田・今井組との対戦。5月の関東学生トーナメント大会でも対戦し、フルセットの末敗れていた。この日も第1セットを1―6で落としたものの第2セットを6―4と巻き返し、勝負は最終スーパータイブレークへ。お互いサービスキープで進む緊迫した展開の中、中盤にポイントを連取し9―6と勝利に王手を掛ける。しかし3度のマッチポイントを生かせない。セカンドサーブでもダブルフォルトを恐れずに強打するなど、攻撃的なプレーを続けたが、相手も前回大会3位の実力者。コードボールを入れられるなど運にも見放され、まさかの逆転を許す。一度は追い付く粘りを見せたものの「マッチポイントだけでなく、その前からもしっかり打たれていた」と澁田。勝負どころで差が出た。スーパータイブレークを10―12で落とし、準々決勝で敗退となった。
2年目の飛躍が目覚ましい。今月上旬の関東大学選手権ではシングルスで澁田が3位、西脇がベスト8。そして初出場となった全日本の舞台で、今度はダブルスでノーシードからベスト8まで進出を果たした。3回戦では第6シードの大城・小堀組(早大)を圧倒するなど、大きな成長を遂げている。「他大学のプレッシャーにはなれていると思う」と西脇。昨年は共に少ない出場に終わったが、直後に控えるリーグ戦でも新戦力として活躍に期待が懸かる。1年の集大成の舞台で、真価が問われる。
一方、男子シングルスでは小野が2回戦で沼尻(日大)に敗れる波乱も起きた。優勝を第一目標に今大会に臨んだが、まさかのストレート負けを喫した。小野以外にも、熊倉周作(政経4=大分舞鶴)、弓立祐生(政経3=新田)といった主力の3選手が2回戦敗退。来月1日に開幕するリーグ戦に向けて不安の残る結果となった。その中でも、伊藤勇貴が16強入りを果たす躍進を遂げた。4回戦で法大でシングルス1を務める大友にフルセットの末に敗れたものの「正直ここまで来れるとは思っていなかったので、ベスト16に入れたのは良かった」と本人も納得の成績を残し、リーグ戦へ弾みを付けた。
あと一歩届かなかった。女子シングルスに出場した佐野は5―7、6―7で敗退しベスト8となった。準々決勝の相手は春季関東学生選手権において2年連続負けを喫していた久次米(山梨学大)。第1シードの加治(園田女子大)、第16シードの林(早大)を破り予選・ノーシードでここまで登り詰めたが強敵を打ち崩すことはできなかった。第1セットは5―7とタイブレークの末落とすも第2セット・ファーストゲームはストレートで先取した。「走り回って相手にどれだけ打たれても拾って何とか取りにいこうと思った」と粘り強いプレーを続けた。一度4―5まで追いつめられるも、長いラリーを制しタイに持ち込んだ。ファイナルセットでの挽回を狙ったがタイブレークを5―7で落としリベンジを果たせなかった。
ポイントを取り切れずベスト8にとどまった。女子ダブルスに出場した佐野・森組は予選から準々決勝まで駒を進めたが3―6、4―6で惜敗した。「ほとんどのゲームでこっち側にポイントあったのにそれを取り切れないで落としてしまった」(森)と先攻しても相手にゲームを取られ得点を許してしまった。第2セットは1―4から4―4まで追い上げる快進撃。「挽回するダブルスをやってきたのでそのまま終わることはないと思った」(佐野)がその後は2ゲームを加えられ準決勝に進むことはならなかった。
先攻を狙いたい。夏季関東学生選手権で定着した挽回型の攻めを変え先に相手を圧倒するプレースタイルを狙っている。リーグ戦では「もう1組のダブルスに元気を与えられるように引っ張っていきたい」とチームの2本柱となり挑戦を続ける。
[高田悠太郎・橋本杏菜]
試合後のコメント
伊藤
「正直ここまで来られるとは思っていなかったので、ベスト16に入れたことは良かったと思う。(今回の目標は)1年生のときに2回戦までいったので、今回は絶対それは超えようと思っていた。ファーストセットは相手に圧倒されて何もできなかったのですが、2セット目にトイレットブレークで気持ちを入れ替えて(2セット目を)取れたのは良かったが相手にサーブをキープされてその後ブレイクされてしまった。そこを取ればタイブレークにまで持ち込めたので、上の選手はそのような戦いをしていて自分はまだ経験が少ないので、そこで差が出たと思う。(試合が続いて体力的な問題は)今回調子が良くて、疲れはあまりないです。(リーグ戦に向けて)今回負けた大友選手はシングルス1で出てくる選手なので自分が当たることはないでしょうが、中堅の選手と当たった時はインカレ16強に入ったプライドを持って、しっかり戦っていきたいと思う。まだリーグ戦で1勝もできてないので、何としてでも勝ちたい」
佐野
「(シングルスは)今年と去年の春関で負けた相手だったので絶対リベンジしたかったんですけど競って大事なところで相手の方がしっかり決めてきたり私が受け身というか守ってしまって相手に決め切られてしまった。(いつもに比べて長いラリーが続いていた印象だが)今回はもうここまで来て走り回ろうというか私のテニスは我慢して相手を嫌がらせるプレースタイルなので相手にどれだけ打たれても拾って何とか取りにいこうと思った。(相手のどこが強かったか)勝負所で攻めてきたりちょっと浮いたボールがあってドライブボレーやネットボレーに前に攻めて来られたのでそれでもっと深いボール打たないと、もっと相手に苦しい体勢で打たせないといけないと思った。(セカンド5ー5になった時は)絶対ファイナルまで持っていったら粘れたんですけど脚とかもしんどくて試合が続いていてずっと苦しいっていう気持ちがその時に出てしまったと思う。(昨日は2試合、3試合続いていたが体力的な問題はあったか)やっぱり3試合、2試合と一昨日と昨日やってきて疲労はすごいあったんですけど試合になったら意外とできた。苦しくても動こうというか走ろうと思って頑張った。(ダブルスは)最初の5ゲームくらいで全部ゲームポイントがあったのでそこで踏ん張ってゲームポイントを取り切れていればファーストセットどうなったかなと思った。2ー5から結講簡単に3ゲーム目取れてそこでもう一息流れに乗れたら良かった。勢いに乗り切れなかったのがもったいなかった。挽回型になってるんですけどこれからは先にリードしていきたい」
森
「ファーストはほとんどのゲームでこっち側にポイントあったのにそれを取り切れないで落としてしまってすごい出だしが悪くなったのがもったいなかった。(向こうに取られてからこっちが取り返すことが多かったが)1ー4になったが夏関の試合から全てほとんど挽回するダブルスをやってきたのでそのまま終わることはないと思ってもっと自分たちから動くのを意識した。(ベスト8の結果について)実際今日の相手が昨日第一シードを倒してきたからチャンスはあったと思うのでここまで来られたのはすごい嬉しいですけど悔しい。(これからの課題は)夏関から続けてファースト落として、とりあえず挽回型になってしまっているのでリーグでは私らが先攻してリードしてもう1組のダブルスに元気与えられるように引っ張っていけるようにしたい」
井上
「最初はこれを勝てばベスト4っていうのがあったので意識して緊張しすぎた。勝ちにこだわりすぎて自分らのミスが増えたりした。(ファーストセットは)1ゲーム1ゲーム競ることができたので大事なポイントを取り切られるのが実力の差だと思った。(そこで1ゲーム加えることができて)その1ゲームが自分らでできることをやろうと話して出し切ったゲームなので悔いはない。一番自分らのテニスができたと思う。(1年生でベスト8という結果は)満足はしていないがベスト8に入ったことで自信もつきましたしこれからの大会でもシードが付いたりするかもしれないので自分たちで道を切り開けて良かった。(間中・吉富組は優勝候補だったが気負いなどあったか)チャレンジャー精神でいこうと思ったが勝ちにこだわってしまうので、そこの駆け引きがうまくいかなくてミスが増えたので最後の方は開き直って自分らのできることをやり切ろうと話してやっていた。(これからの課題は)大事なポイントでお互いなんですけどダブルフォルトしてしまった。大事なポイントほど思い切っていくことの大切さも学んだ。1年なのでもっと思い切って強気な部分を出していったら良かった」
熊谷
「早稲田という名前に名前負けという感じがあったが、勝ったらベスト4というのもあって勝ちたいなという気持ちが先行した。(間中・吉富組は優勝候補だったが気負いなどあったか)最初からチャレンジャー精神で若さを出していけばもう少し取れたと思った。ジュースもいっぱいあったのでそこは本当に取り切れる力が足りなかった。(ファーストセットは)サービスキープから始まって相手のサーブが強かったのでブレイクするのが厳しいかなと思った。キープを狙いにいったんですけど、課題である自分のサービスキープができなくてそこからまた流れがいってしまった。(1年生でベスト8まで来て)ベスト8に入れてうれしい。ストローク、サーブは駄目だったんですけどボレー、前衛の時に結講動けてケアもできていたのでそこは前とは違ってミスは少なくなった。リーグでもこのままいければと思う」
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