夏合宿の総決算も苦戦続く/全日本大学選抜十和田大会

2014.08.15
 団体戦の予選3試合で挙げた白星はわずか2つと、見せ場をつくれなかった。副将を務めたエース・武政進之介(政経3=埼玉栄)は3戦全敗。東農大戦、近大戦は負ければチームの敗戦も決まる状況で土俵に上がったが、期待に応えることができなかった。「自分が足を引っ張った。点を取るべき人が取れなかったので、それが今回悔やまれる」(武政)。大将を務める予定だった名和闘志(政経2=埼玉栄)がケガで欠場したことも痛かった。
 8月に入ってから十和田で夏合宿を行い、力をつけてきた。6月には歯が立たなかったという中大への出稽古を合宿中に行い、十分戦えるという手応えを感じていた。しかし、予選2回戦で対戦したこの日は1勝もできずに0―5の完敗。「今日は止められなかった」と小山貴雄主将(政経4=向の岡工)。小川清彦総監督は試合後「何としても勝つんだという気持ちが足りない」と話し、精神面での変化を求めた。
 その中で濁川が存在感を見せた。近大戦では勝利を挙げ、先鋒としてチームに流れをつくった。「自分の相撲が取れた」(濁川)と個人戦でも明大勢で唯一3回戦まで勝ち進んだ。「練習でも追い込んでいて、勝ちたいという欲を一番持っている」と小川総監督は評価する。春先はケガで出遅れていたが「ようやく復活して稽古量も増えている」(守重佳昭監督)。インカレ優勝を目指すチームにとっては好材料となった。

 全体として立ち合いから低く攻める姿勢は見られたが、勝ちにはつながらなかった。来月には東日本リーグ戦が控える。「3位に入ることが目標」と小山。11月のインカレ前最後の団体戦となる。好成績を残して勢いをつけたい。

[坂本寛人]

試合後のコメント
小川総監督

「合宿をやってきて、中大に出稽古にいってきました。東日本のあとにいったときには歯が立ちませんでしたが、今回は稽古ができて力がついてきたと思います。手応えは各自が感じていました。だが試合になると出せません。試合になるとまた練習とは違って、気迫や執念が必要です。向こうは明治なんかに負けるかという気できていて、それを上回るものがないと勝てない。まだ大人しい。何としても勝つんだという気持ちが足りません。試合に出たら勝つ確率は5割。執念やがむしゃらさが必要。その中で濁川は練習でも追い込んでいて、勝ちたいという欲を一番持っています。他の部員は練習をこなしているが、自分で追い込むところまではいってない。今回は小川が出たのも収穫。チャンスが回ってきて、勝ったというのは他の部員にも刺激になると思います。インカレでは勝ちたいという欲の強いメンバーを組みたいと思います」

守重監督
「(個人戦は)濁川が頑張ってぼちぼち(の結果)だったけど、最後の一番は相手にうまくやられました。ようやく復活して稽古量も増えてるから、インカレまでの約2カ月間は、リーグ戦もあるし、調子をあげてくれればと思います。濁川以外は、下級生が土俵の上で力を出すことは難しいから、そこをもっと力を出せるように稽古場から仕込んでいきたいです。リーグ戦はうちにとって厳しい戦いになるけど、何とか5年前に3位に入ったときのようにもう一度入賞できるようにします。(名和は)ちょっとケガが多くて(ケガが)癖みたいなところがあるので、あと2年間あるので注意してやっていきたいです。(名和)闘志がいないのはやっぱり痛いです。リーグ戦に復帰が間に合うようにしたいです」

小山
「(団体戦は)0勝2点という結果でしたが、予選でまず自分が勝たないといけなかったです。自分が勝てるように頑張らないといけないです。(試合前の円陣は)毎回やっていて、小川総監督から、自分たちは力が付いてきたけどまだ土俵上では力が出せないことが多いので、しっかり戦っていけ、と言われました。(同じく予選敗退した中大相手にストレート負けを喫したが)そうですね。中大はこの合宿中に稽古をしましたが、今日は止められなかったです。2点取って、最後に3点目を争う形にしたかったです。(十和田合宿は)今日で終わりですが、例年より良い相撲を取ることができました。(リーグ戦は)3位に入ることが目標です。先鋒が福田なので、波に乗っていけると思います。福田は先月の東日本学生体重別選手権で3位に入ったので福田に期待して、あとは自分たちレギュラー陣も波に乗っていけるようにしたいです」

濁川
「練習不足でした。今日の結果を無駄にしないようにしたいです。合宿はいい内容だったので、結果を出したいです。やっぱり気持ちが足りないと思います。個人戦は体が動けていました。自分の相撲が取れました。中に入られなければ負ける気はしなかったです。強いわけではないので、人の倍努力しないといけません。自分のできることをやっていくだけです。力があるわけではないので瞬発力で、立ち合いの一発で勝てるようにしたいです」

武政
「(個人戦は)朝(団体戦)から流れが悪かったですね。こういうところを切り替えられない自分が弱いと思います。(団体戦から)切り替えられなかったので、それが今回響きました。(団体戦は)自分が足を引っ張ってしまいました。点を取るべき人が取れなかったので、それが今回悔やまれますね。大将の名和がケガに泣いていて、出場できないということも意識してしまいました。彼の存在は大きくて、ポイントゲッターがいないことで、自分らに弱さがでてしまいましたね。名和は高校時代も成績を残していて、実力は一番あると思いますが、ケガで出られないことは悔やまれます。今大会に標準を合わせてきたそうですが、直前の選手交代になって、本人が一番つらいと思います。(リーグ戦は)勝ちにこだわっていきたいです」