注目選手特集(5)
大竹崇寛(商2=東濃実)
その大きな背中でチームを引っ張る。明大端艇部で2年目のシーズンを迎えた大竹。身長185cmの恵まれた体格が生み出すダイナミックでパワフルなこぎが特長で、2年生ながらすでにチームの中心になりつつある。
長所である力強いこぎを生み出すのが、強靭な筋肉だ。強くしたい筋肉を鍛えるにはどうすればいいかを考えて、それに見合ったトレーニングを反復する。プロテインなどの物に頼るのを好まない自分に合ったトレーニング方法だという。高校時代からの自分なりのやり方が実を結び、現在のパワフルなこぎを可能にした。加えて、ボートを始める前の水泳と剣道の経験で鍛えられたという広背筋も、このこぎを支えている。
二度目のインカレに懸ける思いは強い。昨年は舵手なしクォドルプルで出場。クルーは4年生3人と1年生の大竹で構成され、結果は日大に敗れ惜しくも2位に終わった。4年生を優勝で送り出すことができなかったことはショックであり、非常に悔しかった。今年も大竹は舵手付きフォアクルーとして、4年生の荒木祐介主将(政経4=熊本学園大付)と艇を共にする。「今年は昨年のリベンジ。荒木さんと一緒に優勝して終わりたい」という言葉には、負けられないインカレへの強い思いがにじみ出ていた。
明大端艇部の強みは「信頼関係・団結力」にあるという。悪いところはしっかりと指摘してくれる先輩方への信頼はさることながら、マネージャーへの感謝も計り知れない。練習のサポートだけでなく、食事の準備や選手の体重管理までやってくれているマネージャーに対して「励みになる。一人ではなく、みんなでやっている感じがする」という大竹。チーム全員が同じ目標のために努力を怠らない。そこに明大の強さがあるのだ。
「応援してくれる人に恩返しがしたい」。大竹を支えているのは感謝の気持ちだ。自分のため、そしてボートができる環境をつくってくれている周りの人ためにこぎ続ける。これからも大竹の活躍に目が離せない。
有山裕美子(文2=浦和一女)
考える努力家が有力選手に名乗りを挙げる。1年次にはインカレの女子ダブルスカルに中尾真琳(農2=熊本学園大附)とペアを組み出場。全日本選手権では女子エイトのクルーとして日本一を経験した。今年度のインカレには女子クォドルプルクルーとして参加するべく練習を重ねる。一見順調に成果を出し続けてきた有山だが、その陰には一度挫折を経験した有山の練習へのこだわりがある。
入部早々、明大端艇部のレベルの高さに衝撃を受けた。大学初の大会となったお花見レガッタでは同期に敗け、その後の日立明三大レガッタ、軽量級選手権では出場なし。大会の選考にすら入れてもらえなかった。「そんなこと今までになかった。変わらないといけないと思った」逆境が有山に火をつけた。「みんなと同じことをしていても強くなれない。最短で強くなる方法を考えないと」努力の仕方にこだわった。フィットネスの授業から筋力トレーニングの重要性に目を付け、毎週講師にアドバイスを仰いだ。食事、メンタル、目標の立て方などさまざまな面で影響を受けた。「ボートだけにフォーカスしても実は伸びない。他の部分からインスピレーションをもらえることもたくさんある」現在も休み時間に体育館に足を運ぶ。強くなる目標に向かい、方法を自分で考え実践してきた。
同期からも刺激を受ける。「山本杏香(政経2=浦和一女)には負けたくないし、同じ体型の中尾も意識している」普段は仲の良い仲間も、練習となると実力が拮抗するライバルになる。同期の存在が有山の成長を後押ししている。
4年間を通じて目標を設定している有山。「今年のインカレはクォドで優勝すると決めている」クォドルプルにはずっと乗りたいと思っていた。選考に加われたことで昨年からの成長を実感する。1年間の努力は自信に変わった。「自分に嘘は付けない。自分に負けたくない」一日一日の練習に真摯(しんし)に向き合い、インカレで目標を達成する。
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