武政が個人戦ベスト16/全日本大学選抜金沢大会

2014.07.23
 1カ月半ぶりの実戦の場となった全日本大学選抜金沢大会。個人戦では武政進之介(政経3=埼玉栄)が4回戦で、今大会準優勝した中村(日体大)に敗れたものの、ベスト16に入った。団体戦は1、2回戦で近大、東洋大に連敗して1勝2敗。予選敗退に終わり、決勝トーナメント進出はならなかった。

 エースが鮮やかな取り口を見せた。武政は1回戦の佐藤(駒大)との一番で、左腕をつかまれて投げ技を決められそうになるも、とっさに相手の前褌(まえみつ)をつかんで足を払い、外掛けを決めた。2回戦の海上(九州情報大)との一番では立ち合いで前に出てくる相手に、はたき込みで勝利。3回戦の黒川(拓大)との一番では、体格の勝る相手にがっぷり四つに組み、土俵中央から一気に土俵外へ寄り切りを決めた。巧みな、そして時には力強い相撲でトーナメントを勝ち進んだ。4回戦で埼玉栄高の先輩で「意識してしまう」(武政)という中村に、はたき込みで敗れるも全国の舞台でベスト16に入った。

 主将も意地を見せた。小山貴雄主将(政経4=向の岡工)は2回戦で、先月の東日本学生選手権で個人戦準優勝の宮下(拓大)と対戦。体重160kgと、120kgの小山より40kg重い相手に立ち合いから突っ張りを繰り出し、まわしを取らせない。たまらず相手が引いたところで、一気に押し出しを決めた。「自分が思った通りの相撲が取れた」(小山)と格上相手の白星に納得の表情を浮かべた。

 1週間後の今月27日には東日本学生体重別選手権を控える。個人戦では武政、小山が良い取り口を見せたが、それ以外の選手は1回戦敗退。団体戦も「どうしてもあと一歩が勝てない」(守重佳昭監督)と、1、2回戦で強豪の近大、東洋大から一つも白星を拾えずに1勝2敗で予選敗退に終わるなど、まだ上位校との差は大きい。東日本学生体重別選手権のチームの目標は「全員が全国出場」(小川清彦総監督)。今大会の課題を胸に、次は好成績を狙う。

[森大輔]

試合後のコメント
小川総監督

「(団体戦は)まだまだ不完全燃焼です。最初の近大戦は全然駄目でした。いつも最初の試合は相撲を取り切れていないというか、自分の力を目いっぱい出したという感じがないです。2回戦からは大分戦えましたが。試合だからもっと爆発してほしいです。今日は名和が欠場しましたが、齊藤(佑弥・政経3=兵庫県私立市川)は少し成長が見られたし、小川(俊己・政経2=流山南)も初めて一番を取りました。この夏はレギュラーを競い合って、殻を破ってほしいです。(個人戦は)小山は負けてはいけない相手でした。拓大の宮下に勝って波に乗っていたのだから、さらに乗っていかないといけなかったです。もったいなかったです。武政は、中村との一番は当たりがそれまでの半分で、中村を意識していました。高校の先輩とか、強いとか土俵に上がったら関係ないので、ここで一発で決めてやろうという気持ちが武政には必要。気持ちの面での成長が必要です。(東日本学生体重別選手権は)全員が全国出場を目指します。武政は無差別出場だけど、全員が上を目指します」

守重監督
「(団体戦は)どうしてもあと一歩が勝てないです。内容はゼロではないのだけど、どうしても勝ち切れないというか、稽古場で力を出し切っていないのではないかなと思います。夏合宿でレベルアップして、十和田は予選を通過して上位に食い込みます。(武政が個人戦ベスト16に入ったが)まだ16だからね。今日負けた中村は、武政の高校の先輩で昨年、今年と何度か当たっているのだけど、壁ですね。小山も良い相撲を取っていて、東日本学生選手権2位の拓大の宮下に勝ったりして節々で良い相撲が見られるので、それを団体戦でも出して、次は上位に入ります」

小山
「(個人戦について)自分の相撲が取れている部分は取れていました。まだ負けたところは甘かったのですが、自分らしい相撲が取れたと思います。(宮下に勝った一番について)最初は突き放していこうと思っていたのですが、自分の思った通りの相撲が取れました。我慢して我慢して、相手が引いてきたところを前に出ました。(団体戦は)チームとしてまだ力が足りないところがあります。1、2回戦は0点というところをしっかり取って、最終的に勝っていけるようにしていきたいです。(東日本学生体重別選手権は)今日みたいに自分の相撲をしっかりと取り切れて、勝ちにつながるようにしていきたいです」

武政
「(団体戦は)同じスタイルの人が多かったので、気持ちの面で勝ち切れない部分がありました。(個人戦は)中村さんに負けてしまいましたが、やはり意識してしまう部分がありました。『ここで勝たないと』という気持ちがありました。強いことは分かっているのですが、どこかでびびっている自分がありました。(東日本学生体重別選手権は)少しでも上を目指します」