インカレ前最終レースで3艇が優勝/東日本選手権

2014.07.14
 8月に迫ったインカレ前最後の大会となる東日本選手権が行われ、明大は男子シングルスカルの中村裕喜(法3=宮津)と舵手なしクォドルプル、女子の舵手付きクォドルプルの3艇が優勝を果たした。しかし、明大のファーストクルーとして期待が懸かっていた男子舵手なしフォアは2位に終わり、チーム全体が手放しで喜ぶことのできる結果とはならなかった。

 大会中に急速な進化を遂げてみせた。決勝のレースこそ圧巻のこぎで優勝を収めた男子舵手なしクォドルプルクルーだったが、決して順調に今大会を迎えたわけではなかった。2週間というという短い練習期間に加え、1、2年生のみで構成されたこのクルー。クルーリーダーを務めた濱口稜(政経2=法政二)は「完成していない状態で本番を迎えてしまった」と振り返った。その言葉通りに、予選では僅差で敗れ2位通過となる。しかし、2日目の決勝では、予選で失敗したスタートを見事に修正して序盤から前に出ると、そのまま首位を譲らずにゴール。「東日本で優勝できたことは自信になる」と濱口は目に見える形で結果が残せたことに笑みを浮かべていた。
 
 女子シングルスカルの山田加奈(商1=宇和島東)は1年生ながら見事3位入賞を果たした。バランスをとるのに苦戦し、「シングルスカルに苦手意識があった」と言うが、大会1週間前に同種目での出場が決まると今までのこぎを見直し、苦手とするレース後半でのスピードを出すためスプリントを繰り返した。予選では練習の成果が実り、スタートからトップに躍り出ると、ゴールまで首位を守り、準決勝に進出。準決勝でも2位に付けて優勝へと駒を進めた。決勝では「スタートで出た者勝ち」と、スタートを重視していたものの、1位の東北大学、2位の早大に出られ3位でスタートを切った。風への対応に悩まされながらも、巻き返しを試みたが最後までかなわず、3位でフィニッシュした。1年生ながら3位入賞を果たしたが「今日のレースに満足してはいない。シングルスカルに乗って、改めて自分の弱さがわかった。自分と向き合って練習していきたい」と真摯(しんし)な姿勢を見せる。インカレに向けては「出場できる選手は限られるが、何が何でもシードは取りにいきたい」と貪欲に挑む。

 「今大会はあくまで通過点だ」。選手がそろえて口にしたこの言葉には、強い決意が感じられる。インカレまで残り1カ月弱。明大が掲げ続けてきた最大の目標である「インカレ男女総合優勝」を達成するには、限られた時間でさらなるレベルアップが求められる。このあとすぐにインカレの出場クルーが最終決定され、8月初めの鳥取での強化合宿に臨む。真夏の大舞台での悲願達成へ、チーム一丸で夏の練習に励んでいく。

試合後のコメント
濱口(男子舵手なしクォドルプルクルーリーダー)

「(今大会を振り返って)1、2年生だけのクルーで、熟練しているという感じではなかったが、一人一人持ち味があって、それが発揮できた。練習の時点でガタガタで、周りからも大丈夫かって言われていた。あまりいい流れではないながらも、クルーリーダーの僕としては、コーチから色々なことを聞いて、色々努めてはみたが、完成しない状態のままで本番を迎えてしまった。僕らの中ではこの大会は通過点で、絶対に勝たなければいけなかった。予選では練習よりいいレースができたが、負けてしまって、思い通りにいかなかった。予選では相手に先に出られてしまったので、決勝では500mで前に出て、相手の背中を見てこぐことをレース前から意識していた。それが実践できて、余裕を持ってレースを展開することができたのが大きかった。このクルーは大会中に成長できたと思う。先に前に出ることともう一つ、中盤でさらに突き放すこともでき、本当に思惑通りのレースになった。2週間という短い期間で、適当な練習をしないようにした。クルーリーダーとして、ポイントごとにここを直そうというのを意識させて、それで状態ごとにレベルアップできて、短い中でもしっかりと無駄のない練習はできたと思う。(インカレに向けて)東日本で優勝できたことは自信になる。次は2000mだし、インカレという1年に一度の大事な試合で勝たないと意味がないと思うので、最大の敵である日大を倒すべく、合宿を含めて一回一回本番を意識して練習に取り組みたい」

片岡勇太朗(理工4=銀河学院・男子舵手なしフォアクルーリーダー)
「練習不足だった。試合の前は仕上がっているなと思っていたが、いざふたを開けてみると自分たちの力のなさを実感した。クルーで練習を始めたのは3週間前だが、体調不良や国体予選などであまり練習できなかった。一番の課題は500~750mで落ちているところ。練習でいつもそこのラップが落ちていて、今日もそうなってしまった。いつも話しているのは真っ直ぐこぐということと朝から眠いとか言わずに元気にやるということ。あくまでも目標はインカレ。目標タイムの6分15秒をしっかり切れるように。合宿では1500mのタイムトライアルの本数を増やして、基礎体力をつける。攻め続けるという自分たちのレースができるように意識したい」

松岡結(文4=浦和一女・女子舵手付きクォドルプルクルーリーダー)
「クルーが決まったのが2週間前で、急なことだったので、こぎ合わせから、長距離に対応する練習から、スタートのラストの練習って全部2週間に詰め込んで、疲労を抜く期間とかも考えて、毎日進歩しなければならない状況だった。その中で、クルーの人がよくついてきてくれたと思う。練習では、昨日と変わらないとか、昨日より劣っているといった停滞の期間がなく、毎回の練習で成長し続けられた。(決勝のレースは)練習では、リラックスしてのびのびと自分たちのこぎが出せていたが、予選では体が固くなってしまって、なかなか思うようにはこげずに相手に先に出られてしまった。決勝では予選の敗戦を生かして、スタートから一本一本自分たちのこぎをするという目標を立てていたので、決勝に関してはすごく納得のいくものとなった。あくまで東日本は通過点なので、インカレを考えたときに課題が残っていて、スタートももっと突き放せたと思うし、ラストスパートが課題だなとは思うので、相手が絶対に迫ってこないというゆとりを持ってこげるようにしたい。(インカレに向けて)女子部総合優勝に向けて、今まで培ってきたものを発揮するチャンスだと思うので、一丸となって挑んでいきたいと思う」