大金星ならず J1甲府に敗戦/第94回天皇杯全日本選手権

2014.07.13
 J1・ヴァンフォーレ甲府との一戦に挑んだ明大。当時J1のモンテディオ山形を破った2009年の再現を目指した。前半こそJ1相手に健闘していたが、後半6分に失点。その後は何度がチャンスを作るがゴールを割ることができず敗戦。大金星とはならなかった。

 プロとの実力の壁を実感した。「いろんな意味で相手のが上回っていた」(三浦龍輝主将・商4=FC東京U―18)。体格や球際の強さに勝る相手からボールを奪い切ることができず、なかなかゴール前までボールをつなげない。負けじと明大も序盤から果敢なプレスで相手に攻撃を組み立てさせないが、徐々に甲府がチャンスをつくり始める。前半はスコアレスで折り返すが、後半開始早々、右サイドを突破され、クロスを頭で合わせられ失点。「少ないチャンスで決められるか決められないか、そういう単純なところが違う」(差波優人・商3=青森山田)。日本のトップリーグで戦う選手との違いを見せつけられた。

 通用する部分も見えた。守備の主力が全日本選抜のスペイン遠征で不在の中、相手の強力な3シャドーに対し明大らしい堅守を貫いた。試合前のスカウティングで甲府はアーリークロスを中心とした攻めをしてくると分析。クロスを上げさせないためにも縦をきらして中にどんどん行かせるのを意識した」(三浦主将)。結果的にアーリークロスから失点したものの、それ以外でアーリークロスからチャンスをつくらせなかった。選手たちも足元の技術やポジショニングなど、個々で手応えを得たこともあった。

 総理大臣杯の出場権を逃しているため、次の目標は9月の後期リーグ。現在5位の明大は逆転での優勝を狙うために負けられない戦いが続く。「9月までをチームとしても個人としてもどう過ごすか」(和泉竜司・政経3=市立船橋)。この試合で得たことを糧に、どれだけ進歩できるかが躍進のカギを握る。
[髙山舞]

試合後のコメント
三浦主将

「勝てたなというか勝たなきゃいけない試合だった。いろんな意味で相手のが上回っていたし、ゲーム運びも個人のレベルも相手のが上だったのでまだまだ練習が足りないなと思う。収穫という部分では去年から前線の守備だけをやってきた中で、今年はそれだけでは勝てないということが分かり前期の途中から下がった時の守備というのを徹底してやってきた。負けはしたが、ある程度プラン通り試合を運ぶことができたし、シュートもそこまで決定的なチャンスをつくらせることはなかったので、後期に向けて自信になった。(後期に向けて)まずは優勝するために、個人の技術というものを一回りも二回りも上げていかないと圧倒的な力は出せない。なので、個人のレベルアップをベースに今日、課題の出た守備のやり方だったり、攻撃のやり方だったりを徹底していきたい」

苅部隆太郎(商4=川崎フロンターレU‐18)
「前半予想通りの展開になって、チャンスも数回あってそこで決め切る力がまだなかった。自力に勝る甲府に対してもっとトライしていく姿勢を見せることができればよかったと思うけれど、今日の試合が明治の実力。そこに関してはよくやったと思う。前線の3枚が強力で特にCFに渡ったときにうまく潰して自由にさせないことを徹底しながらやるというのを意識した。あまり前線からくるチームじゃないので自分もボール持つ時間が長くてゲームをコントロールするってことも意識した。足元の技術とか戦い方、試合を作る能力はそこまで差がなかった。ただやっぱりゴール前とか球際とかまだまだ通用しない部分もあるし個人としてはボールを取られないとか自分の力で打開するとかが必要かなと」

和泉
「単純に悔しいし、勝つチャンスはあった。でも、個人としてもチームとしても課題が見えた。戦い方においても、相手のが一つ上だったのかなと思う。個人としてはもっとシュートまでいけなきゃだめだし、キープという部分でためをあまりつくれていなかったので、そこは自分の仕事なので、もっとボールを失わないというところにこだわりたい。ボールコントロールをもっと意識していきたい。(後期に向けて)前期は出れずに終わって、この9月までの2カ月をチームとしても個人としてもどう生かすか。モチベーションだったり、意識付けをどこに持つかによってチームは成長すると思う。個人としては1試合2点ぐらい取って、全勝して逆転優勝したい。全日本の3人が抜けて、こういう試合をして得たものはあるし、精一杯やっているというのも伝わってきた。もっとこのチームは上にいけるというのを感じた。夏暑くてもきついことだったり、自分たちが上で活躍するためにどんなことでもやっていかなければいけないなと思う」

差波
「相手がJ1ということで僕達もすごく気合入っていたんですけれども、結果負けてしまったというところは受け止めなくてはいけないかなと。向こうはいくつか決定機ある中でポストに当たったりとか自分たちについてるとこはあった中でも決めてきたんですけれども、こっちはまず決定力というかシュートまで持っていく形というのが全然無くて少ないチャンスの中で決め切れなかった。そこがプロとの差。向こうは決めてくるしこっちは決められないしっていう単純なところだとは思います。向こうのボランチのブラジル人が凄くうまくて、いつもやっている僕なりのサッカーができなかった。ただプロだからといってサッカーの考え方を変えていたわけではなかったし、そこは今チームの調子がいい要因かなと」