橋本が全日本でスプリント制覇/全日本学生選手権トラック競技大会

2014.07.10
橋本が全日本でスプリント制覇/全日本学生選手権トラック競技大会
 トラック競技ではインカレに次ぐ規模の今大会。選手としてもインカレに向け、全国から集まってくる実力者と戦える重要な試合として意識し臨んでいた。橋本瑠偉(政経2=佐賀龍谷)が男子スプリントで優勝。マディソンではルーキーながら河津賢人(政経1=九州学院)・眞砂英作(政経1=高松工芸)組が3位に入賞。鹿屋体大などの強豪校が集う中で、明大の実力を見せつけた。

渾身の走りを見せた橋本<
渾身の走りを見せた橋本

 男子スプリント2本先取の決勝戦。優勝が決まると喜びからガッツポーズを見せた。1回戦、2周目の第3コーナーからスパートを掛け対戦相手の松本(朝日大)からリードを奪うと、そのままゴール。あと1勝で優勝という中での2回戦はラスト1周でスプリントを掛け、バックストレートで並ぶが惜しくも相手に勝ちを許してしまう。1勝1敗で迎えた最終レース。スタートを切ってまもなく、松本が斜面上から落車しレースが中断された。再出走となったが「集中力を切らさなかった」と橋本。アウトコースからスタートしたが、相手の先をいった。最終周の第3コーナーで迫られ互角となるも、ゴール間際のスパートで再度振り切り、見事優勝を手にした。「久しぶりにタイトル取れたのでうれしい」と優勝台に上った橋本は満足気な笑みをこぼしていた。

息の合ったレースで勝利した<br />河津・眞砂組<
息の合ったレースで勝利した
河津・眞砂組

 ルーキーが健闘した。大学に入学して数ヵ月でありながら河津・眞砂組がマディソンで3位に入賞。マディソンとは2kmごとの地点で獲得する得点の合計を競うレース。2人1組で行い、交代するときの合図やタッチが印象的な競技だ。最初のポイント周回で3位通過し2得点を獲得。順調に思われたレース序盤、他大の落車に河津が巻き込まれるアクシデント。焦ってもおかしくない場面であったが「レース中3位というのも分かっていたので、頑張ろうと思った」(河津)。「自分は一定のペースで走ることが得意なので、河津が戻ってくるのを信じて自分のできることをやった」(眞砂)と本人たちは冷静に判断し4回目のポイント周回でも1点獲得すると計3得点で試合を終えた。「落車したときにペアの眞砂が頑張ってキープしてくれたので、眞砂のおかげで頑張れた」(河津)とチームワークの良さが垣間見える結果となった。

 インカレに向けて現在の実力を測るいい機会となった。金井誠人主将(法4=日体豊山)は「大学最後のインカレなので、これまでの経験を生かし優勝を狙っていきたい」と力強く語った。今大会で見えた課題を克服し、昨年の総合8位を上回る順位をインカレで期待したい。

[辻成美]

試合後のコメント
金井

「(試合を振り返って)去年と同じ種目に出場したが、リベンジできなかったのが悔しい。順位があまり変わらず、悔いの残る大会だった。頑張れたは頑張れたが3年目だったので、もっと結果出したかった。市山と優勝を狙えるんじゃないかと思っていたが、お互い力不足だった。(練習で意識していること)絶対交代で失敗しないこと。落車したら、元も子もないので。(1年生の2人が入賞したことについて)嬉しい。巻き込まれての落車があった中で頑張っていたと思う。しかし、自分たちが入賞できなかったのが不甲斐ない。スクラッチは決勝に進出はしたが、もっと上の順位を取りたかった。反応が遅れたと思う。最近少し調子が悪いので来週1週間休みを取って体調を整えていきたい。インカレは最後なので、これまでの経験を生かし優勝を狙っていきたい」

曽我
「(タンデムを振り返って)昨年優勝していて、今年も連覇を狙っていた。予選5位ということで、決勝には進めなかった。悪くても4位以内には入るだろうと思っていたが、昨年のタイムも上回っていたし、他大がかなり仕上がっていた。決勝に行けたら対戦があったので分からなかった。(5位、6位決定戦は)気楽にやれば勝てる相手だった。タイムも上回っていたし。これといった特別なことはしなかった。(インカレに向けての改善点は)昨年優勝して、今年5位だったのは逆に良かった。今回また優勝してうぬぼれるよりも、悔しさをバネにまた頑張っていける。タイムを出さないと話にならないので、ここから初心を思い出すではないが、1ヶ月後には学連タイムを塗り替えるくらいのタイムまで仕上げたいと思う。朝日がタンデム以外も仕上げてきていたので、明治はまだまだかなと思った。(強化指定選手の合宿について)ぶっちゃけなんで選ばれたのか分からないが、自分よりも強い人たちと練習をする機会はあまりないので、いい経験ができたと思う。これをバネにライバルがたくさんいるので、その人たちに負けないように頑張りたい」

橋本
「(今まで2位、3位)高校のときに何回か優勝したことがあるが久しぶりにタイトルを取れた。(優勝で得られたものは)特にないですけど、大学入って結構みんなに期待されて全然一度も結果を残さなかったのでやっと遅かったんですけど結果を残すことができたので良かった。(今回鹿屋も抑えて全日本での優勝は)特にないですけど久しぶりにタイトル取れたのでうれしい。(決勝の相手の印象は)勝ったり負けたり、そんなに悪い印象は無かったので自分の走りをすれば勝てると思っていた(スプリントで気を付けていることは)自分はスキが多いって言われるのでスキをつくらずに集中する。結構油断するのでその時にバッといかれたらたまに対応できないときがある。(インカレは)これ取っているのでいろんな大学にマークされると思うんですけどそれも気にせずにインカレも取れればいいと思う。スプリントとチームスプリントでできればどっちともメダルは取りたい(今年の目標は)インカレでタイトルを取りたい」

森本
「(ケイリンを振り返って)鹿屋の2人で組んでて、1人を入れようとして空いたところに飛び込んでいったら、閉め出されて後ろに行って作戦を考え直した。最初は2番手か、3番手につけたくて、3番手になれたので鹿屋の選手抜かして2番手になろうと思ったら、ミスって後ろに行くことになった。あのままだったら失格になってたので、それはそれで良かった。(先頭に立つことが多いが)4番目以内には居たいので、どんなに足使っても前に行こうとしている。他の競輪場だったら、広いので最後に捲ることもできるが、ここだけの特有の考え方がある。(後ろに下がって考えた作戦とは)先頭の選手は早いので、後ろに2人並んでいた鹿屋がどういう動きをするかを予想して、それを崩すために飛び込んでいった。(4位について)昨年の3位は越えたかった。メンバー的にも全然行けたと思う。悔しい。(タンデムについて)予選5位はビビった。タイム的には昨年よりも早かったが、他大が強くなっていて、タイム的に負けた。体の倒し方とか、根本的な部分から負けていたので、そこら辺を強化していかないといけないと思った」

河津
「(マディソン3位について)素直に嬉しい。(落車について)落車したときにペアの眞砂が頑張ってキープしてくれたので、眞砂のおかげで頑張れた。ケガもなかったので、焦ったりというのはなかった。レース中3位というのも分かっていたので、頑張ろうと思った。(レース展開について)序盤は前に付いていって、ポイントを稼ごうと思っていた。マディソンが初めてで、ルールもよく分からなかったので。イメージ以上のレースもできたし、結果も良かった。(交代するタイミングは)できるだけ相手を楽させるために、スピード付けて飛ばすことを意識していた。できていた部分もあったが、これからまた練習を重ねたい。(インカレに向けて)自分はもともとロードの選手なので、ロードでは入賞を目指したい。通常の朝練だけでは他大の選手に追い付けないと思うので、自主練も増やしていきたい」

眞砂 
「(表彰台に上ってみて)マディソンは本来僕が得意とするものではなく、今回初めて出場してアクシデントもあったが、何とか走り切って2人で勝ち取ったので個人より達成感があった。(試合前に立てた作戦について)作戦は特になかったが出走リストを見れば、レベルは大体分かるので今回は厳しいんじゃないかと思っていたが、走っている間に走り方が分かってきて、河津と言葉は交わさなかったが、たぶん2人思っていたことは一緒だと思う。(今後どういうチームにしていきたいか)僕は中長距離選手なのでトラック競技とロードの両方を走れるという自負がある。片方に特化している選手よりも両方しているからこそ理解していることを強みにチームを引っ張れる存在になりたい。(今後の目標)インカレでは4kmインディビジュアル・パーシュートに出場する予定。今大会で自己ベストは出たが、高校のころのベストコンディションには戻ってない。大学という新しい環境に慣れてないのもあるし、まだ練習でもうまく追い込めてない。まだまだ夏にタイムアップを狙えると思うので頑張っていきたい」