
初戦突破! J1・ヴァンフォーレ甲府への挑戦権獲得/天皇杯全日本選手権
快勝とはならなかった。試合前日のミーティングでは、相手が高校生だということに対する油断を無くすことを再確認していた。しかし、三浦龍輝主将(商4=FC東京U-18)は「油断をしないという意識がチームに浸透しきっていなかった」と意識統一が完全に出来ていなかったことを指摘。雨上がりの滑りやすいグラウンドにイージーなミスも目立ち、思い通りに試合をコントロールすることができなかった。内容には納得していなかった三浦主将だったが「最終的に勝てたことは良かった」と、結果が最重要視されるトーナメントでの1勝の大きさを物語った。
エース和泉が昨季ぶりのフル出場で、チームの勝利に大きく貢献した。ケガにより約半年と長期離脱から復帰後初の先発フル出場を果たした和泉は、後半9分に木戸皓貴(文1=東福岡)が折り返したボールをヘディングで押し込み、貴重な2点目を挙げた。そんな和泉だったが、「個人としても失う回数が多かった」と満足した表情は見せなかった。復帰してまだ数試合の出場ではあるが、背番号10が放つその存在感は圧倒的だ。待ち焦がれていたエースの復帰に、チームはさらなる勢いにのる。
目指すはJ撃破だ。2回戦の相手はヴァンフォーレ甲府。多くの選手が一つの目標に挙げていたJ1チームとの対戦になる。全日本大学選抜のスペイン遠征と日程が重なるため、室屋、山越康平(法3=矢板中央)、髙橋諒(文3=国見)の3名は2回戦には出場することができない。主力3名を欠いての戦いとなるが、差波優人(商3=青森山田)は「ここで勝ち切れたらチームにもすごく自信になる」と必勝を決意。J1チームを撃破し、5年ぶりの天皇杯で台風の目となれるか。決戦は12日、山梨中銀スタジアムで行われる。
[鈴木拓也]
試合後のコメント
栗田大輔助監督
「一発トーナメントの初戦で、何が起こるかわからないという状況の中で、チャレンジャーのメンタルで臨んでいこうと話していたができなかった。ゲームの中で立ち上がりは良かったがミスが多かった。イージーなパスミス、イージーなトラップミス。それによって自分たちが勝手にリズムを悪くしていって、修正ができなかった。難しい試合になるとは想定していたので、球際とか切り替えとか原則を徹底した。そして勝負にこだわった。やるべきこと、一人一人が責任を持ってやるということを話した」
三浦主将
「(今日の試合を振り返って)前半は非常に納得がいかない試合だった。高校生が相手なので、油断しないようにという話をしていたが、チームに浸透しきっていなかった。最終的に勝てたことは良かったと思う。(ヴァンフォーレ甲府戦に向けて)とにかく内容なんかどうでもいいので、結果を出したい。結果を出すことで、もっと応援されるようなチームになることが一番の目標。メンバーが代わるので、まずはしっかりと準備をする。勝てるチャンスはいくらでもあると思うので、あとはチームでそれを合わせることができるかが大事になる」
差波
「久しぶりに立ち上がり悪かったっていうか、うまく試合を運べなかったっていうのがすごく後悔してるというか悔しい気持ちでいっぱい。(ヴァンフォーレ戦に向けて)やっぱり3人抜けるのは痛いですけどそこで勝ち切れたらチーム的にもすごく自信になるし、もっと上のレベルにチーム全体はいけると思う。3人のため、あと神川さんが全日本の監督もやってるのでこっちの試合も見たいとは思うが、だから4人、高橋、室屋、山越、神川さん、4人のために勝てたらいいかなと思う」
松藤正伸(文4=FC東京U-18)
「天皇杯予選をいい感じで終えられてまた一から準備して、その2回戦目がJリーグとできるということで、今日の試合をどういう風にやるかによってまたモチベーションが変わると思うし、今日の試合をすごく大事にしたたかにやろうっていう風に話していた。(次戦はDFが3人抜けるが)今日は自分が引っ張ってたというよりは自分がチームに迷惑をかけるプレーが多かったのでもう一回1週間しっかり準備して、その3人がいなくなって、違うメンバーと言っても小池と小出がいるんで1週間しっかり準備して臨みたいと思う。自分たちはチャレンジャーであって相手にどれくらい通用するのかっていうのと、自分たちはそうやって上を目指してやっているので勝ちにいきたいと思う」
和泉
「勝ったことは良かったけど内容自体は非常に悪かった。個人としても失う回数が多かった。スリッピーなグラウンドに対して、技術が足りないなと感じた。相手は高校生で、自分たちが上回っていてその違いを見せ付けないといけなかった。油断はしていなかったけど、内容やプレーを見ればどこかにスキがあった。とりあえず90分やり抜くというのを目標としていたので、良かった。そこまで守備に力を使う部分が少なかったので、要所でロングランした後にボールを失ってしまったりした。得点という記録を残せたのは楽になった。やっぱり勝たないと終わりなので、内容がどんな悪くても勝たないと意味ないし、内容が良くても負けたら意味がない。そこはチームとして勝てばいいという風に割り切れた。次甲府ということでチャレンジャーなわけで、しっかりどんな内容で勝てるように。自分は前の選手なのでゴールという部分で結果を残したい」
木戸
「(今日の試合を振り返って)相手が高校生ということで、相手も頑張ってきて、それで自分たちが受け身になってしまったので、前半は相手のペースになりがちなところもあった。自分たちは相手が高校生とか関係なく、やんないといけないので、勝てたことは良かったが、内容は全然ダメだったと思う。 (ヴァンフォーレ甲府戦に向けて)今日のことは一回忘れて、次は完全にこっちがチャレンジャーなので、アウェイっていうのもあるが、チャレンジャーなので大学生らしく思い切ってやりたい」
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