
越えられない高いベスト8の壁/全日本学生優勝大会
主将が粘った。3回戦の中大戦はなかなかポイントを奪えず2-2のまま大将戦にもつれ込んだ。赤迫主将は「何がなんでも取ろうと思っていた」と強い気持ちで臨んだ。抱分で技ありを奪う。その後苦戦しながらも逃げ切り優勢勝ち。王者との戦いに駒を進める大きな勝利だった。東京学生優勝大会では準々決勝でメンバーから外される悔しさを味わった主将が、勝負所をものにした。
他大に比べて若手中心のメンバーで臨んだ今大会。猿渡琢海監督は「若手を試したかった」と金山と三村暁之(政経1=崇徳)を2回戦からの全ての試合に出場させた。下級生の実力を評価していて期待は高い。今回はうまく若手の活躍がチームの結果にこそつながらなかったが存在は示した。「東海大に負けた借りは尼崎でかえす」と猿渡監督は次の団体戦での雪辱を誓う。世代交代が進んでいる明大に下を向いている暇はない。
[黒沢賢吾]
試合後のコメント
猿渡監督
「選手それぞれの体調は悪くはなかった。負けた敗因としては、エースの上田が勝気では無かった。必ずとってこなければいけないところを引き分ける。そこが敗因に繋がったと思う。(中大戦について)団体戦は流れひとつでチームが変わると思う。重松の試合で流れが変わった。そこから悪い雰囲気になり、上田も引き分けでポイントをあげられなかった。だけど、安田、そして最後の赤迫が意地を出してくれた。中大戦まではそのような流れのなかでも勝てたが東海大には通用しなかった。(オーダーの狙い)前半戦でリードして、後ろの4年生2人の意地にかけていた。永田が負けたところが勝敗の分かれ目だった。もしそこで勝っていたら赤迫も違う戦い方ができたかもしれない。(赤迫について)東京学生大会が終わってからキャプテンとしての自覚が出てきた。中大戦でそこの部分での赤迫の成長の証がみせられたと思う。一年生は結果よりも中身を重視させた。中身とは自分の気持ちを試合にぶつけるということだ。そこに結果が伴ったのが金山、もうひと踏ん張りだったのが三村だった。二人に関しては今年の秋も入る可能性もあるので、しっかり反省して改善してほしい。(今大会で見えた収穫と課題)今大会はほかの大学に比べると若手中心のメンバーだったし、いま若い選手が取り組んでいることを出せればと思っていた。今大会で出せたものは引き続き出していき、出せなかったものはなぜ出せなかったか見直していければと思う。後は大黒柱である上田がものすごく反省していると思う。(次の大会に向けて)個人が持っている課題をそれぞれ克服し、もっと勝ちたいという欲をだしていけば本当に素晴らしいチームが出来上がると思う。東京学生個人戦、全日本個人戦で結果を出して自信をつけ尼崎に臨めたらと思っている」
赤迫
「打倒東海でやってきたんですが負けて悔しいです。でも一人一人技は出していたと思います。自分と永田が取り切れなかったのが敗因です。(東海大には)世界チャンピオンもいたんですが、びびらずにいこうと。(大将戦では)勝敗も決まっていたけど、最後だしがつがついこうと思ってやりました。でも、持った瞬間に合わせられて相手がうまかったなと思います。これから体重別団体もあるしこれが最後ではないので、次は東海に負けないように帰って一からやり直します。(東海大戦でも1年生が出場していたが)1年生はよくやってくれたと思うけど、金山にしてもまだ集中してる時としてない時でムラがあるし、三村に関してはいい柔道はするけど組み手でまだ甘いところがあると思う。でも1年生で東海とあそこまで勝負できてたら、これからが面白いんじゃないかなと思います。(3回戦の中大戦では)2-2の内容で負けて回ってきたけど、自分はキャプテンなので取らないといけないというか、取って当り前と思っていました。あと東海に当たる前に負けるのは自分たちのプライドもあるので許せなかった。何がなんでも取ろうと思っていました。その中で取り切れたのは良かったし、次に繋げられたというのは今回少し自信になったのもある。本来なら一本取ってこないとチームを勢いづけるという意味でだめだったのかもしれないけど、団体戦なのでみんなでカバーし合いながらこれからも戦っていけたらと思います。自分がやらないという気持ちはあるけど、明治の選手みんなが勝ちたいという思いを持ってやっているので自分もその分気楽にできる。中央と2―2で回って来た時も、取って当たり前だろと思ってあまり緊張しなくて、平常心でやれていたのが勝ちに繋がったのだと思います。監督には2年の時から3年間お世話になって、まだその恩返しができていない。恩返しというのは、勝って日本一になるのが監督に対して一番の恩返しになるので、その恩返しができるように尼崎では何がなんでもやるしかないので、優勝を狙っていこうとかなと思います。今回の負けで感じた悔しい気持ちを忘れてはいけない。中央のときも東海のときもそうだけど、ポイントゲッターがちゃんと取ってくるというのを徹底していかないと勝てないから、今まで以上にきつい練習をしていきます。練習のときから東海、日大、天理とか、今まで負けてきた相手に負けないぐらい練習をしていかないといけないなと思います」
金山
「(東海大戦について)3回戦で自分のせいで流れをつかめなかったので、今度は自分が流れを変えてやろうという気持ちだったけど、1本が取れなかった。試合前から攻めていこうと考えていた。(この大会で得られたもの)3回戦ではツメの甘さが出てしまったので、もっと密度の濃い練習をしなければならない」
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