
横河武蔵野FCを下し、5年ぶりの天皇杯出場決定!/東京都トーナメント
選手たちは試合が終わると喜びを爆発させた。夏のインカレ・総理大臣杯への出場権を獲得できず、天皇杯出場に懸ける気持ちは強かった。「この大会に意気込む気持ちはすごく強かった」(石原幸治・政経4=市立船橋)だけに喜びも大きかった。表彰式終了後にはこれまで応援してくれた部員たちのもとに駆け寄り喜びを分かち合った。優勝杯を掲げ、ボトルの水をかけ合うなどトーナメントの重圧から解き放たれ全身で歓喜を表していた。
理想的な試合運びだった。前半14分に矢島がPKを落ち着いて決め先制。そのあたりからパスも回るようになり、明大らしいプレーが増えていった。後半に入ると相手も攻め込んでくるようになり、守備に徹する時間帯も増えた。後半16分には石原のクロスに矢島が合わせるも相手キーパーに弾かれる。しかし詰めていた矢島が倒れ込みながら押し込んで追加点。相手にとって「精神的にも結構ガックリくる得点」(栗田大輔助監督)とカウンターから2点目を挙げた。ダメ押しの3点目は後半29分、石原のクロスを和泉がスルーしたところをフリーの差波がゴール左隅へ流し込んだ。その後も持ち前の堅守で危なげなくゴールを守り試合終了のホイッスル。2戦連続での無失点での勝利となった。
いよいよ次の試合は天皇杯本戦、初戦の相手は山梨学大付属高校だ。勝利の先にはJ1所属のヴァンフォーレ甲府との対決が待っている。「大学と高校の違いを見せたい」(木戸皓貴・文1=東福岡)とまずは初戦突破を狙う。「J1のチームを倒すことを念頭に置いている」(苅部隆太郎・商4=川崎フロンターレU-18)と言うように選手に恐れる気持ちはない。明大のサッカーがどこまで通用するのか、天皇杯でチャレンジしていく。
[谷澤優佳]
試合後のコメント
神川明彦監督
「2部の青学大に負けるという非常にショッキングな出来事があったり、国士大戦もひどい内容で彼らにはっきり言ったこともあった。そういう中で、三浦と栗田が一から見直しをして謙虚な気持ちでことを進めた。それに対して選手たちが4年生を中心によく答えてくれた。一回戦はしっかり勝って、ヴァンフォーレ甲府に臨んでほしい」
栗田大輔助監督
「(天皇杯への意気込み)我々は学生なので常にチャレンジャー精神で、一つ一つ全力で戦うのが明治のスタイルですからそれを貫き通したいな、と。それとやっぱりJ1のところまで、まずは山梨学院高校を勝利しないといけないですけど、旋風を起こしていきたいなというのはある。でもやっぱりレベルが違うのでそこは真摯に受け止めて、自分たちができるサッカーをきちっとやって最後は勝つという割り切りを持って戦いたい。(3選手が抜けるが)それも含めて前期はアミノバイタルも含めて大分色んな選手を使ってきてますので、彼らがいなくても質の落ちないサッカーを追求してきた。戦力的にはダウンするかもしれないけど大丈夫だと思う」
三浦祐介ヘッドコーチ
「(無失点での勝利について)今シーズンはずっと守備の練習をしていて、ここにきてようやく形になってきた。選手たちが練習でやったことを思い出しながらプレーしている。サッカーは点取りゲームなので、いかに点を取るか、点を取られないかという練習をしてきたので良かったと思う。(苅部について)彼は元々ボランチの選手で、最初の方はサボりぐせがあった。昨年ぐらいからFWをやって前からの守備を意識するようになって、ボランチをまたやって、守備ができるようになったなという印象が強い。」
三浦龍輝主将(商4=FC東京U-18)
「素直にうれしいというのと、やっと前期やってきた形というのがチームとして見えてきたかなと思います。全体として、勝つという気持ちがリーグ戦と比べたら比較にならないぐらい出ていたかなと思う。 (タイトルが取れてほっとしたか)そうですね。でもまだ全国という舞台でタイトルを取れていないので、後期に向けてタイトルを取れるように天皇杯をまずしっかりと戦いたい。 (J1チームとやるにあたって過去の先輩の成績をこえたい気持ちはあるか)あります。後はプロを倒すことでスカウトの目に引っかかると思う。そういう意味も込めて、必ず倒していきたい相手なのでまずはそこまでいきたいです。山越も室屋もいなかった時も、勝ってきているのでそんなにやばいとは思わない」
石原
「大臣杯を逃してしまって夏は天皇杯しかない中でこの大会に意気込む気持ちはすごく強くて、本選に出場できるということはまずすごくよかった。せっかく天皇杯に行けるのだからひとつでも多く勝ちたいし、1回勝てばJ1のヴァンフォーレとやれる。すごくいいチャンスだと思うので、アピールしたい。チームが勝たなければ意味がないので、そこを考えながら結果というものにこだわってやっていければ。
苅部
「チームの目標としてJ1のチームを倒すことを念頭に置いているが、1回戦をしっかりと勝って、目標であるJリーグのチームを倒したい」
松藤正伸(文4=FC東京U-18)
「高校のときから、自分の代で優勝したことが無かったので素直に嬉しい。アミノバイタル、リーグ最終戦を落として、悪い流れのなかで、チームとして割りきってやることができた。プロと公式戦で試合できる機会は滅多にないので、勝つことがいいアピールになると思うし、いい流れの中でプロとやれるのは大きい」
高橋諒(文3=国見)
「今年初めての優勝だったので素直に嬉しかった。今日は雨ということで自分たちのいつも通りのつなぐサッカーっていうのがあまりできなかったんですけど、勝たなきゃ本戦にも出られないのでそこに関しては3ー0という形で勝ててよかった。アミノバイタル杯で青学に負けて、そのままリーグ戦で国士舘に負けて、負け続けてきてもう一回チームが一つになろうということでミーティングであったりして、天皇杯に臨んで、そこで一つになれたのが優勝の大きな要因だと思う。天皇杯は一個勝ったらヴァンフォーレとやれる。明治といえばジャイアントキリングっていうのがあるので、自分もプロ行きたいのでそういうところでアピールとかしたかった。でもスペインがあるので自分は全日本の方で頑張って、みんなを信頼してるし誰が出てもいいと思うのでそこは割り切ってます」
山越康平(法3=矢板中央)
「先に点が取れたのでそこから続いてできたし押し込まれている中で2点目取れてたのが今日の勝因。あそこのところで勝負が決まった。(次に向けて)相手高校生ですけど、何が起こるかわからないので気は抜けないし、そこ勝たないとJとできないので気を引き締めて臨みたい」
室屋成(政経2=青森山田)
「(優勝した気持ちは)すぐに天皇杯が始まるので、今日は素直に喜んで、次の練習から切り替えたい。(今日の試合は)みんながすごくいいパフォーマンスをしていて、自分は出ないんじゃないかなとも思っていた。栗田助監督が自分のことをすごく押し出してくれたんで、いいパフォーマンスをしなければならないなと思った。そういう意味では優勝に貢献できて良かった。 (天皇杯とは)プロと試合できるっていうので、(全日本で)僕は出られないですが、本当にチャンスだと思う。大学生ではないチームとの対戦ができてすごくいい経験になった」
木戸
「この前勝ってみんな結構盛り上がって、でも今日勝たないと意味ないってことはみんな理解した上での戦いだったのでみんな集中していた。前回同様先制点も先に取れたので、いい形で試合を進めることができたんじゃないかなと思う。(天皇杯について)Jリーグのチームも出てくる大きい大会に参加できるってことに感謝しなくてはならない。自分らで掴み取ったのでチャレンジャーとしてどれだけJのチームに通用するか、とかアピールの場でもあると思うのでこういう機会を大事に思いっきりやりたい。(初戦について)明治の自分たちのサッカーをすれば負けることはないと思うし、高校生相手でも必死に一生懸命やれば絶対勝てるので、そこは上に行くために絶対勝たなきゃいけないので大学と高校の違いっていうのを見せたい」
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