
惜しくも優勝ならず 2年生2人が悔しい準V/東日本学生春季新人戦
格上の相手に焦りが生じてしまった。今大会第1シードの寺田は順当に決勝まで駒を進めた。しかし、迎えた決勝戦では冷静な判断ができなかった。第1ピリオドから寺田の持ち味である攻めのレスリングに柔軟な対応をする相手に焦りが出た。点差が離れるにつれ焦りは大きくなっていき、「大技を狙いにいってしまった」。その結果、相手に与えるスキが多くなり、カウンター攻撃でポイントを連取された。最終的に5ー13と完敗を喫した。優勝の目標が果たせず、悔しい結果に終わった。試合後は「片足タックルに頼りすぎた」と反省した寺田。「今後は左右の動きを取り入れた攻撃をしていきたい」と課題修正に向けて意気込んだ。その目はすでに2ヵ月後のインカレを見据えていた。
スタミナが勝負の明暗を分けた。大山博は準決勝でテクニカルフォール勝ちを収め、勢いに乗っていた。試合は開始10秒で相手のバックを取り、幸先よく大山博が先制点を奪った。しかし、その後が自分のペースで試合を運ぶことができなかった。相手との激しい点の取り合いとなり8―8で第1ピリオドを折り返した。迎えた第2ピリオドは体力が続かなかった。相手がポイントを重ねていく中、ポイントを奪い返すことができなかった。大量得点を許し10―20で無念のテクニカルフォール負けとなった。しかし、今大会の結果を受け9月に韓国への遠征合宿が決まった。「このチャンスを逃さずに、自分の次の力にしたい」と張り切っていた。
期待のルーキーがその実力の片りんを見せた。曽根川はフリースタイル、グレコローマンスタイルともに3位入賞と好成績を残した。「目標は優勝だったので結果には全く満足していない」と振り返った曽根川だが、大学で通用する部分も分かった大会だった。「体力と組み手では相手より勝っていた」と高校時代に重点的に取り組んできたことに自信が持てたのは大きな収穫だった。
満足いくものではなかったものの、結果自体は決して悪いものではなかった。今回の悔しさを糧に上を目指す選手たちには大きな期待が持てる。次の大会は2ヵ月後に控えるインカレとなる。今大会に出場した若い選手たちが上級生相手にどれだけ食らいついていけるのか注目だ。
[小田切健太郎]
試合後のコメント
多賀恒雄副部長
「(大会を振り返って)寺田が良かったね。動きが良かった。(決勝で)3ー2のところでバックを取れていれば優勝も狙えていただけに惜しい。スタミナはあるから、あとは体をもう少し大きくしないといけない。夏のインカレまでに体作り、タックルの精度を上げていってほしい。あと曽根川も良かった。動きが寺田に似ていて良い。ただ曽根川も体が74kg級で戦うには小さいから、体重を増やしてもっとがっちりした体型にならないと。(大山博は)スタミナが無かったな。動きも単調だった。あと大山と寺田に共通することだが、無理に投げにいこうとするくせがある。そうではなくて、しっかりバックを取りにいくレスリングをしてほしい。直さないと準決勝、決勝では勝てないな。大山も寺田もチームを引っ張る自覚はあると思う。安定感のあるレスリングをして結果を出してほしい」
寺田
「東日本リーグ戦は個人的には6戦5勝と満足いく大会だったが、自分が負けた試合(対東洋大戦)をチームも落としてしまいそれが自分の中で悔しい思いでずっとあった。また、東日本で個人的に結果を残せたことについては大きな自身につながった。今大会での目標は、優勝して全日本の出場権を得ることだった。
やはり、(準優勝という結果には)まだまだ自分の練習が足りないと感じた。(決勝戦では)相手の方が冷静に動きを見ていた。点差が離れるたびに焦りが生じてしまい、大技を狙いにいってしまった。さらに、片足タックルに頼りすぎて単純な攻撃パターンになってしまっていたので今後は左右の動きを取り入れた攻撃をしていきたい。その際、守りを捨てるぐらいのいきおいでいくことが大切になってくる。2ヶ月後のインカレは、去年がベスト16だったのでベスト8が目標だ」
大山博
「東日本リーグ戦ではあまりいい結果が残せなかった。なので、今大会に懸ける思いは強かった。去年のこの大会が3位だったので、目標は優勝だったので、結果に対しては満足していない。初日動きが悪かったが、2日目の準決勝決勝では得意の飛行機投げが決まったりと調子は良かった。決勝の相手の強さはわかっていたので逆にプレッシャーなく臨めた。がむしゃらにプレイしすぎたので、頭を使った考えたプレーをしたい。後輩たちは強いが、やはり年下には負けられない。今後も全ての練習に本気で取り組んでいきたい。(今大会の結果)海外遠征に行くことが決まったので、このチャンスを逃さずに、自分の次の力にしたい」
曽根川
「(フリー、グレコともに3位入賞という結果には)全く満足していない。特に、本職であるフリーは優勝しか目指していなかったので悔しさだけが残った。準決勝で負けてしまったのは試合中の冷静さがなかったことが原因だ。もっと試合中に頭を使って、考えたプレーをしたい。相手との差は思ったほどなかった。体力面と組み手の部分では自分の方が勝っていた。来年は優勝しか狙っていない。2ヶ月後のインカレは3年生4年生もいるが、ベスト4目指してひたすら練習に励みたい」
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