
金山・安田が悔しい準優勝/東京都ジュニア体重別選手権
準優勝にも2人の表情は晴れなかった。81㎏級の金山、100㎏級の安田はあと一歩のところで優勝を逃した自身の実力不足を悔やんだ。
最初に決勝に臨んだのは金山だ。準決勝の相手をゴールデンスコアの末破り、辛うじてつかんだ決勝の舞台。相手は金山と同じ左組みの相手だった。積極性が持ち味の金山は準決勝までと同様序盤から相手を攻め続けたが、苦手としている左組みの相手に対して思うように攻め切れない。結局技が決まらないまま有効一つで優勢負け。「投げられなかったのがだめだった」(金山)と肩を落とした。猿渡琢海監督は「あいつが課題として取り組んでいることが今日の試合では発揮できなかった」と、準優勝に終わった金山を振り返った。「全日本(ジュニア選手権)では優勝したい」(金山)。苦手を克服し、9月の全日本でリベンジだ。
同じく決勝に進んだ安田。昨年度全日本ジュニア2位の後藤(慶大)との対戦だった。試合は激しい組み手争いから互いに一歩も引かないまま進み、残り1分半。後藤の支釣込足が決まり、有効を奪われた。結局そのまま逃げ切られ試合終了。昨年と同じ準優勝に終わった。試合後は「まだまだですね」と一言。今週末の団体戦での活躍が期待される重量級のエース候補は「あと一週間あるので、どうにかして直したい」と、次の大会を見据えていた。
今大会は昨年より多い4人が全日本ジュニア出場を決めた。それでも猿渡監督は「全体として元気が無かった」と振り返る。厳しい言葉は現チームへの期待の表れ。全日本ジュニアで見据えるのは頂点だけだ。
[本永雅敬]
猿渡監督
「(今大会を振り返って)全体として元気が無かった。その中でも元気を出して頑張っていた4人が全国大会への切符を手にしたのかなと思います。(児玉について)団体戦のメンバーにも入っていないし、なんというか、波が激しい選手。安定性にちょっと欠ける選手だから、団体戦ではレギュラーには入れてなかったけど、今日の試合を見て、同じ戦いが全日本ジュニアでもできるならば、団体戦のメンバーでも使いたいと思います。実力的にはまだまだ慢心して団体戦のメンバーに選ばれるものではないし、練習でも私が求めるレベルまで達してないことも多い。もう少し見守りながら、育てていきたいです。(金山について)得意な相手には問題なく勝てていました。決勝の相手は左で、苦手な組み方をしてきたから、どんな戦い方をするのか楽しみにしていた部分もあったんだけど、今はまだあいつが課題として取り組んでいることが今日の試合では発揮できなかったかなと。(金山の良かった点は)元気があり、思いきりが良かった。決勝の相手が右組みだったら普通に優勝していたと思います。今日の試合をやったことで他大学から研究されると思うし、研究された上で勝つために、突き詰めなければならないし、得意な部分をほったらかしにしていたら、足をすくわれる。9月までは新しいものを探していってほしいです。金山は団体戦でもレギュラーとしての活躍を期待しています。(秋元について)今回の東京都ジュニアに向けてはすごくいい準備ができていたと思います。だから、全日本ジュニアの切符を手にできたのかなと思います。減量もスムーズにできていたし、練習中の目の色も去年とは少し違ったのかなと。2年生になって尻に火がついたというか、今年がジュニアとして出られる最後の年になるし、しっかりと結果を出したいという本人の意思もあったと思います。次につながる試合ができていたと思います。(安田について)成長、進歩しているけど、結果は去年と同じ。少しずつ安田なりには、技術的な部分で成長はうかがえるけど、試合になると、練習中に指摘されることを、特に決勝戦でやってしまったのかなと。自分の持っているもの全てを使えるような柔道をやっていってもらいたいです。団体戦では、ポイントゲッターとしての活躍に期待しています。(全日本学生に向けての意気込み)まずは東海に勝つこと。今回は全力でぶつかって倒すこと。そのあとは勝ったあとに考える。当たって砕けろじゃないけど、うちのチーム自体は今年は若いチームだから、若さあふれる勢いをぶつけられればいいのかなと。相手は6連覇もしている絶対王者だし、申し分のないチャンピオンに対して、これだけできるんだってことを証明したい」
金山
「調子は良くなかったです。準決勝、決勝と投げられなかったのがだめでした。(優勝は)いけると思ったんですが、自分が弱かったです。(決勝の相手は)左(組み)で対応できなかった。課題は左の対策と足技を磨くことです。全日本(ジュニア)では優勝したいです。(次の全日本学生優勝大会では)みんなでチーム一丸となって戦っていきたいです。1年だけど、学年とか関係なく試合に出たら全部勝ちたいです」
安田
「まだまだですね。練習から意識してやることがいっぱいあって、それも全然できていなくて。けっこう課題が残るというか、まだまだだなと思いました。負けた試合は単発になったというか、同じ方向ばかりに技をかけ、相手の裏を突くということができてなかった。それは監督からも練習から意識してやるように言われていた部分なんですけど、それができていなかった。最後はそれもできていれば、もうちょっと違う結果になっていたかなと思います。熱くなると、投げよう投げようと思ってしまう。だから、冷静になった方が勝てるのかなと思います。監督と助監督にも言われたので。全日本学生まであと一週間あるので、どうにかして直したいです。(昨年と同じ2位になってしまったことは)悔しいです。優勝は狙っていました。でも全日本ジュニアにはつながったので良かったです。(全日本学生と全日本ジュニアへの意気込み)全日本学生は東京学生で負けているし、けっこうきつい練習もしてきたので、もう絶対負けたくない。勝ちたいです。全日本ジュニアは去年、変な負け方をしてしまったので優勝狙って頑張りたいです」
秋元
「(決勝は早々に関節技を取られて敗退)勝てると思っていたのですけど…。油断というか、集中力の無さというか(跳十字)来ると分かっていたんですけど、油断していました。(全体的には)ルールも変わって、一試合一試合集中してやろうという結果こうなった。(ルール改正の影響)自分にとってはやりやすかったです。指導が早くて。指導取って勝ってやろう、取りまくったろうという気持ちで、1回戦は三つ取りました。(準々決勝は後輩)後輩で、ここは死んでも負けられないと思って、監督からも『ここが決勝だと思え』と言われたので。今日は全ジュニに出ないと、と思っていました。(昨年の雪辱)今年はやってやった、ですね。(意気込み)頑張ります。優勝して。(世界は)目の前の試合の全ジュニだけ見て。とりあえずケガを治してですね。もうむくんじゃって手を握れないです。肘の外側ですね。良かったです左腕で。背負いできるので」
児玉
「準決勝で負けてしまったのですが、全ジュニ出られるので、また全国で勝てるように練習したいと思っています。また、来年もあるので、来年はもっと上を目指していきたいです。(調子自体は)初戦は悪かったのですが、気持ち的にはそんなに良くなかったです。(豪快な払腰もありましたが)久しぶりに掛かったという感じです。背負いばかりなので。(収穫は)全ジュニ行けることですね。九州出身なのですが、2位まで全ジュニに行けるのですが、いつも3位で行けなくて。(抱負)優勝したい。あとは練習で自分の技磨いて、組手を教わるだけです」
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