
石田、念願の初優勝で新エースへ/東日本学生個人選手権
新エースの実力を証明した。石田は一本も奪われることなく準決勝まで勝ち進むと次なる相手は団体戦ではポイントゲッターとして信頼のある榊原亮(法4=大阪桐蔭)。試合は石田が先制するも榊原も意地を見せ、1―1の同点。さらに素早い試合展開で両者とも攻め続けた。決着がついたのは開始1分43秒後だった。抑え面膝蹴りが決まり、石田が2本目を奪取。その直後、この激闘を物語るかのように両者はマット上に倒れ込んだ。
決勝では兄・勝希(早大)との兄弟対決が実現。しかし「気軽に倒してやろう」と石田には自信があった。決勝戦は石田兄弟の持ち味の立ち技主体の拳法を展開し、試合が動いたのは開始約1分であった。石田の突きが決まり優勝へ王手を掛けた。そして優勝の瞬間はその1分後に訪れた。石田の代名詞の蹴りが兄の胴を捉え、2―0で優勝を決めた。「完璧だった」と石田。その後、石田はチームの祝福の輪に迎えられた。「今まで頑張ってきたことが実を結んで気持ちいい」と念願の優勝に終始、柔らかな表情を浮かべていた。
明大の強さを知らしめた。ベスト8に6人が残った中でも原田優介(法2=朝倉)が大きな成長を見せた。昨年の同大会では3回戦敗退と悔しい思いをしたが、3位入賞の飛躍を見せた。3位決定戦では榊原相手に一歩も引けを取らない戦いを展開し、0―0のまま一本先取時間無制限の延長に突入。その直後、得意のカウンターで面突きを決めた。「素直にうれしい」と笑顔が広がっていた。それでも満足はしない。1、2位の石田兄弟との力の差を感じた。「もっとそのレベルまでいきたい」。こうした強い気持ちを見せる原田はまだ2年生。さらなる成長を遂げ、未来のポイントゲッターを目指す。
府立への戦いも折り返しを迎えた。「充実した大会になった」(大貫洋平主将・文4=東海大相模)と良い形で前期を終えた。そしてこれから後期の戦いへ向けた夏の準備期間がやってくる。全国選抜の敗戦から意識してきたメンタル面での強化を図る。「もう一回り強くて大きいチームになれるようにやっていったらいい結果が出ると信じている」(大貫)。今後も王者の強さを見せるべくさらなるレベルアップを目指し、勝負の夏は始まっていく。
[西村典大]
大貫主将
「4位以内に3人入ったし充実した大会になったと思う。(石田さんの優勝は)大きいこと。後期に向けても来年に向けてもすごい大きなことだと思う。個人戦だったけど明治としてどれだけやれるかが大事だと思っていた。今回は明治同士で当たる機会が多くて勝ち負け関係なくそこまでこられていることが良かった。全国選抜終わってからチームが上がってきていると感じてる。全国選抜で負けてから気持ちの面を意識してきた。技術面は引けを取らないと思ってるから絶対勝つという意識を持ってきた。これから府立に向けては最終的に気持ちの勝負が多くなってくると思う。だから、練習からそういった雰囲気をつくって練習している。その成果は出てきたかなと思っている。前期はスタートは良かったけど全国選抜で負けて悔しい思いをしたというのがあるからまた夏合宿からしっかり気持ちが強くなるように、またもう一回り強くて大きいチームになれるようにやっていったらいい結果が出ると信じている」
石田
「今まで頑張ってきたことが実を結んで気持ちいい。最後の蹴りは完璧。(蹴りが得意だが)蹴りがくると思われていて、研究されていてもその上をいく。工夫してどうやって入れるかということ。(決勝は兄弟対決だったが)やっぱりプレッシャーは兄の方が感じていたと思う。僕からしたら気軽に倒してやろうと思っていた。前にも1回やっていてそこでももちろん勝って、今回も負けないこと、勝って当然だと思う。兄とは組み技はなしなということは言っていた。2人とも立ち主体なので。まあやりやすかった。最高の舞台で倒すことができた。僕は今期、まだ無敗。今回は前期の最後の試合ということで気合いが入っていた。明治のエースといったら石田圭吾。今回はエースがやったという感じ。口だけだったら後輩とかも付いて来ない。やっぱり有言実行。それが大事だと思う。もちろん今年の目標は無敗、エースと言えば石田圭吾。(今回で前期の大会が終わったが)ホッとした。肩の力が抜けた。今後は夏の休みの間に体をどうつくるか。しっかり強化合宿をして、最高のモチベーションで試合に臨めたらいい。でも、まだケガした左手が痛い。その休みの間にしっかり完治させて後期も新エース・石田圭吾動き出すということでやっていきたい」
原田
「3位は素直にうれしい。でも、今日は戦う人が自分の拳法に合っているというかあんまり苦手な人がこなかったからうまく上がれた。準決勝の石田さん(早大)は戦っていて楽しかったし、憧れの人でもあるから1回やってみたいなと思っていた。でも、あれは完全に負けた。あれで吹っ切れたというかこれが力の差なんだろうなと思った。3位決定戦は榊原先輩に勝てて良かった。でも、1、2位との差は大きいなと感じた。早稲田のエースと明治のエースだったからもっとそのレベルまでいきたい。勝負するなら打撃で勝負していかなきゃいけない。今回はかなり組み技の練習もしていた。神野先輩(丈二・政経3=多治見北)とか組みが強い人と練習して対策っていうのはしてきた。それで榊原先輩に投げられずに済んだし、もっと組みを鍛えていかなきゃいけない。その中でも、フィジカルも鍛えてどんどん攻められる体をつくっていく。石田兄弟はどんどん前へ前へでていくから、それに負けないようにテクニックも体も鍛えていく。カウンターでしか取れてないから自分からどんどん攻められる拳法をできるようになりたい。(今回は個人戦だったが)個人戦ということで気楽にできた部分もあったし、普段戦わないような人と戦えてすごくいい経験になった。とにかく気楽にいこうと思った。今日みたいに泥臭い一本を取っていくことが団体戦では大事になる。メンタルの強さとか、そういった泥臭く一本に執着していけるような拳法をしていきたい。この結果に調子に乗ることなく、前期は団体戦で勝てていないから後期はしっかり勝てるようにポイントゲッターになれるように頑張っていく」
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