
帝京大に完敗 今季初黒星/招待試合
終始帝京大のペースにのまれた。一瞬のスキも逃さない攻撃とインゴール前での決定力に圧倒され、計5トライを前半に献上した。明治も前半27分、帝京大のペナルティーをきっかけにゴール前まで攻め込むシーンも見せるが、強固なディフェンスに阻まれ思うように得点することができない。「FWで優位に立ってBKにトライを取ってもらうというプランだった」(勝木)が、スクラムを始めFWが後手に回ってしまい、ここまで磨いてきたBKのアタックの形をつくることができず。強力FWで優位に立った帝京大に、決定力のあるBK陣で確実にトライを奪われた。丹羽政彦監督は「明治が様子を伺っているように感じた」と実力を出し切れなかった理由を分析。「普段の120パーセントを出してみんなでチャレンジしていこう」(左LO東和樹・政経3=京都成章)と意気込んで臨んだ試合だったが、気持ちのコントロールの面でも課題が見られた。
後半も開始直後に右CTB石垣(帝京大)に自陣からの独走トライを献上し、帝京大の流れを断ち切れない。そんな中、後半4分に右CTB尾又寛太(商2=国学院栃木)が敵陣ゴール前のマイボールスクラムから出たボールを受け取りトライ。この春レギュラーに定着した好調の2年生CTBが一矢を報いた。その後も後半18分にゴール前のラックからFWが押し込んで追加点を挙げ、意地を見せた。それでも帝京大のペースが崩れることは無かった。終盤にダメ押しで2本のトライを個人技で決め、最終的には40点以上の点差を付けられた。「強かった」(HO中村駿太・商3=桐蔭学園)と完敗を実感。他の強豪校を倒し全勝を誇っていたシーズンだけに、大差での敗戦に悔しさが残った。
「下を向いても仕方がない」(勝木)。この敗戦で大学王者との距離を知った。悔しさをバネに、夏の再戦に向けてチャレンジャーとしての挑戦が始まる。また、来週22日には、この春の最終戦となる慶応戦が控える。「勝ち癖を付けること」(勝木)を目標に臨んだ春シーズン。宣言通りに白星を重ねてきた。明治のラグビーで慶応を圧倒し、いい形でシーズンを締めくくりたい。
[関本紗希]
1.PR | 勝木 来幸(営4=常翔学園) | 9.SH | 三股 久典(政経1=佐賀工) →21.浜野(後半20分) |
16 | 佐藤 公彦(法2=明大中野) | |
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2.HO | 中村 駿太(商3=桐蔭学園) | 10.SO | 田村 熙(営3=国学院栃木) →23.堀米大(後半34分) |
17 | 植木 悠治(政経3=常翔学園) | |
3.PR | 松波 昭哉(政経4=東福岡) →18.塚原(前半38分) |
11.WTB | 齊藤 剛希(商3=筑紫) | 18 | 塚原 巧巳(政経3=国学院栃木) ←3.松波(前半38分) |
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4.LO | 東 和樹(政経3=京都成章) | 12.CTB | 水野 拓人(情コミ4=東海大仰星) | 19 | 塚田 友郎(文3=深谷) ←5.南(後半15分) |
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5.LO | 南 宗成(商4=大阪朝鮮) →19.塚田(後半15分) |
13.CTB | 尾又 寛汰(商2=国学院栃木) | 20 | 平井 伸幸(法4=桐蔭学園) ←6.上田(後半0分) |
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6.FL | 上田 宥人(政経2=東海大仰星) →20.平井(後半0分) |
14.WTB | 成田 秀平(営2=秋田工) | 21 | 浜野 達也(文2=西陵) ←9.三股(後半20分) |
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7.FL | 田中 健太(営3=大阪桐蔭) | 15.FB | 林 祥太郎(文2=常翔啓光学園) →22.長石倉(後半15分) |
22 | 長石倉 豪(営4=報徳学園) ←15.林(後半15分) |
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8.No.8 | 山下 誉人(政経4=京都成章) | 23 | 堀米 大地(政経4=流経大柏) ←10.田村(後半34分) |
試合後のコメント
左PR勝木来幸主将(営4=常翔学園)
「結果の通りかな、と思う。まだまだ自分たちの力が及ばなかった。自分たちのラグビーをさせてもらえなかった。用意してきたものを出せなかったということに尽きる。相手もFWが強いので、そこでこっちが優位に立ってBKにトライを取ってもらうというプランだったが、FWでも受けてしまいBKラインもゲイン切れなくて、そういう面で帝京大学さんが一枚上だったと思う。個々のフィジカルでも差があったが埋められないものではない。しっかりその差を埋めて秋には勝ちたい。もっと自分たちを見つめ直さないと。やはり帝京大学さんを倒さないと日本一は取れないので。下を向いていても仕方がないので、この負けは前向きに捉えていきたい。もちろん反省もするが、春の時点で負けて良い経験ができたと思ってしっかりもう一度チームをつくり直していこうと思う。ここでチームを崩すわけにはいかないので、自分が先頭に立って良くしていければ。来週は慶応戦があるのでしっかり倒していい形でシーズンを終えたい」
HO中村駿太(商3=桐蔭学園)
「強かった。ブレイクダウンのところに差を感じた。ビデオを見ていないのでなんとも言えないが、感覚的には通用したところはあまりない。ただ、アタックをすればある程度できるというのは感じた。ユニットで前に出るということはできていたと思う。その精度をもっと上げるということと、攻めてる時間が短かったのでその時間をどう長くするか。ラインアウトはプレッシャーを受けないように、クイックで相手が跳べないようにするという、やりたかったことはできていた。チャンス時にミスが2回あった。そこだけ修正したい。スクラムは色々かけ引きがある中で、今日は本当に良くなかった。一から見直したい」
左LO東和樹(政経3=京都成章)
「格上の相手なので普段の120パーセントを出してみんなでチャレンジしていこうという意気込みで頑張ったがどうしても受けてしまうところがあった。自分たちの強みを出せずに点差が開いてしまった。FWが受けてしまった面が大きいと思う。前に出て行かないと勝てない。修正して帝京に勝てるFWになっていきたい」
SH三股久典(政経1=佐賀工)
「暑い中でどれだけテンポを上げて走れるかが問題だった。ばてないようにと意識はしていた。走れているところは走れていたが、相手のプレッシャーなどに翻弄されてミスが続き、反応や攻守の切り替えも遅くなってしまった。リアクションの速さがこの点差につながったと思う。ミスした時の攻守の切り替えやサポートの寄りが向こうの方が上だった。帝京大とは夏の一発目にあるので今日の分を反省して秋の対抗戦に臨みたい」
左CTB水野拓人(情コミ4=東海大仰星)
「FWがサイドでやられてBKは寄ってしまってスペースが空いたところにアタックを受けてしまった。帝京大は一人一人が仕事をして自分の役割を果たしていた。タックルやクリアなどそういったところの仕事を向こうの方がより多くできていた。しっかりと枚数がそろっていれば前で止めるディフェンスができたことは収穫。枚数がそろっていればアタックもしっかりできた。不利な状況でもアタックやディフェンスをしていくことが課題なので、そこを乗り越えれば帝京大相手にも勝てると思う。みんな気負ってた部分があった。これまでやってきたことを少し忘れていたのかもしれない。今はみんな落ち込んでいるので、来週の慶応に勝っていい雰囲気で春を終えたい」
FB林祥太郎(文2=常翔啓光学園)
「帝京は体も強いと分かっていたので、動き出したら強いので、明治からどんどんプレッシャーをかけようと思った。だけど帝京の方が上手くて逆にどんどんプレッシャーをかけられてしまった。明治は見てわかるように体も小さいし、それを分かっていてディフェンスなども一枚目入って二枚目が遅かったりで、明治がやろうとしていたディフェンスが出来なかった。帝京大は明治よりディフェンスとオフェンスの切り替えが速かった。そういうところから差が出来たのだと思う。次、夏合宿で一発目あると思うので、その時は、今回分かったのでダブルタックルも早くやらないといけない。とりあえず夏はダブルタックルで、秋に備えたい」
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