国士大に悔しい敗戦 前期最終節を白星で飾れず/関東大学1部リーグ戦

2014.06.15
 前期最終戦を勝利で飾ることができなかった。先制を許した明大だったが、前半31分に木戸皓貴(文1=東福岡)のリーグ戦初得点で同点に追い付く。後半は主導権を握りながらもチャンスで決め切ることできない。すると、国士大に続けざまに2点を奪われ点差を広げられてしまう。後半38分に瀬川祐輔(政経3=日大二)の得点で1点差に迫るも、反撃はそこまで。2-3で国士大に敗れ、集中応援日となった前期最終戦で勝利の喜びを味わうことはできなかった。

 明大らしい守備ができなかった。勢いを持った国士大の攻撃に対して、明大の強みである前線からの連動した守備がうまく機能しなかった。左SBの髙橋諒(文3=国見)は「一対一が弱くて負けた」とグループでの守備の前に、個人での守備で弱さが出たことを指摘。「自分たちの甘さが出た試合」とCBの山越康平(法3=矢板中央)も明大の大きな特徴である堅守が見せられなかったことを悔やんだ。

 待望のリーグ戦初得点となった。先発での出場となった木戸は、立ち上がりから前線でボールをしっかりと収め、攻撃の起点となる。また、しきりに相手DFの背後を狙い、常にゴールを狙う姿勢を見せていた。1点ビハインドの前半31分、ついにその瞬間が訪れる。ゴール前の狭いスペースで差波優人(商3=青森山田)からのパスを受けると、右足で冷静にゴールへと流し込んだ。リーグ戦での初得点が価値のある同点弾となったが、木戸は「点を取れても負けたんじゃ意味がない、負けたのが悔しい」と満足の表情は見せず、敗戦の悔しさを語った。

 今節で前期リーグ戦は終了となる。前期不振が嘆かれていた明大だったが、今シーズンは違った。シーズン序盤こそつまずいたものの、途中3連勝があるなど常に上位をキープし続けた。三浦龍輝主将(商4=FC東京U‐18)は「きつい試合をいかに勝ち切れるかが課題だと思う」と前期リーグ戦を総括。そして、18日からはすぐに天皇杯予選が始まる。本選へと進めばプロと対戦することもできるこの大会に向け、短い期間でどのような準備をするかがカギを握る。

〔鈴木拓也〕

試合後のコメント
栗田大輔助監督

「前期の最終節だったから、何が何でも勝ちたいと、勝ちにこだわったゲームだったので、負けたという結果に対しては力不足だったと言わざるをえない。でも、プレーの一つ一つの質は上がってきたなという印象を受ける。ところどころ脆さ、甘さがあるというか、ワンチャンスで失点をしてしまう。そこを日常で見つけていかないと好転していかないという感想を持った。室屋がいないからという不安はなかった。誰が出てもできる状態を追い求めてチームづくりをしてきた。今回の国士大さんには、スカウティングはもちろんしたが、自分たちのサッカーがどれだけできるか、そこが一番大事だと思っていて、それを90分どれだけできるかが、今年の明大の課題でもある。外のわれわれが言ったことだけをやるのでは上達はない。選手が自立すること、今はそこを徹底しています。後半の失点に関しては、ボールを保持しているときに、あまりに簡単なミスパスなど、あまりにも精度が低いので、そういうところからリズムが悪くなる。ハーフタイムにも言っているが、イージーなミスをすることで、どうしても相手が勢い付いてしまうので、それが一番の原因ですね。それと、カウンター食らった時の一対一で、シュートまでされてしまう。そこで結果的に失点もされたので、まだまだぬるいのかなと、足りない部分なのかなと思っています。守備の運動量だったり、球際だったりっていうところは、ある時間は継続できるんだけど、長い時間そうできない。持続性はまだまだ足りないところですね。天皇杯予選までは中2日だが、われわれが追い求めているサッカーをどこまで厳しさを持って追求していくか。そう思ってやっていけるのが明大だと思うのでやっていきたいです。選手には自立、タフさを求めたい。タフさは特に欲しいですね、もっと図々しくサッカーをやってほしい。失点して雰囲気が悪くなった時に、もっと堂々としているような、取り戻していくというような空気、自信がもっとピッチから伝わればいいのではないかと思います」

三浦祐介ヘッドコーチ
「 (今日の試合を振り返って)いや、悔しいですよね。でも結果は結果なんで。しっかりと受け入れて、ブレずに努力していくしかないんじゃないかなと思いますね。 (3失点だった守備の問題点は)やっぱりゴール前の一対一のところでシュートを打たせない、クロスをあげさせないっていうところをずっとやってるんですけど、打たれてる。そういうところ、結果論なんですけど、そういうところなのかなと思いますね。(選手からボールの失い方が悪かったという声があったが)奪うことは良かったと思うんですけど、その奪った後のプランがなかったというか、守備に対してどう奪うかだけでいっぱいいっぱいになっていて、どうゴールを奪うのかっていうところからやっぱり考えられてなかったんで。奪った後に奪って満足して判断がなくなっているから、選手はそのような印象を受けたんだと思いますね。まぁもちろんその通りですよね。(前期リーグを振り返っての評価は)まぁ例年よりかは良いっていうだけですかね。もちろん良くなってきている部分はあるんですけど、何としてでも専修大学に追いつかなければいけない立場として、自分たちとしてその立場は今ちょっと離しちゃってるで、そういうのを一個一個、夏もう一度あるので、どうやったら勝てるのかをもう一度やっていかなければいけないのかなと。まぁでも大事なことは、選手がそれをどう感じてどう取り組むかだと思うので。そういうような考えになるように、アプローチはしていきたいなと思いますね。(夏はどのような課題を修正したいか)やっぱり攻撃の部分もちょっとずつやっていこうかなと思いますけど。でもベースアップは守備のところを高めていって。やっぱり良い守備で練習しないと練習にはならないと思うので。そこは攻撃守備わけることなく、攻守において質の高いよりゴールを意識した、より勝負を意識した練習を取り組めたらなと。選手がもっと感じて悔しい思いを表現してほしいなと思いますけど。(具体的には)今日のゲームを見てもわかるけど、やっぱりゴール前の一対一の弱さとかになると思うので。そこはもう一度やらなきゃいけないなと。あとは数的不利とかカウンターとか自分たちが主導権を握ってないときの守備のところは取り組んでいかないといけないなと。(天皇杯予選への抱負について)彼らが表現できる場、活躍できる場なんで。総理大臣杯いけなくなっちゃったんで、やっぱり一つでも彼らが真剣に表現できる場を自分たちで作りだしてほしいなって思います。(活躍すればプロとも勝負できる貴重な場となるが)そうですよねもちろん。もう大会の大きさが違うので。僕も監督と何年も一緒にやってきて、その良さを味わっているので。僕らっていうよりも、選手がああいう素晴らしい環境とか大会とかでチームとやる状況っていうのを作ってほしいな。それはもう全部自分たちで引き込んでこれると思うので」

三浦
「まだまだやるべきことはいっぱいあるし、こういう集中応援日という舞台で勝てなかったのは残念。夏に向けて総理大臣杯もないので、しっかりとまた一から頑張っていかないといけないと思う。チーム全体としてもそうだが、全員の個人的な能力をもっともっと伸ばしていかないといけないなと思う。前期これだけ失点を少なくしてきたのに、最終節でこういう結果になるということはまだまだ足りないということがはっきりした。後期までにしっかり立て直していきたい。(室屋選手の影響は)なかったといったら、嘘になるけど誰が出ても同じサッカーをするというのが明治の目標なので、そういうところもまだまだ足りないかなと思う。(前期を振り返って)やっぱりきつい試合をいかに勝ち切れるかというところが一つ課題かなと思う。今日もそうですし。相手が強い訳ではないのに、自分たちのサッカーができないというのはやっぱりまだ勢いがないというところがある。実力に変えていけるように練習する。(トーナメントでの敗戦から初めての試合だったが)もう一回初心に帰るというか、足元をすくわれないように自分たちでやろうと話はしていた。でもその通りになってしまったので、もう一回頑張らなければいけない。(これからの目標は)まずは天皇杯を頑張る。もう期間もないので、しっかりとコンディションを整えてみんなで頑張っていきたい」

山越
「自分たちの甘さが出た試合。失点したのも一対一だし、まずそうやってきたのもわかってたんですけど、簡単なミスで取られたっていうのが何回も続いたのであの失点につながった。失点してから次の点はやらないように意識して、11番に決められたのでそこのマークをしっかりした。ずっと室屋がやってたんで、いないのはしゃーないんですけど、抜けた穴はでかかった。いつもに比べて裏に抜ける動きが少なかった。攻撃の両サイドのところが左サイドの髙橋しかいないので、もっと話し合っていかなければならない。戦術もそうですし、選手どうしでもっとコミュニケーション取らないとまだまだ甘いと感じるので。ロストボールをいつもより抑えるように意識したんですけど、いつもと違って守備の感覚が違っていた。センターバックで話し合ったんですけど、なにが違うかビデオ見てみないとわからない。いつもは組織で守れてる感じがするんですけど、今日は個々でっていう感じがした」

差波
「全体的に力が入っていた。立ち上がりは良くなかったし、いつもの明治らしくないプレーだったとは思った。でも追いつけたっていうのは良かったと思う。自分自身としても、力不足だったなと思う。決定力に欠けるかなと。もっとアシストを増やしてしていきたい。まだまだコーナーキックの精度が低いし、中とも合ってない。もっと精度を上げてチャンスをつくっていきたい。今日は先制点を挙げられたが、焦りはなかった。むしろ平常心を取り戻したと思う。失点は駄目だが、そこで立て直せたのはよかった。後半得点をされたが、あの時は集中力が切れていたなと。室屋がいなかったこともあって、相手も室屋の場所を突いてきた。そういう面ではまだ室屋の代わりができる選手はまだまだいないと思ったので、底上げをしっかりしてきたい。相手の10、11番はすごくうまいので、そこを抑えればいいかなと思ったが、そうはいかなかった。いつもの明治よりは前期が良くて、勝ち点を積み上げられてよかったが、そこに満足してしまっていた部分はあると思う。後期は割り切って一から見直していきたい。明治は強くないし、まだまだということだと思う。チームが室屋に頼りすぎていたことを再認識して、選手が自立できて、誰が出てもいいチームづくりをしていかないと。決定力不足だったり、守備を多くやっている分、攻撃がまだまだ少ないのがチームの課題と思う。大臣杯がない中で、目標が無くなってしまうと思うが、みんなで意識を上げていけば大丈夫だと思うし、天皇杯予選で勝って本選に行くという目標を共有していく」

髙橋
「守備があまり良くなくて、一対一とかが軽くて負けた。ボールの失い方が悪くて、相手がパワーを持った状態で攻めてきた。攻めようとしている時に前線に収まらなくて奪われることが多かった。前に入った時にサポートが遅かった。早くしてスムーズにボールを動かせたら良かった。僕が明治にいてこんなに前期のいい成績がないので、これを継続して優勝争い出来るようにしたい。満足はしていなくて、課題ばかり。一対一がベースだと思うので、そこをしっかり取り組みたい。前からのディフェンスや連動して取りにいくことをチームで意識したい。攻撃の部分では崩しの場面の精度が低いので改善したい」

瀬川
「今日の試合については、負けたことがとても悔しい。(自身のゴールシーンについて)とりあえずゴール前に人数をかけるために、サイドに張らずに中にポジションを取っていたらたまたまボールがいいところに来たので、後は決めるだけだった。ラッキーなゴールだった。(今日の試合で意識したことは)とにかく相手の裏へ抜ける飛び出し。差波も山越も蹴れるので、ボールをフリーで持ったときはまず裏を狙うことを意識していた。後は結果を出すことを試合前からずっと思っていた。そういった意味で、得点出来たことは良かったが、チームが負けているし、パスミスだったりイージーなミスがあったので改善していかなければならない。(前期リーグ戦を振り返って)例年と比べて今年の明治は数字上では良いが、中大戦だったり、今日だったり、勝てる試合を落としていた。最後の部分で決め切ることができなかった。総理大臣杯に進むこともできなかったし、リーグ戦優勝、全国で優勝するためには、個人としてもチームとしてももっと練習しなくてはならない。(前期を終えて個人としての収穫は)第1節からちょくちょく出てたりしていて、今年がリーグ戦に出るのが初めてだったので、徐々に慣れていくことができた。チームが勝つために貢献するプレーがまだまだ足りなかったので、前期を振り返って、結果を出すこともそうだし、チームのコンセプトに沿って、前から行く守備だったりをもっと追及できると思うので、後期に向けて夏で修正できればいいかなと思う」

木戸
「今日スタメンということでゴール自体は狙っていた。いい形で差波くんがいいボールをくれたのであとは決めるだけという感じだった。前半は裏とか狙えていたけれど、後半は運動量が落ちたからか前半ほどはいい形が作れていなくていなかった。そこを改善していきたい。今日は守備に追われる時間がすごく多くて、前線のプレーヤーが収められなかったっていうのもあってSBとかが上がれていなかった。それで失点シーンみたいに悪い位置でとられてしまった。個人的には取れたのは良かったけど、これがリーグ初得点。FWとして起用してもらっているからにはもっと早く点を取りたかった。それに点を取れても負けたんじゃ意味がない。明大は守備のチームなのに、その守備でボールが奪えなかったし、まず相手が自陣でプレーしていること自体が危険だと思う。そこはもっと前からの守備を意識すべきだし、運動量とかも関わってくる。そこを90分間継続できないと今日みたいな試合になる。そういう切り替えの部分がうまくいかないと攻撃する時間も短くなるし、今日みたいに攻撃がうまくいってなくても守備で0に抑えられれば問題なかったんですけれども。得点シーンはいい形だったと思うけれど、全体的に相手のほうが頑張っていた。負けたのが悔しい。前線プレーヤーが収まらなかったし、いろいろな部分でサポートとかの質が悪かった。攻守の切り替えだったり、すぐ取られちゃったり。青学に負けて、切り替えっていうか、気持ちを一からという感じだったのに今日の試合負けてしまったので、そこはまだまだだと思った」