
女子エペ悲願の1部昇格!/関東学生リーグ戦1部2部入替戦
奥村美咲(理工2=北陸)が確かな成長を見せた。専門をエペに転向し、練習を重ねてきた成果が出た。1人目として試合に出ると、先制されるも巻き返し5―3でチームの流れをつくった。逆転されたが古俣が攻めのフェンシングで同点に戻し、山岡も最上級生の意地を見せて32―32で回ってきた8人目。古俣と山岡で作った流れに乗って8ポイントを奪い40―37とし、最後の古俣につなげた。山岡が同点に抑えたことで、「我慢して相手が崩れたところを突く」(奥村)という試合展開を思い描いてピストに立った。それによって思うように攻めることができ、納得の試合となった。去年までのように涙を流す奥村の姿はそこにはなかった。チームを盛り上げなくてはいけないという意識が芽生えていた。井原健三監督も「涙が出るほどうれしかった」と去年からの変わりように顔をほころばせた。山岡も「自分のことも支えてくれる」と古俣とは違う、奥村の存在に感謝していた。
チーム力が勝利を呼び込んだ。女子の大黒柱である山岡珠子(政経3=鳥羽)の調子が上がらないまま試合に臨むことになった。しかし奥村と古俣が奮闘。お互いに助け合うチームプレーで、最後は古俣が決めた。普段は得点ごとに感情を表す古俣だが、最後の試合は静かだった。しかし45点目を取った瞬間拳を天高く突き上げ、喜びを爆発させた。山岡もうれしさで泣き崩れ、3人で勝利を分かち合った。「後輩が頑張ってくれた」(山岡)と3人の力を合わせて勝ち取った1部昇格となった。
これで来年のリーグ戦は1部で戦うこととなった。山岡にとっては最後のリーグ戦、常々この3人で1部で戦いたいと話していたことが現実となる。「王座で優勝したい」(山岡)と次に目標とするのは、関東と関西のリーグ戦1位2位が対決する王座での優勝だ。これからも自慢のチームワークで勝利を目指していく。
[谷澤優佳]
試合後のコメント
井原健三監督
「一つでも上がれて活気づく。きちんとやれていた。フルーレでは奮わなかった山岡も2周目と3周目では言ったことがきちんとできていた。自分のフェンシングができたということは、1部に上がる心構えができていたということ。今日は奥村が良かった。二人目という役割がしっかりできていた。古俣も山岡にしてもやりやすかったはず。奥村はこの2週間で急成長したと思う。奥村の(試合中の)声を聞いた時、涙が出るほどうれしかった。ここまで変わるのに一年半掛かった。精神面の成長が大きい」
山岡珠子(政経3=鳥羽)
「最上級生としてのプレッシャーで緊張していた。心に余裕がなかった。本当はこんなところで緊張していてはダメ。いつもはもっと足を使っているイメージなのに使えていなかったり、いつもなら届くだろうというのが届かなかったりした。今日は本当に後輩が頑張ってくれた。自分がチームを引っ張らなければならないのに、足を引っ張ってしまった。いつも通りの動きができなかったが、後輩が大丈夫ですよと盛り上げてくれた。二人のおかげ。古俣はいつも通りすごい気迫だった。雰囲気ではなく、点数自体を引っ張っていってくれた。奥村に対してはいつも練習の時から怒っていた。メンタルにきていたと思うが踏ん張ってくれた。最後の試合も、自分がトントンで回した時に追い抜いてくれた。結果を出してくれて怒り続けて良かったなと。去年、二人の時にすごい辛い思いをしたのですごいありがたいと思った。古俣にも感謝しているが、奥村にはより一層感謝している。去年のリーグ戦ではひたすら泣き続けるみたいな感じだったので、だいぶ成長してくれたと思う。プレーも変わってきたが、それ以上に気持ち。自分も点数を取ってチームを盛り上げなければ、という意識が高くなってきた。後輩も引っ張ってくれるが、自分のことも支えてくれる。それは古俣にはできない。奥村にしかできないこと。声援も力になった。言われていることに分かってる分かってると思うが、分かっていても行動できていない自分が悪い。同期の子には色々教えてもらった。守屋先輩や荒井先輩も、男女が違ったりエペをしていないのにかかわらず励ましてくれた。自分が泣いてしまった時にはカバーしてくれた。ありがたかった。(2―2のスコアだった3巡目は)直前に古俣が追い付いてくれた。何が何でも突かなければ思った。ここは上級生としての踏ん張り。今後は、もちろん王座にいく。自分は行ったことがない。自分の兄(山岡靖典・平26政経卒)と大久秀先輩(平24法卒)と敦史先輩(山口・平26政経卒)と沖本先輩(拓郎・政経4=千葉県立柏陵)が王座に行って優勝した。すごい笑顔で、すごい楽しかったと言っていた。団体戦を戦えて楽しかったし、負けたのは悔しかった。その気持ちをもっと大きな舞台で味わえるのが王座。王座は関東と関西のリーグ戦の1位2位が上がってくる。最強の2チームが上がってくるイメージ。関カレ、インカレに優勝するのももちろん目標だが、それ以上に王座で優勝したい」
奥村美咲(理工2=北陸)
「トップバッターで出て、最初なので流れを作るためにプラス1でも勝って戻らなきゃいけないと思ってピストに立った。最初に練習から苦手としていた足突きをされて焦ったけれど、後ろの明治やOBの方の応援によって気持ちを切り替えることができた。それで自分の思う試合展開をすることができたので、逆転して5-3にすることができた。チームの流れを持ってくことができたと思うのでよかった。(最後周りについて)古俣が同点にしてくれたことによって、チームも諦めずに勝っていこうという感じになった。珠子先輩が同点に抑えてくれて、自分も古俣につなげるようにロースコアで我慢して、相手が崩れたところを打っていこうという風に頭の中でどういう試合をするか決めてピストに立った。それで自分の思うところでぶち込むことができて、プラス3という試合に運べたと思う。(主将の山岡について)珠子先輩はチームをうまくまとめてくれる。自分や古俣が落ち込んでいる時にそれに気づいてくれて、サポートをすごくしてくれる。それで落ち込んでいてもまた元気になって、頑張ろうっていう気持ちになれる。女子のキャプテンとしてすごくいいキャプテンで、いつも背中を見て着いていくという感じ」
関連記事
RELATED ENTRIES