男女フルーレ共に1部の座を逃す/関東学生リーグ戦1部2部入替戦
[男子フルーレ]
あと一歩のところで勝てなかった。守屋一教主将(法4=愛工大名電)の5連続得点などで3人目まで15-6と大きくリードしていた。しかし慶大4人目の小松崎(慶大)が7点を奪われると「相手に合わせてしまった」(守屋主将)とそれから完全に流れを慶大に譲ってしまった。それから慶大ペースで試合は進みついに追い付かれ、27-27で7人目の佐伯恒星(政経2=鶯谷)がピストに立った。フルーレが専門の佐伯は流れをもう一度明大に戻そうと、自慢のスピードを生かし奮闘した。両者のつばぜり合いは佐伯に軍配が上がり、35-34と明大が逆転した。しかし8人目の道脇啓太(営1=熊本県立翔陽)は2-6と自分の攻めをできないままこのリードを守り切れず、37-40でラストの守屋主将にバトンを渡した。「冷静になっていればよかった」(守屋主将)とチームをけん引し続けてきた主将に得点への焦りが生じてしまった。それから主将は3点を奪ったものの、あと一歩で得点を奪えず、40-45で惜敗した。
[女子フルーレ]
最後まで逆転することはできなかった。フルーレの要である山岡珠子(政経3=鳥羽)の不調が響いた。「プレッシャーで緊張していた」(山岡)と最上級生としての責任感の強さが裏目に出た。2人目で出ると1ポイントも取れずに2―9と差を広げてしまった。奥村美咲(理工2=北陸)と古俣潮里(政経1=新潟)が粘り、一時は2ポイント差まで詰め寄るも逆転はならなかった。その後はじわじわと点差を離され33―45と12点差で敗北となった。
エペに焦点を合わせていたとはいえ、フルーレも「勝ちたかった」(奥村)と悔しさをにじませる。山岡も「足を引っ張ってしまった」と後悔の念を見せた。しかし奥村が強敵相手に5連続ポイントを挙げるなど収穫もあった。来年も2部で優勝し、次こそ1部昇格を決めたい。
入れ替え戦で勝利を飾れなかった男女フルーレは、今大会で多くの課題が見つかった。守屋主将と佐伯はこの試合で、後半に追いつかれてしまい詰めが甘かったことからメンタル面の向上を課題に挙げた。また「男女で認め合うことが必要」(守屋主将)と男子には、女子が持つ協調性やチームワークが重要であり女子には男子が持つ競争心とさらなる技術の向上が不可欠である。しっかりとこれらの課題を克服したい。
[實吉陽紀・谷澤優佳]
試合後のコメント
井原健三監督
「(男子フルーレ)ふがいない。実力的には拮抗(きっこう)していたはず。リードしていた時に一気にいかなければならなかった。精神的な面の、ほんの少しの綻び、気の緩みがこういう結果を招く。彼らは良く分かっただろう。自分の力で取った点数と相手のミスによって得た点数をトータルしてリードしているから彼らはいけると思った。俺から見ていると、それは半々だった。そこのところが分かっていない。その中でも守屋は良かった。すごい責任感を感じていたことは秋につながる。あとの二人は、この入替戦がただの一試合ではないということを分かっていない。重要な試合ということを十二分にできていなかった。そこが今回の敗因。
(女子フルーレ)惜しかった。フルーレは全体的にレベルが高いから練習量を増やさなければならない。つまり部員が足りない。そこに尽きる。最上級生の山岡には期待をしていたが、緊張したのか奮わなかった。秋に向けていい勉強になったのではないか」
守屋一教主将(法4=愛工大名電)
「精神面の弱さが出た。最初に相手がうまく行ってなかったが、そのあと相手が立ち直したときに自分達が逆にうまくいかなくなってしまった。普通の気持ちでやっていればうまくいくはずだったが相手に合わせてしまった。相手の方が実力は上なのは分かっていたので同点に追いつかれたことが敗因。個人として、満足はしていない。最初の試合では結果を残せたが、ふた周り目から自分がもう少し冷静になっていれば良かったと思った。チームを楽にしてあげたいという自惚れた気持ちがあったせいで負けてしまった。フェンシングは技術も大事だが、自分のチームは基礎が足りないということが浮き彫りになった試合だった。目標はインカレ優勝しかない。そのためには男女が認め合うことが重要だと思う。男子には個々の実力があり、女子には団結力がある。男子は勝ちたい気持ちを抑えて、チームのために戦うことを意識するべき。女子はチームワークがあるが、競争心が少し足りない。どから男女で高め合っていければ良いと思う」
佐伯恒星(政経2=鶯谷)
「1試合目はよかったが、2試合目3試合目あたりからあまり良くなかった。相手が来てから自分が攻めるのを繰り返していて、自分から攻めることができなかった。7人目で出たときに点数を取って取られてというのを繰り返してしまった。点数を取った時に次も取れればよかった。そこで取り急いでしまったため、突き放すことができなかったので、一点取った後と精神面が課題。秋の関カレでは今日の試合のようなことをせずに、良い結果を出したい」
奥村美咲(理工2=北陸)
「(フルーレを振り返って)今はエペを専門にしている。エペの方が勝てる確率が高かったので、今日に向けての練習も女子はエペを中心にやってきた。今日のフルーレはエペの練習を活かそうということで試合に臨んだ。全然フルーレっぽい試合ではなかったけれど、相手がむかつくくらい、やりにくいように試合展開を運ぶことができた。勝ってはいないけれど、自分が0点の試合にすることはなかったのでよかったと思う。でもやっぱり勝ちたかった。来年また2部で優勝して、フルーレも試合で勝てるような実力を1年間でつけて、来年1部に上がりたい。(1巡目に5連続ポイントを上げたが)自分としてもびっくりした。三宅先輩(杏奈・日体大)は関カレやインカレでも個人戦でベスト4とか入ってる先輩で、実力の差がすごくあるので1点取れたらいいかなと思っていた。やりにくいフェンシングをしたことで5ポイント取れたと思う。それでチームも盛り上がってきたので、個人的には良い方の試合でよかったなと思う」
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