準々決勝でまさかの敗戦 連覇逃す/全国大学選抜選手権

2014.06.01
 連覇とはいかなかった。優勝候補に名を連ねて臨んだ今大会。第1シードのため大産大との2回戦からの登場となり、3―0と危なげなく好発進を決めた。続く3回戦も龍谷大を5―0と圧倒。連覇へ刺客なしかと思われたが、準々決勝で大商大に2―3とまさかの敗戦でベスト8に終わった。

 5人制の恐ろしさを味わった。今大会は普段の7人制ではなく5人制。一つの負けが重くのしかかってくる。そのため大会前、選手たちは引き分け以上に持ち込む「負けない拳法」を意識すると口をそろえていた。2、3回戦ではその言葉通り負け試合はなく順調に勝ち進んできた。続く準々決勝の大商大戦でも好調を維持する先鋒(せんぽう)の石田圭吾(文3=大商大堺)が2―0で勝利し、先手を取った。しかし、次鋒(じほう)、中堅ともに敗戦。さらに、副将の榊原亮(法4=大阪桐蔭)が3敗目を喫し、連覇への道は閉ざされた。それでも大将の大貫洋平主将(文4=東海大相模)は残り1秒で胴突きを決め主将の意地を見せた。7人制ならここから挽回可能であったが、無情にもここで試合終了。東日本大学リーグ戦を優勝し、自信を持って臨んだが5人制の難しさに阻まれた。
 ポイントとなったのは次鋒戦。頼れるポイントゲッターの栁口憲太(商4=長崎西)で勝利をたぐり寄せようとした。しかし、栁口はなかなか距離を詰められず得意の組みをさせてもらえない。そんな中、試合時間の半分が経過し、相手の蹴りが栁口の面を捉え一本を先取される。反撃したい栁口だったが最後まで思うように動けず時間切れ。「ポイントゲッターの栁口に江口(大商大)を当ててこられたことが今回の一番の敗因」(小山幸夫監督)と大商大の思い通りになり、指揮官も信頼する確実な得点源を封じられた。小山監督も「作戦ミス」と表情はさえなかった。

 全国大会の悔しさは全国で晴らす。「気持ちが乗りきれていなかった」(大貫)と精神面での課題も見えた。その課題を克服するべく「歯をくいしばって全員が付いてくるような練習と精神的にきついようなトレーニング」を積んでいく。府立までまだ時間はある。大貫メイジのさらなる進化に期待したい。

[西村典大]

試合後のコメント
小山監督

「残念です。5人制と7人制の違い、大商大戦でポイントゲッターの栁口に江口(大商大)を当ててこられたことが今回の一番の敗因だと思います。予定では石田と栁口が勝って、榊原か大貫のどちらかが勝つということだった。でも、大商大戦ではその形を潰しにきていました。私の作戦ミスです。7人制はうちの層の厚さだったら挽回できるけど5人制は一つの負けが重くなって厳しくなりました。7人制は7人しっかりいないと厳しいけれど5人制はどこの大学でもチャンスはあります。あとはやっぱりスタミナ不足。そこを意識して今後も練習していきたいです」

大貫
「2試合目まではみんな負ける気がしていなかったし、試合自体も勝ちと引き分けだけで、負け試合は無かった。なのでスタートはそこそこ、ここから気を引き締めていければ、といった感じでした。大商大戦に関しては本当にただの負け。単純な強さが足りなかったかな、と思います。技術とか体力とかも含めて、やはり気持ちが乗りきれていなかった。勝てるチャンスはいくらでもあると思うけど、つくっていくのは自分らの気持ちや力だから、そういう面でチームのムードから弱かったと思います。5人制は下手したら中堅までで決まってしまう試合なので、一人でも弱気を見せてしまうとどうしても次の人に引きずってしまう。苦手って言っていてもしょうがないので、苦手どうこうの前にそう思ってしまっていることが負けなのかなと思います。もっと最後の最後、きついところでしっかり取りにいけるような拳法をしていかなければいけないと思うし、そういう面で歯をくいしばって全員が付いてくるような練習と精神的にきついようなトレーニングを取り入れていかないと。このままだとチーム全体が浮ついているので、地に足を付けていきたいと思います」