ディフェンスが崩壊し関東学大にまさかの敗戦/関東大学選手権

ディフェンスが崩壊し関東学大にまさかの敗戦/関東大学選手権
 2日目を迎えた関東トーナメント。2部の関東学大との対戦となったが序盤から主導権を握れず苦しい展開に。前半を同点で終えるが第3クォーター終盤に連続得点を許し5点差となる。最終クォーターにディフェンスからやや盛り返すも大事なところで相手を上回ることができず69―73で敗戦。9~16位決定戦に回ることとなった。

 スターターは齋藤拓実(営1=桐光学園)、安藤誓哉(情コミ4=明成)、水口雅也(法4=福岡大大濠)、中東泰斗(文4=光泉)、伊澤実孝(政経3=愛知産大工)。

 まさかの敗戦を喫した。優勝を狙って挑んだはずの関東トーナメント。この日の相手は2部の関東学大。1部リーグで何年も戦っている明大にとっては負けてはいけない相手だった。しかし69―73で敗戦。想像もしない結果だった。ディフェンスでは相手のドライブに対応できず1対1で抜かれる場面が目立ち、抜かれたところでのローテーションも機能しなかった。ディフェンスで厳しく当たれないことで、シュート・カットインと自在なプレーから得点を許し失点。終盤の勝負どころで仕掛けたダブルチームもうまくいかず、ディフェンスからゲームを組み立てることができなかった。高さで劣るインサイドではプィ(関東学大)の力強いプレーに苦しめられた。中東、伊澤の奮闘もありリバウンドの数こそ抑えたものの、大事な場面で抑えきれず流れをつかみきれなかった。前日の東洋大戦後に安藤が口にした「ディフェンス、リバウンドをしっかりやること」ができず相手に流れを渡してしまった。試合後には「ディフェンスが敗因」と選手たちは口をそろえた。

 最後に踏ん張れなかった。試合終了残り10秒のところで安藤のスティールから中東のゴールで3点差とすると関東学大はたまらずタイムアウト。タイムアウト明けのスローインでは5秒オーバータイムを狙ったディフェンスをとった。しかし1秒たりとも持ちこたえることはなく相手は悠々スローイン。その前のプレーで関東学大に5秒オーバータイムを食らうディフェンスを受けていた明大。得意とするはずのディフェンスでも完全に上回られた。

 ディフェンス。明大が1番の武器としているものであることは間違いない。しかし今季ここまでそれだけのディフェンスは見られていない。ディフェンスは時間をかけ、チームとして完成させていくもの。新チームが始まって間もないこの時期に完成したディフェンスができないのは当然と言えば当然だ。重要なのはこの敗戦から秋のリーグ戦、インカレまでにもう1度ディフェンスを作り直すことができるかだ。「今回の試合で1年生がわかってくれればいい」(中東)。全員がベンチ入りを果たし試合にも多く出場した1年生。これからの成長に期待したい。

 選手層の薄さも露呈した。昨年度は選手交代が多く見られた明大。しかしこの大会ではあまり交代が見られない。1年生が多くベンチ入りしているため仕方のない部分はある。しかし足を使ったディフェンスを展開していくためには選手層を厚くすることが必要不可欠だ。チームの弱点であるインサイドの弱さも全員のリバウンドの意識でなんとか克服したい。

 まだ大会は終わったわけではない。9~16位決定戦へ回ることとなった明大。次の相手は中大だ。「負けた後のゲームが1番大事」と塚本清彦ヘッドコーチ。敗戦からの立て直しをどれだけ見せられるかに注目したい。

[松井嚴一郎]

試合後のコメント
塚本ヘッドコーチ

「相手の方がチームとして長くやってきている。最後3点差のところでもこちらの経験がないのでやりようがなかった。春はこんなもん。水口、宮本滉希(政経1=明成)のディフェンスが悪いのは分かっていたのでそこをどうするかだったけど僅差だと安藤、中東も自分のことでいっぱいになってしまう。(大会前に)この2人がチームに絡む時間も少なかった。これからディフェンスをどれだけつくれるか。チームとしてのタフさがない。現時点で向こうの方が上だった」

安藤
「とにかくディフェンス。改めて思った。これが今の実力とヘッドコーチに言われた。飲むべき言葉だと思う。前半からやばいな、とは思っていた。何とかしようとしたけどうまくいかなかった。ディフェンスしないとだめ。ディフェンスだったりリバウンドだったり基本的なことがやっぱり大事。勝負どころのリバウンドも抑えられなかった。これがスタートになればいい」

中東
「練習はしているが1年生や水口がディフェンスができない。自分のヘルプにいける範囲ではない。昨日も勝てるか勝てないかわからなかった。今年のトーナメントは自分達も代表の召集で練習に出られなかったし、チームで試合とかもやっていなかったからある程度ダメなのはわかっていた。選手層が薄すぎてどうしようもない。インサイドで点を取れないのは厳しい。リバウンドも取れないから、自分にシュートのセーブをかけていた。今回の試合で1年生がわかってくれればいい。こんなチーム状況で勝ってしまって自分達ができると勘違いしてもいけないので負けてよかった。これでどれだけ1、2、3年が悔しいと思えるのか。中大戦は(出場するか)まだわからない」

伊澤
「今日のゲームはオフェンスでもディフェンスでもチームが一丸となってやることができなかった。点数がとれている時も、ただ点数が入ってるだけという感じで、チームとして点を取れた気はしなかった。結局1試合を通して、良い流れを全く作ることができなかった。敗戦となった原因はチームディフェンスが全然できなかったことと、リバウンドでも勝てなかったことだと思う。個人的にはファウルをとられたあとに良い対応ができなかったのが一番の反省。今後は今日を再スタートとして1からチームを作っていかなければならない。個人としては、現在手薄なインサイドで徹さん(皆川・営4=京北)が戻ってくるまでは、自分が中心となってやっていけるようにしたい」