
早大をフルセットで下す リーグ最終順位は4位/春季関東大学男子1部リーグ戦
いい滑り出しを見せた。第1セット、セッターの政井拓歩(営2=市立尼崎)を中心に速い攻撃を展開した。さらに相手の攻撃に粘り強くセンター陣がブロックに付くことで、思うようなプレーをさせなかった。有田賢史(政経4=福岡大大濠)は安定して得点を稼ぐと、最後は輿崎風人(政経3=鹿児島商)のAクイックでこのセットをものにした。
流れに乗ることができなかった。第1セットでいい形で決めていた有田が早大のミドルにマークされてしまう。さらには早大のエース・専田にアタックの多くをフリーで決められるなど、苦しい展開に。それでも点差をつけさせずに食らい付いていたが、20─19の場面でノータッチエースを決められ同点に追い付かれると流れは一気に早大へ。22─25でこのセットを落とした。
拮抗(きっこう)した展開は続いた。第3セット序盤、サーブで崩され相手に5連続ポイントを許したが、ここぞという場面での有田のBクイックやブロックアウトを狙ったプレーなどがさえ渡り得点を重ねていく。中盤以降、スパイクが決まり切らずラリーとなるが、途中出場の竹内雅人(商4=羽黒)を中心とした粘りのバレーでものにした。明大がセットポイントを迎えた場面では、専田に3枚ブロックをつけアタックアウトを誘い、25─23と王手をかけた。しかし簡単に勝利を手にすることはできなかった。「点差をつけられたのをずるずる引きずってしまった」(原潤一・文3=習志野)と第4セット、攻撃の要である有田が捕まりリズムを崩した。さらにはその焦りからか「余裕が無かった」(政井)と、偏ったトス回しが目立ってしまう。13─18でリードを許した場面では、2連続で有田がブロックに捕まるとそのまま7連続失点。13─25でセットを落とした。
後が無くなった第5セット「1セット目の感覚で挑戦した」(政井)と切り替えて試合に臨み、2点目には専田をブロックで止めるなど勢いのあるスタートを切る。その後は競り合いが続いたが、6─7で迎えた局面で早大にコンビミスが生まれると、そのチャンスを逃さなかった。有田は「気持ちを全面に出していった」と攻めの姿勢で時間差攻撃を決めると、流れを引き寄せた。そしてマッチポイント、原のサーブで相手を崩すと杉本匠(政経4=聖隷クリストファー)が落ち着いてフェイントを決め15─11で勝利。フルセットの激闘を制した。
明大は4位でリーグ戦を終えた。初戦を落とすなど不安もみられたが、新しいチームで最後まで戦い抜いたことは大きい。「この4位がゴールではない。まだまだ自分たちのミスが多いというのと、連続失点を許してしまう詰めの甘さがある」(中村悠貴・文4=習志野)と主将はリーグを振り返った。そして見据えるのは次の東日本インカレだ。春を通して見えたチームの課題はコンビバレーのバリエーションや精度。一人一人がそのことをしっかりと受けとめ「他のチームより練習しているということで自信につなげていきたい」(有田)と気合は十分。今年も再び東日本インカレの優勝を手にしてくれるはずだ。
[川合茉実]
試合後のコメント
中村
「勝って良かったのが一つですが、春の4位がゴールではないです。まだまだ自分たちのミスが多いというのと、連続失点を許してしまう詰めの甘さがあるとリーグを通して思いました。今日は春リーグ最後ということで特別な決め事は言わずに、とりあえず楽しんで自分たちのやることだけやっていこうと言って送り出しました。(試合中は)ブロッカー陣に言ったのは専田的にはブロッカーを利用して決めることが多いと思ったので、空ける所だけ空けて相手に拾わせる、締めるところは締めて飛ばせていこうということは言いました。東海大戦で4年がふがいない試合をしてしまって、そこでミーティングをして自分たちを見直す機会になりました。もめ事があったからこそ慶大戦で4年がいいプレーができて、今日も竹内を信用して出せました。自分が出られれば中で指示ができるのですが、なかなか練習も出られない状況もありました。それでもやるべきことはありますし、ベンチの中で状況を冷静に見られる人が一人いるだけでも変わると思います。もちろん自分も戦っているつもりでやっているので勝ちたいし、自分が試合に出られなくても勝てればうれしいですし負ければ自分の責任だと思っています。(チームの課題は)サイドアウトを一本で取れないのはきついです。あとはコンビの数を増やしたり、正確性を上げていきたいです。(東日本インカレに向けて)前年度優勝チームとして、優勝を目指して全員で勝ちを取れるように頑張っていきたいです」
有田
「春季リーグの最終戦ということもあり、いつにも増して気合が入りました。それがプレーにも表れたので良かったです。4年生が引っ張っていかないと後輩も付いてこないので、全力でやっていきました。いつもより杉本の声が出ていて、それに負けないように声を出したので、盛り上がったと思います。早大のエース・専田と1年の喜入にサーブを集めないようにしました。その2人にいくと早大にゲームを展開されてしまうので、リベロを狙っていきました。作戦通りいつもより2人に仕事させなかったと思います。3セット目は竹内のおかげで取れたと思います。雰囲気もチームも変わりました。4セット目は疲れてしまったみたいだったけど、それでも3セット目で雰囲気を変えてくれたことは大きかったです。4セット目の連続失点は、相手のサーブが強くてこっちの攻撃が弱い、明治の一番弱いところを突かれてしまった。切り替えもできていなくて、点差がかなりついてしまった。第一に次につながるセットにしたいと考えていました。最終セットは15点マッチだから、あと15点取れば終わりだと踏ん張り、気持ちを前面に出していきました。今日までの試合を振り返ってみると、やっぱり一試合目に学芸大に負けたことがもったいなかったです。でも、それがあっての今だとも思います。こういう下のチームからの取りこぼしがあったら東日本でやっていけないと思いました。東日本インカレの時は気候的に暑くなっているので、走って体力作りをしたいです。他のチームは調整メインで来ると思うのですが、うちはあえて練習量を増やそうと思っています。他のチームより練習しているということで自信につなげていきたいです。自分は全試合で優勝しか狙っていないので、もちろん東日本インカレでも優勝を狙っています。そのために他校、特に中大にどうやったら勝てるかがポイントだと思います。常に相手を想定して練習したいです」
原
「今日は最初から最後までみんなで集中してできたと思います。全員がいつも以上に勝ちたい気持ちをもっていました。第4セットで点差をつけられたのをずるずる引きずりましたが、すぐに切り替えていければもっと良くなると思います。専田は速いけど高くないのでそこまで意識していなかったです。リーグ戦の初戦の学芸大との試合ではチームができていなくて、入れ替え戦もありそうな雰囲気だったけど、結果7勝4敗で勝ち越せたので良かったです。東日本インカレまでは一つ一つの練習を、やると決めたらやります。試合では楽しむことを第一にやりたいです。そうすれば結果もついてくると思います」
與崎
「リーグ戦は終わっていないけれど優勝が無くなったことで、モチベーションが上がりませんでした。調子も悪かったです。(3、4セット目を外から見ていたが)センターもテンパっていたのか偏ったトス回しになってしまっていたと思います。散らすように声を掛けるようにしました。試合中の修正能力が低いと思います。練習するしかないし、東日本インカレへの課題です。最終戦ではあったけれどいつもと変わらずに望めました。土曜はゲーム形式の練習をして最終確認をしました。(リーグ戦を終えて)初めてリーグ戦に出たので分からないことだらけでした。個人として課題が見つかったし、チームとして成長しないともっと上の相手とは勝てないと思うので、練習をして、明確な目標を定めてそれに向かってやっていきたいです。課題としてはブロックがあります。コンビバレーをしてくる相手だとブロックがなかなか機能しませんでした。1枚ブロックとか、ワンタッチを狙いにいくリードブロックとかを磨いていきたいです。雰囲気の浮き沈みや調子の良し悪しの波が激しいチームですが、最低限の部分を底上げしていけば悪くないチームだと思います。自分たちのバレーを明確にして、レシーブからの切り返しのスピードであったりコンビのパターンの多さだったりを、他大に負けないように練習していきたいです」
瀧野頼太(政経3=創造学園)
「最終戦を勝てたのは良かったです。全員がセットを取られて向こうのペースで試合が進んでも全員がしっかりと我慢できて集中できていたから、こういう結果につながったのだと思います。(早大・専田選手は)特に意識しなかったです。結構サーブが強いので、きっちり返すよりは上に返すことを意識しましたが、威力のあるサーブに対して弾いてしまうことがあったので、そこはこれからの練習で詰めてしっかり対応できるようにしたいです。(攻撃は)向こうにリードされて、こっちがいっぱいいっぱいになっている時に、レフトとエースに集まってしまうのが悪いところです。センターやオポジットを使ってもっと攻撃の幅を広げていけば、流れが悪くてもしっかり切れるのかなと思います。試合でしか実戦は経験できないので、反省して次に生かしていければと思います。(リーグ戦を振り返って)最初はどうなるかと思いましたが、リーグ中の中でチームを固めたことで一人一人の意識が上がってきました。ただ4位という結果につながりましたが、優勝を目指しているので4位という結果に満足している人は誰一人いないと思います。昨年自分は引っ張ってもらってついていく側でしたが、今年から来年にかけては自分が引っ張る番だと思っています。自分のプレーは得点には結びつかないですが、失点をしないように後ろでしっかり守っていきたいです。(東日本インカレまでは)コンビの精度やフェイントに対する柔らかいボールの意識などちょっとしたプレーをもう少し意識して、これから課題もたくさんあるのでそこを詰めて次に生かしていきたいです。(東日本インカレに向けて)前年度優勝しましたがチャレンジャーの気持ちを持って一戦勝ち進んでいければいいと思います」
政井
「1セット目の入り方から、みんな盛り上がって結構良い雰囲気のままいけたのではないかなと思います。今日も速い攻撃というのを意識しましたが、途中からその速い攻撃に対しての対応が早めにされていたので、その中でもしっかりスパイカーの打ちやすいようなトスを意識して上げていました。(スパイカーとの噛み合いは)崩れた時は甘かったですが、ちゃんと返った時はしっかりできたと思います。第4セットについては余裕がありませんでした。その後の第5セットは、最終セットでしたが、1セット目の感覚で挑戦というか、みんなで良い声を出して走り回ろうという雰囲気でやっていました。(リーグ戦を終えて)リーグ戦序盤は高い攻撃というかゆっくりとしたバレーから徐々に速いバレーになっていったのですが、その中でコンビがしっかり合うようにできたので、リーグ戦を通してみんなの打ちやすいトスなどをしっかりともう一度確認することができました。課題としては雑なプレーというか自分自身余裕のないプレーというのが何回もあったことです。リベロとセッターは周りを見ないとできないので、こういうプレーをなくしてゲームの中心になれるようにやっていきたいと思います」
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