最終戦で早大に雪辱果たし、春季リーグ戦を3位で終える/関東学生春季1部リーグ戦

2014.05.27
 2年連続となる3位でリーグ戦を終えた。試合は前半7分、ゴール前のこぼれ球に柏木圭介(法4=今市)が反応し先制。その後さらに1点を追加し、前半を折り返した。後半開始後、立て続けに2点を失い1点差に詰め寄られてしまう。しかし後半20分、PC(ペナルティーコーナー)から谷光未有(法1=天理)がこの日2点目となる貴重な追加点を決め、再び差を広げた。その後も2点を追加し、6-3で勝利。予選リーグで敗れた相手に雪辱を果たした。

 作戦が的中した。宮田知監督が「今日は最初からやるべき形で点が取れた」と語るように、前線からの積極的な守備から高い位置でボールを奪うことに成功。先制点も相手DFのパスミスが起点となり生まれた。さらに「しっかり体をいれてボールもらえば反則をもらえると思っていた」(大嶋)とサークル内での激しい相手ディフェンスを逆手に取った。その言葉通り前半だけで5本ものPCを獲得するなど試合巧者な試合運びを見せ、前半は終始明大ペースで試合が進み、2―0で試合を折り返した。
 後半も勢いは止まらない。両サイドからの正確なセンタリングから数多くの好機をつくると、流れの中から佐々木遼(法2=石動)が追加点。さらにPCから谷光が決勝点となるゴールを決めると、最後は大嶋雄飛(文3=今市)がPS(ペナルティーストローク)をゴール右隅にループ気味に決め、渾身のガッツポーズ。試合を決める得点に大嶋は笑顔を見せた。
 快勝も不満が残った。前半2点を先制しながら、なかなか追加点が奪えず、後半守備が乱れ3失点。交代した選手のマークが甘くなり、何本もの縦パスを通されてしまった。「自分の失点がなければもっと楽に勝てた」(國友督仁・政経2=丹生)と頼れる守護神は納得しない。成長の余地を残した守備陣が今後の試合のカギを握る。

 期待の新人が頭角を現した。予選リーグの早大戦後「谷光は本当に頑張っている。これから成長してくれる」と語った宮田監督。今日の試合では2得点を奪い期待に応える活躍を見せた。学生王座決定戦は谷光の地元の奈良で行われる。「高校の時の仲間にいいプレーを見せたい」と意気込みは十分だ。チームがどこまで勝ち進めるか、1年生FBにかかる期待は大きい。

 リーグ戦を終えたが、1カ月後には学生王座決定戦が控える。初戦の早大戦から岡崎慶二(理工4=石動)が復帰することが予想されるなど、チームの状態は右肩上がりだ。この1カ月の間にフィジカルを鍛え直し、さらに調子を高めていく。「王座はもちろん優勝するのみ」と安部雄貴主将(商4=横田)。その視線の先にあるのは王座の頂点だけだ。

[萬屋直]

試合後のコメント
宮田監督

「今日は最初からやるべき形で点が取れた。そこは合格点かな。しかも、同じ相手に二度も負けられないし、リーグ戦も負け越して4位じゃ格好悪い。とにかく勝って良かった。大学王座の初戦でも早稲田と当たることが決まっていて、本当はもっといい勝ち方をしたかったから3点取られたことはまずかったかな。守備の要の岡崎をケガで欠けているけれど、王座までには戻ってくるだろうし、そこで守備もしっかりしてくる。攻撃もこの調子を維持していれば王座のタイトルも夢じゃないかな。今日はチャンスでうまく得点できたね。惜しい場面もあったけど、落ち着いて実力通りの結果が出たかな。リーグ戦は3位に終わった結果には満足はしていないね。今日、早稲田に6―3で勝てるチームなんだから予選で負けたことがそもそも間違い。でも、終わったことはしょうがない。前に進むしかない。王座では早稲田にもう一度勝って、去年のインカレで負けた東海代表の朝日大にリベンジしたいね。あとは、暑さとの戦いになってくるから走り込みをさせてフィジカルを鍛え直していく」

小池文彦コーチ
「前回の早大戦と山梨学大戦は10分以内に点を取られてしまったので、そこを課題に挙げてやってきた。先に2点取って無失点で前半を折り返せたのはこっちの作戦通りだった。前回の早大戦と違うのは前から守備をやらせたので相手を崩して攻撃ができたこと、しかし3点目を取れるチャンスもたくさんあったので取れなかったのがこれからの課題で王座決定戦に向けて修正していきたい。前半はサークルに入れさせない守備のやり方がしっかりできていたのでシュート数も少なかったと思うのでこの辺はよくやってくれたと思う。でも後半は交代した選手のマークが甘くなっていた。そこが守備面の課題でそこで失点が増えてしまったので修正していかないといけない。王座の時には岡崎慶次が帰ってくるので失点が減らせると思う。今日は両サイドから崩してよくFWがやってくれたので空いている両サイドから中が空いたところに打ち込むことがうまくできた。王座の初戦が早大なので一戦一戦暑い中やっていくのでまた最初からフィジカルトレーニングをしていってしっかり勝って優勝を目指したい」

安部主将
「昨日のミーティングで前半で勝負していこうと話していました。今日はその作戦がうまくいって前半をいい形で折り返せたので良かったです。後半はできれば無失点に抑えたかったのですが、早稲田の底力ということで強いものがあったので失点してしまいました。それでも負ける気はしなかったです。失点しても得点を重ねていけたことが良かったと思います。王座の初戦はまた早稲田なのですが、王座までは今日同様に大差で勝てるように、そして最終的には優勝できるようにみんなで一丸となって練習に取り組んでいきたいです。王座はもちろん優勝するのみです」

柏木
「今日は前半は良かったんですけど後半の3失点が良くなかったですね。僕のところでいつもチャンスがあるんですけど決められていなかったので先制点は絶対決めてやるという思いでした。春リーグ最後の試合で決められて良かったです。王座はもっと暑い季節になってくるので全員で走れて勝てるチームにしていきたいです。一つ一つ勝ち進んで優勝を目指します」

大嶋
「この前こっちのシステムがはまらなかったので少し変更したら完全にはまってこっちがやりたいようにできたのが良かった。PSは前半からサークル内でガツガツ体を当てられていたのでしっかり体を入れてボールもらえば反則をもらえると思っていた。早稲田が相手だったので絶対に決めてやるという気持ちで打った。王座は春季リーグ戦は3位で終わってしまったが、4年生を優勝させてあげたいし今年の集大成を王座から出していきたい。チームの流れとしてはいいので絶対勝ちたいと思っている」

國友
「自分の失点がなければもっと楽に勝てた」

谷光
「PCの得点は練習していた形がうまくいって良かったのと、投げてくれた先輩のおかげということも大きい。2点目は得意のコースに打ったが少し抜けてしまった。でも、うまく入ったのでうれしかった。王座では高校の時の仲間にいいプレーを見せたい。そしてチームとして優勝できるように頑張りたい」