実力出し切れず 悔しい準々決勝敗退/東京学生優勝大会

2014.05.26
 シードとして2回戦、3回戦を順当に勝ち上がった明大は、準々決勝で日大と対戦。力を付けてきている日大相手に上田轄麻(政経3=愛知県私立大成)、金山天地(政経1=柳ヶ浦)が勝ち星をあげるも、通算2勝5敗で敗れ、昨年と同様にベスト8という結果で今大会を終えた。

 3回戦までを危なげない試合運びで勝ち進み、迎えた日大との準々決勝。昨年から無差別団体戦は準々決勝敗退が続いており、ベスト8の壁を破るために負けられない一戦だったが、結果は2勝5敗で完敗。勢いのある日大相手に最後までペースをつかめなかった。先鋒から4連敗を喫した時点で準々決勝での敗退が決定。敗戦が決まった重苦しい雰囲気の中で、三将の上田、大将の金山が一矢を報いたが、不完全燃焼の悔しいベスト8となった。

 エースの上田がポイントゲッターとしての役割を果たした。強豪校と比較すると明大は小柄な選手が多いため、無差別級の今大会において上田に懸かる期待は大きかった。その中で見事出場した3試合で全勝。「監督からも絶対に取ってこいと言われていた」(上田)と本人も自分に与えられた役割を自覚していた。小さいころからの夢だったという4月の全日本選手権での経験を経て一層たくましくなった上田だが「最後まで気を抜かないことが課題」とさらなる成長を誓った。

 また、ルーキー金山が大暴れした。金山は初戦の明学大戦でこそ敗れたものの、準々決勝の日大戦では大将を任された。「重たいと思ったけど気持ちで勝った」(金山)と自分より40kgほど体重が重い相手に対して真っ向から勝負を挑み、最後は肩車で一本勝ちを収めた。今年度最初となる今大会での新戦力の台頭はチームにとって明るい材料となった。

 チームとしては悔しい結果となってしまったが、赤迫弘幸主将(政経4=延岡学園)は「この負けを糧に切り替えてやっていきたい」と気持ちはすでに来月の全日本に向かっている。悲願の日本一達成へ、今こそチームの真価が問われる。

[鈴木拓也]

試合後のコメント
赤迫
「(今大会を振り返って)全然駄目だった。日大にあれだけ大差をつけられて。本来なら全然負ける相手じゃないと思うし、一人一人の役目をしっかりと果たしていれば勝てたはず。その後に当たるはずだった国士大も普通にやっていれは負けない相手だったと思う。今回はチームがまとまっていなかった。まとまっていなかった理由の中で、一つは自分があの場面で出ていなかったことがあると思う。気持ち的にキャプテンがいるチームといないチームとでは全然違うと思うので、全国ではそういうことが絶対無いように。まあ、次が本番なので。今回は負けてしまったのはしょうがないので、この負けを糧にして、あと1カ月は切り替えてやっていきたい。(1年生について)1年生はそれなりにできているやつと、できていないやつがいる。金山は大学最初の試合で緊張してたのかもしれないけど、その後は切り替えてよくやっていた。名垣浦(佑太郎・政経1=愛知県私立大成)に関しては、もっと前に出ないとこれから全国では厳しい。それをあと1カ月で自分がうまくまとめて、名垣浦にしろ、三村(暁之・政経1=崇徳)にしろ、もっと伸びると思うので、意識して練習してもらいたい。(監督からは) 自分が日大戦で、練習不足もあり、使ってもらえなかったことを指摘された。自分もまだまだポイントゲッターというわけではないので、そこをあと1カ月でポイントゲッターになれるよう、誰とやっても勝つという意識で練習していきたい」

上田
「普段やっていることをだんだん試合で出せるようになってきたので、全国に向けてみんなで勝ちにいく。相手より先に技をかけて、優位に試合を進めた。持ちあえば相手も勝負してくれるので、チャンスも出てくる。監督からも絶対に取ってこいと言われているので、そこを自覚してこれからも全部勝っていきたいと思う。全勝できたのは収穫だと思う。(課題は)最後まで取り切れなかったこと。団体戦は一本が1番大きい勝利なので。(全日本への意気込み)自分が全部勝って、みんなで優勝したい。(全日本選手権に出場したことについて)あの舞台に立つことは小さい頃からの夢だった。負けたけどこれからの課題が分かった。それは今日の試合で出せたかなと。(課題とは)勝ってはいたが、残り最後まで気を抜かないということ。あと技を早くすること。それはできるようになってきたので、後は投げ切ること」

金山
「1試合目が緊張して、自分の弱さが出たと思う。自分より小さかったので油断して、すぐに負けた。(その後の試合は)監督にしっかりアップしろといわれて、気持ちを入れて試合をしたから勝てたと思う。(日大戦の相手はかなり大きかったが)重たいと思ったけど、気持ちで勝った。とにかく投げようと思った。体落としや小内刈りは一か八かで掛けた。(大学と高校の違いは)やっぱり大学生の方が力が強いし、高校生と違って1回戦から油断ができないなと感じた。組み手はいつもより良かった。(レギュラーに1年生が多く起用されたが)監督がそれだけ期待してくれているということだと思うので、期待に応えたいと思った。監督が出してくれたのは自分たちの代も期待してくれてるということだと思う。油断をなくしたり、最後に指導を取られたりしたところを直していかないと上にはいけないと思う。1カ月間頑張って全国で優勝したいと思う」