
山越が同点弾! 首位専大に価値あるドロー/関東大学1部リーグ戦
チームの成熟が感じられた。前半は劣勢となるも、カウンターから石原幸治(政経4=市立船橋)の縦への突破や、木戸晧貴(文1=東福岡)の裏への抜け出しでチャンスをつくる。グループでのブロックを作った守備と個人での粘り強い対応がかみ合い「前半はとにかく失点をしないことを考えていた」(三浦)とプラン通りの0―0で試合を折り返した。
後半開始早々に失点してしまうが、慌てることはなかった。「選手たちが自分たちでうまく修正した」(栗田大輔助監督)と失点後も差波優人(商3=青森山田)、小谷光毅(政経3=ガンバ大阪ユース)のダブルボランチを中心にボールを動かし続ける。迎えた後半19分、差波のCKがマークを外して完全にフリーとなった山越の足元へ。「落ち着いて決めることができてよかった」(山越)と完璧なトラップからゴールへと流し込んだ。勝ち越しゴールこそ奪えなかったが、リーグ戦3連覇中の王者専大に一歩も引くことなく最後まで攻め続けた。強豪相手にも自分たちのサッカーを貫き通せたことは、やりたいことがチームで共有できていることを確実に証明した。
1年生の二人が躍動した。今季初先発でフル出場を果たした木戸は、持ち前のキープ力と運動量を存分に発揮。高い位置からプレスを掛け続け、一転チャンスを感じると裏へ飛び出し果敢にゴールを狙った。前半40分から途中出場した土居柊太(政経1=浜松開誠館)は、切れ味のあるドリブルと体を張った守備でチームに勢いをもたらした。また、木戸、土居の二人の関係からシュートまで至ったシーンには明大の新たな可能性を感じさせた。1年生のハツラツとしたプレーぶりに小谷は「下の学年からどんどん刺激がくると、いい競争ができると思う」と身の引き締まる思いを語った。アグレッシブなこの二人がチームにフィットしてくると、攻撃の幅がさらに大きく広がっていくだろう。
前期最終節となる国士大戦は約3週間後となるが、その前にアミノバイタルカップが控えている。昨年度の優勝校である明大は、各チームの厳しいマークにあうだろう。リーグ戦とは異なる一発勝負のトーナメントでどういった戦い方をするのか。チームとしての真価が問われる。2連覇という最高の形で、前期最終節へと弾みをつけたい。
[鈴木拓也]
◆集中応援日のお知らせ◆
6/14(土)明大VS国士大 13:50 kickoff
場所:味の素フィールド西が丘(都営地下鉄三田線「本蓮沼」駅より徒歩10分)
※当日は各種イベント有
☆先着240名様には大塚製薬様よりご提供いただいたポカリスウェットを差し上げます!
試合後のコメント
神川明彦監督
「いい試合でした。1年生は良かったですね。木戸は裏への抜け出し、後はしっかりキープできますよね。1年生ながら。本格派のFWという感じ。例年に比べたら勝ち点18はよく取っている。最終戦も勝ってなんとか20にのせて終わりたいですよね。中央戦と流経戦が痛かったですね。今日はまわされることは覚悟だし、そういう練習はしている。やっぱりカウンターが怖かったですよね。後ろの4枚はうちは固い。やっぱり全日本選抜に3人入るだけある。個でもしっかり守れている。室屋も高橋も山越も。キーパーもお互いいいキーパーで双璧だった。締まったいいゲームでした。高橋は今日、全開でしたね。でも彼はまだまだこれから伸びますよ。室屋も前節に比べると良かった。今の専修の選手を見る限り、最高の状態ではなかったので勝ちたかったですけどね。しょうがないです。栗田助監督が木戸を起用したのも良かったんじゃないですかね。もっとシュートを打って欲しかったけど。リーグ戦の競争も激しくなってきてるし、楽しみですね」
栗田助監督
「(今日の試合を振り返って)まず勝ちだけを求めて試合に臨んだ。専大に力があることは分かりきっていたので、まず気持ちを見せることを選手たちに要求した。不運な形で失点してしまったが、崩されたわけではないし、失点後も選手たちがピッチの中でうまく修正できていた。そういった意味では、同点に追い付いた後にもう一点取れなかったのが悔やまれる。(後半になってボールが回るようになったが)ハーフタイムに少し指示を出したけど、主に選手たち同士が話し合って自分たちで修正できた。恐らく、プレーしていくうちに、どこにボールを置けば失わないかということを感じ始めたのだと思う。(守備について)大きく崩されることなく、安定感が増してきたと思う。しっかりとブロックを作って専大独特の攻撃をやらせていなかった。(木戸の先発起用について)藤本が使えないってこともあったし、木戸は練習から調子がよかったので。木戸は大舞台にも強いし、運動量があって守備も頑張れるから計算のできる起用だった。もう少し早い段階でシュートを狙ってもよかったと思う。(アミノバイタルカップに向けて)また練習していくしかない。昨年優勝して追われる立場ではあるが、しっかりとした準備をして臨みたい。結果を出して前期最終節に勢いをつけたい」
三浦祐介ヘッドコーチ
「お互いにレベルの高い良いゲームだった。(ハーフタイムに何か話はあったのか)特に話はしていない。気持ちの問題だと思う。点数を取るとチームって勢いに乗るし、点数を取ってからのサッカーを本当は最初からやらないとだめだと思うしできるはずなので、まだまだそういった部分で本当の意味での自信を付けられるように普段の練習から意識高くやっていかなきゃいけないと思う。(失点について)一生懸命やった結果。ああいったこともサッカーには起こり得ることなので、大事なことはあれで気持ちを切らさないでちゃんと追い付いてやれたっていうのがよかった。仕方ない。次節は一回アミノバイタルを挟むので気持ちの部分では今すぐどうこうっていうのはつくれないですけど、前期の最後なのでしっかりと勝ちを取って勝ち点21で終われるような準備をしていきたい」
三浦
「今4位で相手が1位ということで、チャレンジャーということは忘れないで、前半とにかく失点をしないということを考えていた。自分たちが点を取れたらラッキーぐらいの気持ちで。1失点は想定内だったので、攻撃の組み立てを変えることはなかった。その中で、1点取られた後に1点取れたということはすごいポジティブにとらえていいというか、成長しできたなと思う。なんでもかんでも取りにいくと相手もうまいので、そういうところは我慢しながら、やらせていいところとやらせちゃいけないところの見極めをしっかりときちんとした。(DFラインは)かなり試合を重ねてきているので、やりたいことも分かるし、自分のしたいことを伝えればある程度分かってくれる。関係性は良くなってきているので、毎年調子が悪いといわれている前期が守備から入ることで安定した戦いができている。自分たちも自信を持ってやれている。(2本の好セーブについて)前澤とは選抜で一緒でいろいろシュート練習をする中で、癖がある程度頭の中に残っていた。タイミングが合って良かった」
山越
「(今日の試合を振り返って)前半は0―0で折り返してゲームプラン通りだったが、後半早い時間帯でセットプレーで失点してしまったことは課題だと思う。そういうところは練習から意識して厳しくやっていかないといけないと思う。(失点後はうまく持ち直せたか)まず追加点を与えないように、チャンスは絶対に来ると思っていたので。後ろがしっかりと集中し直すことができた。(同点ゴールについて)フリーだったので、落ち着いて決めることができてよかった。(ペースをつかみながらも勝ち越しができなかったことについて)こういう試合で勝ち切れないということも、明大が今この順位にいる理由だと思う。そういったところはチームで改善していかなければならない。(全体的な守備について)相手は力のある攻撃だったので、一人一人個人で負けないことを試合前から確認していて、それがしっかり試合でできたことがよかった。(アミノバイタルカップに向けて)リーグ戦とは違ってトーナメントになるので、まずいい守備からいい攻撃というコンセプトをしっかりとまた確認して臨みたいと思う」
小谷
「勝ちたかったが、まず負けなかったというのが大きいと思う。前半からもうちょっと積極的にボールをまわして主導権を握れたら良かった。けど、守備はうまくはまっていたので良かった。専修はうまいというのは分かっていたので、ボールホルダーに対して2人では絶対に行かないということと絶対一対一で負けないということは意識していた。そこの部分でやられてなかったので良かった。攻撃の部分で最後のアイデアを見せていければ良かったと思う。最近はあまりシュートを打ててなかったので、ミドルシュートを狙っていった。決められれば良かったんですけど。(1年生の活躍は)下からどんどん刺激がくると、いい競争ができると思う。それは今チームがいい状態だということだと思う。チーム内での競争は大切だと思う。(次に向けて)アミノバイタルは去年優勝してるので意識されると思うんですけど、そういう中でもしっかり勝ち切りたい」
木戸
「(リーグ戦初先発となった今日の試合を振り返って)初先発ということで、やる気は今まで以上にあった。ポジションを取ってやろうという気持ちより、チームに貢献したいという気持ちの方が強かった。点が取れなかったことが課題だと思う。(意識したことは)専大はポゼッションをしてくるチームなので、まず守備をしっかりやろうと思っていたし、実際に守備の部分はやれたと思う。攻撃の部分は、前半はなかなか形がつくれなかった。守備に費やす時間が多くなってしまったが、まず攻撃しないと点が取れないので、そういうところは改善点かなと思う。(緊張はなかったか)緊張はなかった。試合を楽しむことができた。(専大の印象は)一人一人の質が高いが、自分たちも全然負けていないと思う。失点も自分たちのミスなので、もっと攻撃に磨きをかけていけば後期は絶対に勝てると思う。(課題は)勝ち越しできなかったこと。後半は明大の方がチャンスは多かったので、そこを決めていればこれからの自信にもつながったと思う。練習から意識してやっていきたい。(これからやっていかなければならないこと)高校選抜などでチームに帯同する時間も少なかったが、1年間通してケガなくやっていくことが大切だと思うので焦らずにやっていきたい。(アミノバイタルカップに向けて)昨年優勝していて、相手はそこを潰しに来ると思うので、逆に自分たちがチャレンジャーだという気持ちを持ってまた優勝したい。そうすれば後期も良い流れでいけると思うので、優勝しか考えていない」
土居
「前半の早い段階で監督から行くかもしれないって声が掛かって、向こうで瀬川選手があまりパフォーマンスがよくなかったのでもしかしたら行くかもしれないって言われた。自分あんまり準備してなかったのでびっくりしたんですけど、その中で切り替えてアップの中で、監督から自分が入った時に守備どうやるかとか攻撃どうやるかとかイメージを持ちながらしっかり準備しとけって言われた。前半残り5分のところで交代したんですけど、自分的には今日のゲーム振り返って正直言うと実際自分のプレーっていうものをあまり出せなくて、10点中3点とか自分の採点だったらそのくらいの厳しい採点をつけてもいいぐらいの内容だった。一番プレーしてて感じたのは体の当たりだったり、自分の体の弱さだったり体力面で、途中交代だったんですけど最後まで自分の体力が持たなかったっていうところを反省したい。自分の持ち味はドリブルで仕掛けたりするタイプ。そういった意味では監督やスタッフからもそういうところをどんどん出してけっていうのは言われてたので、自分がドリブルで一人かわすことによってもっとチームの状況が変わったりすると思った。そういう面では自分で仕掛けたりっていうのは意識していた。(木戸との連携が多かったように思うが)私生活からも結構一緒にいたりする時間も多いし練習の時も話すことも多い。練習だったり試合だったりの時にもっとこうした方がいいとかそういう要求の声もある。そういった意味ではコミュニケーションは取れてると思うので、連携っていうのは入学当初に比べたら出てきたと思う。次はリーグ戦じゃなくてアミノバイタルカップに入るのでリーグ戦じゃなくてトーナメントになってくる。そういった面では一試合通して走り切る力だったり、トーナメント戦になってくると相手も引いてくると思う。自分が結果を残すっていうところで得点力だったり一番は体力面と自分の体の強さっていう面で今日痛感させられた。これからの一週間で改善できるところがあればそこを自分の中で改善してチームのために貢献できるようにやっていきたい」
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