女子エペも2部全勝優勝で入替戦へ!/関東学生リーグ戦

2014.05.23
 エペでも全勝優勝を果たした! 女子は20~22日にかけてリーグ後半戦が行われ、エペでは昨年度のインターハイ王者・古俣潮里(政経1=新潟)が9人目で13点を奪い逆転するなど大車輪の活躍を見せた。サーブルは準備不足もあり3戦全敗。2部最下位に終わった。この結果、エペは先週のフルーレに続き、6月8日に行われる1部2部入替戦への出場を決めた。

[女子エペ]
 古俣潮里(政経1=新潟)が圧倒的な強さを見せた。初戦にして最大のヤマ場だった慶大戦は、序盤にリードされるも僅差のまま勝負は進んだ。山岡珠子(政経3=鳥羽)と奥村美咲(理工2=北陸)が共に、ノン・コンバット(対戦無意欲試合)でスコアを動かさずに最後の古俣に回す。古俣が大量得点しやすいために作られた30-29の状況から、彼女は怒涛の攻めで得点を重ねていき、45―40で勝利。作戦通りに試合を決めた。
 続く法大戦は32―36と逆転された状態で、9人目の古俣に順番が回る。ここでも攻めるフェンシングを見せ大量得点で逆転した。その後44―44になった時にもリラックスして得点。

エペで圧倒的な強さを見せた古俣
エペで圧倒的な強さを見せた古俣

試合を決めたかに思われたがノーカウントで、流れは止まったかに見えた。それでも、もう一度得点を奪い45―44で勝利。「不思議とそこまで気分は落ちなかった」。1年生とは思えない、落ち着いた対応だった。
 先輩の奥村は「ずばぬけて強い」と古俣を絶賛した。フルーレでは中心となってチームを引っ張った山岡も「一本一本が速い」と強みを分析。エペにおいては古俣がチームの柱となっている。

[女子サーブル]
 3戦全敗で2部最下位に終わった。2敗で迎えた学習院大戦は終盤に粘り切れず43―45で逆転負け。終盤までリードしていたものの、相手の気迫に押され、勝利を挙げられなかった。
 それでも、選手に悲壮感はない。現在女子の部員は3人。団体戦で15本のビハインドを背負うことはなくなったが、3部門すべてで勝ちにいくことは難しい。普段サーブルの練習をしていない山岡と奥村が剣を握ったのは、昨年のリーグ戦以来1年ぶり。井原監督は「選手がいないのに戦うのはやはり厳しい」と振り返った。

 古俣の加入を受け現在、女子はフルーレとエペに力を入れている。リーグ戦が始まる前の思惑通り、その2種目で入替戦進出を決めた。「リーグ戦の結果には満足している」と山岡。笑顔で大会を終えた。

[谷澤優佳・柴田遼太郎]

試合後のコメント
井原健三監督

「去年は部員が二人。今年は三人。2部だけど、全勝優勝を2種目でできた。画期的なこと。非常にうれしい。入替戦で1部に上がる。エペは慶大が注意すべき相手だった。ノンコンバットの作戦勝ち。サーブルに関しては3種目を一人でやるのは無理。だからサーブルの結果はやむを得ない。サーブルを主とする選手がいた場合は、サーブルとフルーレを中心にやっていく。しかし今年は古俣が入ってきたので、エペで勝って1部に上がる。エペとフルーレを重視していこうというのが今のチームの方針。フルーレとエペに関しては選手がいるのだから負けてはいけない。サーブルも内容がいいに越したことはないが勝負の世界なので、選手がいないのに戦うのはやはり厳しい。それでも学生スポーツなので、一生懸命やるということは変わらない。3人で目一杯ぶつかっていけと言っている」

山岡珠子(政経3=鳥羽)
「サーブルは負けてしまったが、自分としてはフルーレとエペをメインに戦おうと思っていた。勝てるところにきちんと勝つことができた。リーグ戦の結果には満足している。入替戦の権利をつかみ取れたことは大きい。(古俣について)強い。相手は古俣がどういうプレーをしているか分かっているのにも関わらず、自分のプレーを貫ける。そして一本一本が速い。エペはフレーズがないので突けば勝ち。古俣は腕が速かったり、ドゥゼームが速いのが強みだと思う。(サーブルについて)日体大も慶大もサーブルの練習をして臨んできたチームだったので、正直勝つことは難しいと思っていた。明大は誰もサーブルの練習はしていなかった。古俣は人生で2回目、私と奥村も1年ぶりに剣を握った。フルーレとエペで優勝していたので楽な気持ちで臨めた。入替戦があるのでケガだけはしないように、エペとフルーレに支障がでないように楽しくやれたらいいと考えていた。しかし、学習院大戦は勝っている状況で自分に回ってきたのに最後に落としてしまったことは良くなかった」

奥村美咲(理工2=北陸)
「女子のフルーレとエペで優勝できたのは、チームの総合力。古俣はずば抜けて強いが、特に自分は格下。チーム力を自分のせいで下げているが、チームをうまく引っ張ってくれた珠子先輩、ベンチに座ってくれていた男子の先輩たち、あとはポイントを取ってくれる古俣のおかげで優勝できた。チームワークはどこの大学よりも良い。それが勝因。サーブルは今日に向けて練習していなかった。負けても仕方がないという感じ」

古俣潮里(政経1=新潟)
「(エペの)慶大戦は、私はフェンシングスタイル的に相手から得点を取りに行くようなフェンシングをするが、同時突きとか残されるとか自分でちょっとミスをしてしまうとかで1本2本は取られてしまう。フルーレみたいに攻撃権があるわけではないのでどうしても何本かは取られてしまう。それで私が大量得点するために先輩方にあらかじめ最後周りになったらできるだけ失点しないでください、と伝えていた。失点しないことになると相手も取れないので、私が15本取れば勝つが相手に5本取られたら負けてしまうって状態だと取られることが怖くて思い切り攻められないので、私が5本取れば勝つというよりは相手が15本取らなきゃ勝てないくらいの状況にして欲しいと思っていた。それが慶大戦はうまくいった。最後の二つはノン・コンバットで回してくれたので、相手があと16点、私があと15点で回ってきてそれで存分に戦えた感じ。法大は3人とも強い選手だったので作戦通りにはいかないかなと思っていた。最初の立ち上がりでリードできて後ろから、手を伸ばせと言ってくれて5―3でも上がれた。その後の1巡目は山岡先輩も奥村先輩もエペ陣を相手にすごく競ってくれて、それで相手がちょっと嫌だなと思ってくれたのだと思う。それで私も乗って、私もリラックスして動いて動いて手を伸ばすということができるようになった。最後ビハインドで回ってきた時に、私はいつもだったら4点取らなければとなったが、先輩方が急がなくていいよって言ってくれたおかげで、3分使って4本取ろうって思うことができた。負けてはいたけどロースコアの取られても大丈夫なスコアで、相手も5本じゃなくて何本も取らなきゃいけなかった。だから気持ち的にも余裕があって1本取られても次取り返そうって思ってやったが、結局44-44になってしまってすごく焦った。でも後ろで先輩たちがいいよ、いけるよ、って言ってくれてそれのおかげで力がふっと抜けて、何をして取るかっていうのを考えるのではなく手を伸ばすことだけを考えようと思った。それで1本取ったんですけどノーになっちゃってちょっとだめかな、と思った。一回取ったと思ったものがないってなるとやっぱり流れが壊れるのでやばいかなと思ったが、不思議とそこまで気分は落ちなくて手を伸ばせば多分勝てるみたいな謎の確信があって、それで思いっきりいけた。リードした状態で最後回されると負けたら全部自分のせいだからプレッシャーはかなりのもの。そのせいで相手がちょっと強張っていて引いてくれた。逆に私はビハインドで上がってるのでここで負けてもまあリードされてたしねってなるし、でもここで勝ったらすごいって言われる。だから逆にもう気負いがなくて、アドバイスしてくれた男子の先輩とかそういう風にロースコアで持ってきてくれた先輩たちとかに本当に感謝している」