国士大との最終戦制し4位/関東学生春季1部リーグ戦

2014.05.22
 国士大に競り勝ち4位で春のリーグ戦を終えた。序盤からディフェンスで流れをつくり、点差をつける。後半に入ってもいい流れのまま最大8点まで差を広げた。終盤にディフェンスの乱れからロングシュートを何本も決められ残り30秒で1点差まで迫られるも最後は吉野樹(政経2=市川)が落ち着いてシュートを決めゲームセット。30-28で最終戦を勝利で飾った。

 吉野のシュートが試合を決めた。国士大に猛追を許しリードはわずかに1点。試合時間残り5秒のところでアウト割りからキーパーと1対1となると、これを冷静に浮かしネットを揺らした。今季ここまで不調に苦しんだ男が最終戦にしてようやく笑顔を見せた。このゴールの前の得点も吉野であり、うまく攻撃陣がつながらなかった終盤の窮地を救う活躍を見せた。
春季リーグは絶不調だった。「シュートを外すのが怖かった」(吉野)と積極性を欠いたプレーが続き、昨年の活躍は影を潜めていた。それでも、積極性を取り戻したこの日は勢いのあるロングシュートも見られ8得点。新人賞のタイトルも獲得し最終戦を有終で飾った。

 前半からディフェンスがさえ渡った。強力なシューターが並ぶ国士大攻撃陣に対し序盤から高い位置で当たった。選手全員が脚を動かすことで抜かれてもフォローし、突破させない。キーパーの藤本寛史(営3=法政二)も勝負所でのファインセーブや7mスローのセーブなどビッグセーブを連発。ディフェンスとの連係で簡単にはゴールを許さなかった。後半に入って大型ルーキー阿部(国士大)のロングシュートに対応できない時間が続いたが、ある程度決められるのは計算のうち。それも好調の藤本に代わって入った八木慎之介(政経3=国分寺)がセーブ。流れを切らさなかった。
 
 春のリーグ戦を6勝2敗1分けで終えた。松本勇監督は「最近の春の中では1番勝率がいい」とチームに手応えを感じている。要因として挙げられるのが堤由貴主将(営4=洛北)のキャプテンとしての能力。チームを練習からプレー、声ともに引っ張り、今季は得点王、優秀選手賞を獲得。それでも堤は「チームのタイトルの方が重要」と、チームのことを気に掛ける。秋の目標はもちろん優勝。個人の能力を高め、リーグ戦、インカレに臨む。

[松井嚴一郎]

試合後のコメント
松本監督

「3位まで狙えると言って試合に臨んだ。前半は流れがよかったが後半少し落ちた。秋までに直していかないといけない。今日は吉野がよかった。堤が前半いまいちだったがそれでも勝ちにもっていくことが大切。そこでどれだけやれるかだけど東、田中、糸、岩上とみんな頑張れた。今日はディフェンスがよかったからキーパーもよくやってくれた。この2つはお互いに補完し合うもの。ディフェンスが頑張ればキーパーもやってくれる。そういう意識があるからいい。負け試合はだいたい前半にやられてる。逆に前半を13点くらいでしのげればチャンスはある。つまりディフェンスがしっかりできること。ディフェンスは体力的にもきついので交代をさせたりしたいけど思い切った交代というのは難しい。退場されたりすると2点は覚悟しないといけないので。ディフェンスをできないと使わない。そういうところでは岩上はディフェンスができるのでつかっている。それに速攻もある。一発で出るのが理想の形だけどとにかく早く出ることが大事。秋に向けて精度をあげていきたい。もうちょっと得点もあるといい。今季は開幕でつまずいたり後半に失速したりすることがなく安定した成績を残せた。6勝2敗1分という成績は最近だと一番勝率が高い。堤がうまくリーダーシップをとっているからかな。俺が言ったことをちゃんとチームに伝えてくれる。これからは個人の練習で能力を高めていく時期。秋の優勝に向けてやっていきたいしインカレのためにも4つに入ることが大事になってくる」

堤主将
「前半はオフェンスもディフェンスもうまく機能して、自分たちのペースで試合を運ぶことができた。しかし後半の立ち上がりに、点差から心にスキができてしまって、そこにつけ込まれてしまった。今日の試合はオフェンスでバランス良く取れた。田中とサイドの2人が積極的に前へ攻めてくれて、それで吉野や東が空いて攻めることができた。しかし点を取り切れなかったので、そこは修正していかなければならない。今季は4年が自分一人で、3年が自分たちがやらなければいけないと少し意識していたのが結果につながったと思う。まだまだ甘いところはあるけど、自分たちで気付いて直していけたので良かった。今季を通して見つけた課題は、点差が開いたときにもっと離すというのができなかったこと、ノーマークシュートミス、意思疎通と、挙げたらきりがない。でもそういう課題を直せばもっと良いチームになるということでもあるので、ポジティブに考えていきたい。(得点王について)嬉しいけど、個人のタイトルよりチームのタイトルの方が重要なので、秋はチームで取りたい。(4位という結果に対して)満足はしていない。もっともっと上位を目指さないといけないチームだと思う。今回は4位だったので、次は確実に3位以内、そして優勝を目指していく。まだまだだと思うので、練習を頑張っていきたい。(U-22選手について)ケガなく、周りのみんなも応援してくれてるので頑張りたい」

池田
「前半のディフェンス、速攻が決まって点差を広げられたのは良かった。後半、8点差にしたあとに点を入れられず追いつかれる雰囲気を作ってはいけない。これからはこのリーグを通しての改善点を見直し、秋に臨みたい。個人としては、ポストとしてのプレーの幅を広げ、点の取り方を増やしていきたい」

岩上
「対策はいっぱいしてきたので、もっと点差が開くと思っていた。今日は吉野がすごく良かった。藤本や八木も良いところで止めてくれた。しかし、相手が誰が打つか分かっていたのに止められなかったのは課題。(春季リーグ戦を通して)良かったと思う。試合を通して成長できた。でも4位という結果は満足できない。手応えはあったので、秋はもっと上を目指していきたい。秋に向けてもっと色々な形で点を取れるように練習していかなければいけない。夏合宿とかの練習を頑張っていきたいです」

田中
「前半は堤さんが調子悪かったのを他で得点しカバーすることができた。しかし、後半は点差に余裕が出たせいか、守りに入ってしまうのは、いつもの癖で治らなかった。秋のリーグまでに、その点を含む弱点を克服して優勝を目指し、個人では得点力のある選手にならないといけない」


「前半はオフェンスがうまくいっていたが、後半はもたついてしまった。今回も後半に堤さんがマンツーマンマークに付かれてしまって、そこが秋に向けての課題。春季リーグの目標は優勝で、最低でも3位以内だった。でも昨年の成績を越えられたというのは成長だと思う。秋に向けて、ディフェンスの強化と今季目立った中だるみの時間を無くすことを重点的に練習していきたい。秋はもっと堤さんへのマークが厳しくなると思うので、他の人がどれだけ取れるかだと思う。そこを自分も含めて練習していかなければいけない。秋はチーム力での勝負。夏の練習を頑張って、優勝を目指したい」

藤本
「今回はシュートを阻止できた方だが、相手のエースのシュートは決められているのでまだ成長できる部分がある。点を入れられるのは全部自分がいけないと思っている。自分が中心選手となるつもりでチームを盛り上げるようにしたい」


「前半点差が開いてうちのペースになったけど後半ミスから逆速攻されて点差を縮められてしまった。堤さんにマンツーつかれたときにバタバタしてしまう。苦しい時に堤さんに頼らないようにするのが秋へ向けての課題。上から打つシュートが通用することが分かったのは春リーグの収穫。ただ実力的に足りないことも痛感した。秋に向けて大事なところでシュートを決めきるようにしたいり秋は1年生も4年生もでてきて競争が激しくなる。チームの底上げをしていければ」

吉野
「最近ずっと全然よくなかったので今日よくていい感じで終われてよかった。(小学生の応援があったが)昔やってたハンドボールクラブでときどき顔をだしてることもあって応援してくれた。ちょっと恥ずかしかったけどよかった。今日は本当に雰囲気がよくてみんな足が動いてフォローがしっかりできていた。点差が離れて気持ちが緩んでしまって後半追い上げられたのが強いチームとの差。追い詰められたときこそ冷静にプレーしたい。(最後のシュートは)ノーマークだから絶対決めなきゃと思って打った。今まではシュートを外すのが怖くて前が見れてなかった。今週は練習から外してもいいから積極的にいこうという気持ちでやれた。それで最高の試合ができた。勝ちで終わってよかった。リーグずっと落ち込んでいた。明るく閉会式を迎えられそうでよかった。秋は積極的に前を狙って優勝を目指す。個人としては大事なところで決めきる」