
圧巻のV! 女子舵手なしクォドルプルが連覇達成/全日本軽量級選手権大会
男子エイトは攻めの姿勢を見せ続けた。初日は硬さがあったものの、予選を1位で通過する。「エントリーの動きを見直した」(梶谷嶺・法4=諏訪清陵)という準決勝では、スタートに成功し、安定したこぎで決勝進出を決めた。迎えた決勝では、スタートから飛び出るという目標を果たすことができず、一橋大に前に出られてしまう。それでも「良いこぎをイメージするよう声を掛け続けた」(菅康行・法4=熊本学園大付)とコックスを中心とした8人の息の合ったこぎで、1000m、1500m地点でアタックを掛け続けたが、あと一歩及ばず3位でのフィニッシュとなった。レースを終えて、荒木祐介主将(政経4=熊本学園大付)は「負けはしたが、攻めるレースができた。この入賞は自信になる」と今大会での大きな収穫を確信した。だが、必達目標だったという表彰台入りの結果に満足する者は誰もいない。各選手が口にしたように、フィジカル面の強化が課題として浮き彫りとなった。今回のエイトでの経験に個人のレベルアップが加われば、さらに多くの艇で優勝が狙えるはずだ。
社会人を含め日本のトップレベルが名を連ねた今大会で、出場した5艇全てが最終日まで勝ち進んだことは、チーム全体に力がついてきたことの一つの証明となった。インカレ男女総合優勝。明大が掲げ続けるその大きな目標を達成するために、目に見える形で収穫を得ることができたこの三日間は、重要な意味を持つものになった。選手たちはインカレに向けて、現状に甘んじることなくさらなる高みを目指す。
試合後のコメント
荒木(男子エイトクルー)
「(今大会を振り返って)全体で3艇が決勝に進めたことからも、全体的なレベルアップが感じられる。ゴールとなる大会ではないので、インカレでの日本一にもっともっと近づけるようにやっていきたい。(今大会で見つかった課題は)フィジカル面では他校に劣っているなと感じた。技術面はくるところまではきている。体のサイズとか、フィジカル的な要素を補強するトレーニングをやっていきたい。(3位入賞について)厳しい言葉も頂いたが、入部当初はエイトでメダルを取るなんてことは無かったので、正直うれしい。その分、周りからの期待は大きくなるので1番を目指したい。まだまだ目標は遠い。(イメージ通りのレースができたか)イメージ通りというより、攻めるレースができた。1位の一橋大学との差を区間、区間で詰めていけたので、負けはしたが、流れは良かった。(今大会での収穫は)春先の大会から上位入賞することは大きな自信につながる。勝ちを重ねていくことで、インカレでは決勝進出が当たり前という状況になればいいと思う。今回の3位入賞が、レースの中でのメンタルに非常に良い影響を与えると思う。次回につながるこぎができた」
梶谷(男子エイトクルーリーダー)
「(大会前の練習について)必達目標をメダル、挑戦目標を優勝に設定していた。エイトは6分を切ることが分かれ目になる。6分の壁をなかなか練習では破れなかった。練習の段階でいかに6分のスピードを出すかということに重点を置いた。(決勝でのレース展開について)優勝した一橋大に準決勝でも完全に前に出られてしまっていたので、決勝では最初の750mでしっかり勝負して前に出ようという話をしていた。それでもやっぱり出られなかった。そこで出られるだけのフィジカルや自信が足りなかったと思う。(勝つためのイメージはクルーで共有できていたか)共有できていた。クルー全員で同じ意識を持てていたのは良かったと思う。(初日からのエントリーの動きの修正について)技術的なところは、コックスの菅に信頼を置いていたので、安心して任せられた。僕はリーダーとして声を掛けることだったり、細かいところのケアを意識した。(3位入賞について)素直にうれしいが、やはり優勝したかった。嬉しさと悔しさが入り交じった気持ち。(さらなるレベルアップのために)限られた練習時間の中で、効果的に課題の克服に向けた練習ができていない。やはり、一人一人の意識改革と練習の質の向上のために、個人個人が考えられる選手にならなければいけない。(インカレを見据えて必要になることは)インカレでは男女総合優勝を掲げている。できるだけ多くの艇が優勝するためには、新しいクルーリーダーの存在が必要になる。そういったリーダーを中心に、自分の頭で考えて周りを巻き込んでいける選手が出てこなければならない」
片岡勇太朗(理工4=銀河学院・男子エイトクルー)
「(3位入賞について)素直にうれしいが、まだまだ。3位というのは必達目標だったので。レース内容はこれからもっと良くしていかなければならない。(決勝でのレース展開について)スタート500mで前に出ることができず、相手のレースに飲み込まれてしまった。スタートから前に出るということは、クルーで共通の意識があったので、それを実際にできなかったことが残念だった。(今後力を入れていきたいところは)インカレ男女総合優勝というのをずっと掲げてやっているので、まずチーム全員でその目標を再認識すること。インカレ優勝のために何が足りなくて、それを補うために何をしなければならないのかを明確にする必要がある。チームの総合力が問われると思うので、全体の底上げがとても大事になる」
菅(男子エイトコックス)
「(決勝のレースを振り返って)前半500mで、前に出られてしまい、そのままいってしまった。うちとしては、その差を詰めるために、1000m、1500mでアタックをかけることができた。今まではレース中に修正することがなかなかできなかったが、僕の声にしっかりと反応してくれて、それができたことは良かった。漕手は現状できる目一杯のことができたと思う。(初日からのエントリーの修正について)漕手が苦しくなったときに、コックスがリードするように監督からも指示を受けた。それを考えたときに、良いこぎのイメージを継続するように声を掛けようと思った。準決勝、決勝と良くなっていった。特に決勝では大きく崩れることはなく、常に攻め続けることができた。(3位入賞について)表彰台は必達目標だった。レースの印象もやりきった感じがあったので、悔しいが、うれしい気持ちが強い。監督からの期待も大きかったので、次はさらに上を狙いたい。(今後取り組んでいかなければならないこと)まずはフィジカル。前半の力が余っているときに、高いスピードを保っていかなければならないところで相手に出られているので。テクニック面としては、一番速いスピードの感覚を養うこと。常日頃から、トップスピードを意識してやっていくことが大切になる」
久保(女子舵手なしクォドルプルクルー)
「今日はスタートが思ったよりも出られて、そこで余裕ができたのが勝因の一つだと思う。いつもは早大に出られてしまっていたので、スタートで出るということはメンバーでもレースプランとして話し合っていた。最初の5本こいで、横を見たら出ていた。相手の背中を見ながらこげるということの大切さが分かったようなレースだった。今日は予選とは風の状況もだいぶ違うからタイムについては何も言えないが、予選では攻め切れなかったのが、今日は声掛けも良くできていたし、上げていこうという気持ちがすごくあった点では良くなったと思う。今日は優勝できたけど、こぎ自体は100%自分たちのこぎができなかった。途中で崩れてしまったり一本一本が短くなってしまったり、まだまだ課題は残っている。足の使い方もまだまだで、焦りが出てしまって一本が短くなってしまった。今日は勝てない相手ではないと信じて試合に臨んだ。監督もおっしゃっているが、相手も同じ学生だから、決して勝てないということはないはず。自分たちのこぎを統一していったら勝てる、負けと思ってしまったらその時点で負けだと強い気持ちを持って臨んだ。今日は関西電力小浜さんに今年卒業された今井先輩(平成26年政経卒)が乗ってらっしゃったので、同じポジションで横を見たら先輩がいて、緊張はしたけどすごく楽しいレースだった。大会前に早大さんと並べた時は、スタートで出られてしまったので、今日もスタートが速いことはわかっていて、巻き返していこう、と話していたので、正直スタートで出られたのは予想外ではあった。でもそこでいけると思って、攻めて離そうと思った。クルーの声掛けもすごかった。今の一個上の先輩たちがすごく強かったので、抜けた穴は大きかったなと言われたくなかった。プレッシャーはあったが、このクルーで勝つ、と強く思っていた。今回これで連覇になったが、後輩にも勝ってほしいと思う。今回で日本一を初めて経験した。一人じゃ優勝できなくて、マネジャーさんやみんなのお陰で優勝できたと感じる」
松岡結(文4=浦和一女・女子舵手なしクォドルプルクルーリーダー)
「明大全体で500mで出ようということは目標にしていた。今日はスタートで一艇身くらい出ることができたことで余裕が生まれて、すごく楽しいレースができた。正直、スタートで出られるとは予想していなかった。早大は決勝も敗者復活戦もスタートがすごく早かったので、スタートで出られても巻き返して優勝できたらいいと考えていた。関西電力小浜さんは、じわじわと攻めてくると思っていたので、スタートで出られたとしても中盤で油断できないと感じていた。実際第三クォーターで、危なっかしいと感じる場面があった。早大さんと関西電力さんはずっと競っていたので、どちらもラストで巻き返してくる、油断できないと感じながらのレースだった。ラストクォーターでは船が曲がってきて、隣のレーンに侵入しそうになり、戻すために船を立て直したことでタイムが落ちてしまったと思うので、舵手がいなくてもまっすぐにこぐということは課題。早大さんと大会前に並べて練習した時に、スタートで出られて焦ってしまってリズムがつかめずに堂々巡りになってしまったが、それが転機になったと思う。今まで、練習でやってきたことが本番になると出せないということが課題だった。今日みたいに余裕があればいいが、常に焦りがないレースができるとは言えない。オールが乱れると船は止まってしまうし、どんなときも丁寧にできるようにしなければと思う。今日は一人一人の顔が引き締まっていた。久保のことは信頼し切っているし、中尾も試合になるとすごく芯がしっかりしているし、植松も緊張していたとは思うが、私たちを信じてくれたと思う。今日はスピードに乗ったこぎができた。集中力や結束は予選よりも良かったと感じるし、すごく楽しくこげた。予選よりも、静かでも水中ではパワフルにこぐという、やっとやりたいこぎに近づいてきたと思う。タイム的には7分を切れなかったことで納得はしていないので、来年はレースレコードを出してほしいなと思うし、出せると思う。連覇できてすごく嬉しい。私たちの代で優勝できると証明できた。今回はレースの癖を浮き彫りにして、課題を克服していくことができて、いい経験になったと思う。今年は端艇部110周年の年。部全体で良くなることを目標にやって、どの艇にも偏りがない。クォドもインカレにはフルメンバーで臨むことができるし、絶対勝てるという自信はあります」
中尾真琳(政経2=熊本学園第付・女子舵手なしクォドルプルクルー)
「大会前の練習でつらかったことはバランスがずっと悪くこぎが傾くという弱点を修正すること。毎日毎日やっているのに成果がほぼ感じられなかった。毎日ある練習後のミーティングでは1ヶ月間バランスについての同じ指摘が続き精神的に苦しかった。今日のレースを終えて、自分たちはやはり最初の500mで敵と差をつける先行逃げ切り型だと感じた。今試合のスタートは悪くはないが、もっと極める事ができるはずだとさらに一段階上のスタートを目指そうと思う。今大会は努力が実を結び最高の結果が出たので、本当に楽しかった。会場にいた誰よりも楽しんだ自信がある。どんどん勢いをつけたい。しかし、この結果に満足してんぐになるのではなく、気を引き締めようと思った。次の試合はもう始まっている。どこの他大よりも早くスタートしたい。インカレではさらに高みを目指す。もちろん男女総合優勝だ」
植松香穂(文1=加茂・女子舵手なしクォドルプルクルー)
「大会前は正直あまり自信がなかった。しかし、大会1週間前の練習で気持ちが大きく切り替わった。早大と並べる機会があり、そこで大敗してしまった事がきっかけ。自信がないと思っている場合じゃない。悔しい。絶対本番では勝つ、と強く心に誓い、一気に試合への集中力を高めていけた。今大会は優勝という最高の結果も伴い、本当に楽しめた。中尾先輩と同様に会場にいた誰よりも楽しめたと思う。でも、謙虚な気持ちは絶対に忘れない。優勝はもう過去のこと。次はインカレ。絶対に出場したい。そして目指すは男女総合優勝。この目標を達成するには、チーム全体の底上げが必要。後輩の自分たちが高められればその目標に近づけると思う」
関連記事
RELATED ENTRIES