早大に雪辱果たし、2年ぶりの優勝!/東日本大学リーグ戦

2014.05.19
 昨年は惜しくも2位に終わった今大会でリベンジを果たした。予選リーグを圧倒的な力で勝ち抜き、決勝リーグに駒を進めた明大。その決勝リーグは中大に3―2、慶大に6―1、早大に3―2で全勝とし、2年ぶりに今大会を制した。

 3度目の正直を果たした。優勝を懸けた決勝リーグの相手は早大。昨年、団体戦の優勝を逃した東日本大学リーグ戦、東日本大学選手権はともに早大に敗れる屈辱を味わった。その雪辱を果たすため、大事な先鋒(せんぽう)として石田圭吾(文3=大商大堺)がマットに立った。石田は昨年の2つの早大戦でも先鋒として出場したが勝ち切れず、流れをつくることができなかった。しかし、この日は開始1分で二本を奪取し、相手を圧倒。今度こそ早大の先鋒戦で勝ち星を挙げた。この勢いで早大を突き放したかったが、次鋒(じほう)から参将まで勝ち星を奪えず、チームカウント1―2と追い込まれた。そんな中、副将の榊原亮(法4=大阪桐蔭)が登場。緊迫した雰囲気の中、試合は進み、残りは1分。ついに均衡が破られた。会場に鋭い音が響き渡り、榊原の蹴りが相手胴に決まった。負ければ終わりという状況では「負ける気がしない」と榊原。この強心臓を発揮し、このまま1―0で勝利を収めた。そして、優勝の行方は大将の大貫洋平主将(文4=東海大相模)に託された。優勝が懸かっているだけに壮絶な大将戦になるかと思いきや開始7秒、抑え面突きで簡単に一本を先取。その直後にも組みで相手を倒すと大貫の膝蹴りが面に決まり、チームカウント3―2と逆転。優勝を決めた。「最後に決めるのが主将の仕事」と自らの役割を果たした大貫はチームに向け、控えめに右手でガッツポーズを見せた。昨年はどうしても倒せなかった宿敵・早大に優勝という最高の形でリベンジを果たした。

 不安要素の克服にもメドが立った。大会前、小山幸夫監督は「先鋒と大将に不安がある」と課題も残していたが、終わってみれば先鋒戦は6戦全勝。大将戦も5勝1引き分けと最高の結果を残した。先鋒として4試合に出場した石田は「先鋒はプレッシャーも大きいけど、それだけ期待されているということだと思う」と全勝でその期待に応えてみせた。石田の活躍で不安要素克服に大きな収穫を得た。

 気の抜けない戦いが続く。2週間後には連覇を狙う全国選抜が行われる。全国選抜は5人制の大会。一つの負けが勝敗を大きく左右する。関西の強豪も出場する府立の前哨戦で連覇を果たし、絶対王者の名を欲しいがままにする。

[西村典大]

試合後のコメント
大貫主将

「チーム力が上がってきたかなという感じはしている。最後まで諦めずに粘れるようになったとは思います。ただ早稲田戦にしても中央戦にしてもぎりぎりの勝負だったので、また(全国選抜の)5人制になったらどうなるか分からない。そういった点ではまた一から鍛えていかなければいけないな、という感じです。一番の勝因はやっぱり中央戦の最後に引き分けられたところ。あそこを越えられたのは大きかったですね。大将戦でずっと押されていて終了間際に一本取られて、そこで諦めずに最後取り返せたというのが、チームにとっても自分にとっても大きかったです。早稲田戦では副将の榊原が一本取って勝ってきてくれて、雰囲気もこっちに一気に傾いたかなと思う。あそこで最後に決めるのが主将の仕事かな。勝つ気しかしていなかったですね。勝ちを優先して手堅く決めました。最低目標にしていた優勝はできたけど全員が勝っている訳ではないので、今日の優勝は70点くらい。ただ優勝できたということに関してはみんなで喜んでもいいと思います。次は関東だけではなく関西からも色んなチームが出てくるし、5人制なので戦い方も違うので、あと残りの2週間でどれだけチームを底上げできるか。体力面で劣った選手が結構いたので、そういう選手をどこまで持っていけるかが大切だと思います。前期の東日本の王者としてさらにプレッシャーもかかるし、負けられない戦いが続いていくと思うので、しっかり気を引き締めて勝っていきたいです。もちろん優勝で」

榊原
「東日本は最低でも優勝を目指してたから、優勝できてまずほっとしました。良かったけど、一人一人課題は見つかった。後輩だったら体力が無かったりとか、自分自身も最初の試合はアップが足りなくて全然動けていないとか。優勝できて、なおかつ課題も見つけられたから良かったと思います。6月の全国に向けてもっと練習しないと。早稲田戦は後のない状況だったけど、全然プレッシャーもなく、ああいう状況の時は負ける気がしないんです。今までにそういった試合は何回かあったけど、絶対に負けないし。自分に回ってきた時には勝ったと思ったし、後の大貫も勝ってくれると思ったから、この勝負もらったなと。その通りにいったという感じでした。(副将戦は)二本は取れなかったけど、残り1分切ってどうしても取らなくてはいけないときに、蹴りが入ったのが良かったです。もっと最初からこういった蹴りを出して、厳しい戦いにならないようにしていきたいと思います。優勝が決まった時は、自分たちのチームになって初めての試合だったからすごくうれしかった。でももう次の全国選抜のことを考えているから、今日は喜んでまた明日から選抜に向けて練習頑張りたいです。東日本で勢いが付いたので、この勢いに乗って2連覇したいと思います」

栁口憲太(商4=長崎西)
「今回はうれしいというよりホッとしました。去年は全国大会は勝ててるのに東日本は勝ててなかったからこれはいけないと思っていました。あとは、早稲田には勝ちたいという気持ちがありました。(早大戦は)チームには貢献できたかなと思います。負けるのは最悪だったから引き分け以上に持っていこうと思っていたから最低限の仕事はできました。(接戦が多かったが)中央戦は自分は勝ったから安心してたけど、後ろが続かなくて、苦しくなってしまった。正直、勝てる相手に勝てなかったり、そういった確実に勝てるところを勝っていかないと上にいくのは厳しいかな。(全国選抜は)去年優勝してるから連覇を狙っていかなきゃいけない。5人制の難しい試合にもなってくる。今回は7人制で負けたところはカバーできるけど5人制は一つの負けが大きくなってしまいます。出る選手は何が何でも引き分け以上ということを意識して負けない試合をすることが大事だと思います。まず、全国選抜を優勝して弾みを付けて、最後は府立3連覇して引退したいね」

石田
「チームはまだまだ甘いですね。これでは全国は取れないと思う。あと2週間くらいなので喝を入れていきたいです。やはり足腰の弱さとスタミナ不足が目立つので、もっと走り込みが必要だと思います。今日は個人的には先鋒(せんぽう)という大事な場面で、5戦無敗だった。先鋒はプレッシャーも大きいけど、それだけ期待されているということだと思っています。優勝に関しては実際ヒヤヒヤはしていたけど、4年生は信頼しているので、やっぱり決めてくれたなという感じでした。今年優勝できたので、ここから2連覇、3連覇と後輩につなげていきたいです。でも僕たちはここで満足してはいけないんです。やはり全国を視野に入れていかないと。(全国選抜は)絶対に勝たなくてはいけないというプレッシャーを打ち砕いて、優勝できればと思います」

原田優介(法2=朝倉)
「自分は負けたけれど、チームで勝った感じがしてうれしい。やっぱり悔しいと思うところもあるけれど、勝てたことは心からうれしい。(早大戦は)やっぱり意識はしました。今まで早稲田には勝ったことがなくて、早稲田はやっぱりどこか苦手。すごい研究されてる感じがあって、自分の拳法ができない。今回は勝ちたかったけどダメでした。一本取られてからやばいなと思って、それからはもう一歩が踏み込めませんでした。(接戦が続いたが)去年は緊張して悔しい思いをしました。今年は2年生になって1年生を助ける役割をしなくちゃいけないと思ったけれど、早稲田とか実力が紙一重の試合で勝てるようになっていかなきゃいけないです。(全国選抜は)組みで狙われることは分かってるからそこのこの2週間で対策をしていきます。それに5人制だし、せめて引き分けの負けない拳法をしていかなきゃいけないです」