集大成の1年へ 新たなる挑戦

集大成の1年へ 新たなる挑戦
 目指すは大学日本一。昨年はインカレ準決勝で青学大という壁を打ち破り35年ぶりに決勝進出を果たした。37年ぶりの優勝を懸けて挑んだ決勝では東海大に敗戦。東海大が新たな壁として立ちはだかった。「新しい壁」である東海大を超え頂点に立つための1年となる今年。頂点に挑むバスケットボール部の1年を追いかける。

 新たな壁を打ち破る1年が始まった。昨年インカレ決勝でまざまざと実力差を見せつけられ敗北した東海大という壁。昨年度のリーグ戦を無敗で優勝しインカレ、新人戦と3冠を達成した屈指の強豪だ。しかし明大も戦力はそろっている。安藤誓哉(情コミ4=明成)、中東泰斗(文4=光泉)、皆川徹(営4=京北)の世代最強の選手たちはどこの大学からしても脅威となる。4年生となりラストイヤーを迎えるこの世代の集大成、そしてインカレ決勝で敗れた東海大へのリベンジが始まる。まずは昨日開幕した関東トーナメント。明大の登場は26日。今季最初の公式戦となるこの大会で優勝を狙う。

主将として厚い信頼を得る小山<
主将として厚い信頼を得る小山

今季のチーム
 柱はそろっている。安藤、中東、皆川はそれぞれ代表経験もあり押しも押されぬトッププレーヤー。ゲームをコントロールする安藤、得点力の中東、インサイドの皆川とそれぞれ持ち味が違う。1年生のころから試合に出ている彼らの経験は大きく、実力は抜きんでている。それに続くのが伊澤実孝(政経3=愛知産大工)だ。身長はさほど高くないがいやらしいプレーを武器にインサイドで輝く。この4人が中心となってチームを引っ張ってくれるだろう。精神面でチームを引っ張る小山耀平主将(文4=光泉)の存在も忘れてはいけない。チームの盛り上がりには欠かせない。主将としての信頼感も高く「自分のことよりチームのことを考えてくれている」(田中井紘章・政経2=山形南)とチームメイトからの信頼も厚い。
 チームの目標は「4つ優勝」と小山主将。関東トーナメント、新人戦、リーグ戦、そしてインカレの4つ。昨年は全大会で8位以内と安定した順位となったが今年はもう1ランク上を目指す。

◆昨年度の成績◆
大会名 順位 優勝校 最高成績
トーナメント
5位
青学大
優勝(1978)
新人戦
8位
東海大
優勝(1963)
リーグ戦
3位
東海大
優勝(1976)
インカレ
2位
東海大
優勝(1976)

 中東は高い得点能力を誇る<
中東は高い得点能力を誇る

動かした時間
 「止まっていた時間が動き出した」。昨年のインカレ準決勝、青学大から勝利し発せられたこの言葉には深い意味が込められている。前年のインカレ準決勝でも青学大と対戦し39ー88の大敗を喫していた。3位決定戦に回り3位を勝ち取りはしたがチームの時はとまっていた。それから1年。再び同じ舞台で青学大との対戦が待っていた。「1年間今日リベンジするためにディフェンスとかしんどい思いもしながらここまでやってきた」(西川貴之・平26卒現レバンガ北海道)。強い気持ちで臨んだこの試合でチームは躍動。最大の武器であるディフェンスで日本代表選手を擁する青学大を上回った。59ー56。前年の結果を覆し勝利を挙げた。この結果で再び時を刻みだしたチームの時計。1年越しの前進は確かなものだった。

託された想い
 こうして駒を進めたインカレファイナル。相手は前年度王者の東海大だった。毎年好勝負を繰り広げてきた明大と東海大。しかしこの年はまだ勝ちがなかった。そもそも東海大は春のトーナメントの決勝で青学大に敗れて以降、公式戦では無敗だった。そんなチームに挑む明大もしかし勢いがあった。ここまでの道のりは簡単ではなく、劇的な試合を繰り返してファイナルまでたどり着いていた。チームの完成度は高く、勢いもあった。しかしそれでも東海大には及ばなかった。勢いすら無にする圧倒的な実力が東海大にはあった。最大の武器だったディフェンスで大きく上回られ、完全な力負けを喫した。
 壁を一つ突破したチームに新たな壁が立ちふさがった。しかし超えるべき壁ができたことを喜ぶ選手もいる。また新たな壁を超える1年が始まる。「彼らならできる」と西川。想いは託された。

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