高さに屈し日体大にストレート負け/春季関東大学男子1部リーグ戦

2014.05.16
高さに屈し日体大にストレート負け/春季関東大学男子1部リーグ戦
 終盤戦を迎えた春季リーグ戦。前節を終え4位の明大は、8戦目で現在2位と好調の日体大戦と対戦。高いブロックとコンビから打ち込まれる強打に対応できず、ストレート負けで3敗目(5勝)を喫した。4位をキープしたまま次週、現在3位の東海大と7位の慶大と対戦する。

 動き出しが悪かった。1セット目序盤、日体大のエース・山田に連続でサービスエースを決められるなど足が動かず、苦しい立ち上がりに。互いにサーブミスが多く、流れはどちらに傾いてもおかしくはなかったが「詰めの甘さが出た」(瀧野頼太・政経3=創造学園)と、守備の連係ミスを突かれ、徐々に点差を離された。

 最後はブロックに当たったボールがコートの中央に落ちた。2セット目をジュースの末に25―27で落とし後が無い中、気持ちを切り替えて「思い切ってやろうと思った」(政井拓歩・営2=市立尼崎)と臨んだ3セット目。相手の速い、多彩な攻撃にブロックが付いていけず、コートに次々と強打が打ち込まれた。明大は自分たちのバレーをすることができないまま、ストレートで敗れた。

 敗れはしたが、大きな収穫もあった。ケガで離脱していた濱中俊生(商2=弥栄)が復帰し、1年ぶりにリーグ戦に出場。「雰囲気を変えようと思った」(濱中)と、いきなりレフトからのスパイクを決めるとチームに勢いをもたらした。さらにサービスエースも決め、存在感を示した。「ケガで試合に出られなかった時期はつらかったが、周りに支えられて腐らずに地道に練習してきて良かった」と濱中。今後も試合途中での起用が見込まれる。「いつでも出られる準備はしていく」とチームに心強いスパイカーが加わった。

 昨日の順大戦同様「相手はブロックが高いので速攻とレフト平行で散らした」(杉本)と序盤の1、2セット目は、センターからの速攻と速いレフト平行、時間差攻撃を多く使って、相手の高いブロックに的を絞らせなかった。
 しかし、相手のエースである山田に強打を次々に決められた。山田のレフトからのスパイクには3枚ブロックを付けてワンタッチを取り、対応できていた。しかしパイプ攻撃を使ったバックセンターからのスパイク、回ってライトから打たれるスパイクにはブロックが追い付けず、ノーブロックで打ち込まれる場面も。「日体大は緊張した、ここぞという場面で山田を使ってきたが、自分たちは他のスパイカーに意識がいき過ぎてしまっていた」(杉本)と、自分たちがしたかった「ブロックを散らす」ということを逆にやられてしまった。

 今の明大のバレーは相手の高いブロックに対して速いトスを上げ「相手のブロックが完成する前にスパイクを打つ」(政井)ことを目標にしている。順大や日体大のような大型のミドルブロッカーのいるチームには真っ向勝負を挑んでもブロックで止められてしまうことが多い。だからこそ、セッターを中心とした速い攻撃が必要となる。そのためにはサーブカットをしっかりAキャッチで返し、どこにでもトスを上げられる態勢をつくらなければならない。
 また、ブロックも相手に比べたら低いため「形とタイミング」(有田賢史・政経4=福大大濠)で勝負し、ここまでブロックポイントも多く挙げている。
 守備で流れをつかみ、速い攻撃で相手にスキを与えない。明大伝統のバレーは脈々と受け継がれている。今のチームも試合を重ねるごとに個人ではなく、一つのチームとして機能してきている。

 次週は負けられない試合が続く。17日に対戦するのはここまで6勝2敗で3位につける東海大。「勝つイメージをもって戦う」(政井)と相手を見極め、日体大戦ではできなかった自分たちのバレーを取り戻したい。勝利すれば3位が見えるだけに、勝って上位を狙いたい。

[石渡遼]

選手のコメント

杉本
「序盤、速攻とレフト平行で相手のブロックを散らそうとしましたが終盤になって対応されてしまいました。相手はここぞという場面で山田を使ってきましたが、自分たちは他のスパイカーに意識がいき過ぎていていたと思います。ミスは向こうも多かったですが、ラリー中のミスは少ない。逆に自分たちは連係ミスが目立っていたと思います。日体大の強みはそうしたラリー中のミスの少なさと代が代わっても変わらないスタイル、安定した強さだと思います」

瀧野
「チームの雰囲気が相手に押されていて、それに対して何もできませんでした。昨日いい形で終われて、その余韻がチームに残っていたのかなというのがありました。2セット目を取り切れたら、こっちにも余裕ができて今度向こうには焦りができる心理状況になったと思います。取り切れたら結果も3―0ではなく、フルセットにもつれこんだりだとかはできたんじゃないかとは思います。詰めの甘さが出たかなと。ブロックを抜けてきたボールは責任を持って拾っていかなければいけないと思うし、チームが上げて拾わせるという作戦にはならなかったです。やはりあまり他のチームにいないようなスーパーエースに対してのレシーブの点で、まだ自分の実力が劣っていると感じました。そういう選手に対してもレシーブができる技術をつけられるように練習していきたいです。ジャンプサーブはセッターに返すのが厳しかったら上に上げていい形でスパイカーに打たせるのも一つの手だと思います。ジャンプは速いので2人でキャッチは厳しく3人でやるしかないので、個々がしっかりレベルを上げるしかないのかなと思います。練習です。(セッターとは)ずっと向こうのエースで試合が続いていたので、どこかでこっちがいつも速い攻撃をゆっくりしてリズムを崩したかったです。今日は崩れて速くてスパイカーが打ち切れず無理して打ってアウトになったり、相手にチャンスを与えてしまうのが出だしから見えました。そういう賭けたプレーをするなら、しっかり高いトスをスパイカーに打たせて、打てなかったらリバウンドをもらって展開していくのがいいかなと思いました。ただそういう作戦にも向こうが崩れませんでした。(調子は)いいです。チームもいいと思いますが、精神的な面で昨日ああいう勝ち方をして今日駄目な試合という波があるので、常にチャレンジャー精神を持たないといけないと思います。(ここから来週に向けて)意識としてミスのないチームを目指さないと勝てないので、練習から一本に対して厳しくこだわっていきたいです。今日のような試合をいい形に変えられるように、しっかり来週2週は2連勝したいです」

與崎
「今日は自分たちに負けました。相手というよりも自分たちのやることができず、なおかつ序盤から向こうの雰囲気でした。自分たちがやっていてもいけるのかなという感じでした。結構どうすることもできなかった感じです。2セット目を取れていたら展開が変わっていたかもしれないですが、2セット目は向こうのエースにやられました。(ブロックの意識は)昨年からですが、うちはライト側のブロックが弱いです。全体的にワンタッチを取れたボールが切り替えしできていなかったので、もう練習するしかないです。セッターとコミュニケーション取ってやっていかなければならない所だと思います。(セッターとのかみ合いは)序盤から早い展開でやっていたので、セッターも結構焦っていた部分があると思います。セッターが冷静さを欠けばどのチームも弱いと思うので、そこは精神的に強くなるしかないです。自分がどうすべきか打開策をもう少し考えて、練習からできないとやはり難しいと思います。(ジャンプサーブのカットは)練習不足ですね。ああいうチームになってくると結構強いサーブを打ってくるので、その対応もしっかりしなければなりません。今週一週間はそういう面をしっかりやっていこうかなと思います。(3セット目は)濱中が入って流れが良くなりましたが、まだタイミングが少し遅かったかなという感じです。下級生が入った時にどれだけ周りでフォローできるかが上級生の仕事だと思います。自分と頼太で声を掛けてやっていかないといけないです。(次週に向けて)昨日勝って今日負けたら意味が無いと思うので、来週もそうならないように、土曜勝って日曜も勝てるようにやっていきたいです。ライト側のブロックとブロックからの切り替え、それに加えて軟打を拾って早い展開に持っていければ、チーム的にはいいチームだと思います。あとは声出して走り回って自分たちでいい雰囲気に持っていければもっと良くなると思います」

濱中
「2セット目から声を掛けられていましたが、まさか出るとは思っていなかったです。自分が出た時に5点差あったので雰囲気が変わってくれたらいいと思っていました。ケガをしたことで、昨年のこの時期には試合に出ていたのにという思いや、合宿のメンバーに選ばれず苦しい思いもしましたが、上から腐らずに頑張れと声を掛けてもらいながらやってきました。それが今につながっていると思います。いつでも試合に出られるよう、すぐ交代できる準備をしていくことが今の自分の役割だと思います。下級生に対しては、声を出してとは言わないですが、三本柱の一つ『共有』ということで、思ったことはすぐに言える状況をつくっています」

政井
「向こうのスパイクは速かったですが、ブロックは対応できていました。しかし、ブロックに当たっても足が動かず、落ちてしまう場面が何回かありました。その点ではいつもの明大らしくなかったです。3セット目は気持ちを切り替えて思い切ったプレーをしようと思いましたが、乗り切れませんでした。次週戦う東海大は連係をしっかり取って、ミスをなくせば勝てると思います。勝つイメージをもってやっていきます」