
女子フルーレ、2部優勝で入替戦へ 男子フルーレは1部6位に沈む/関東学生リーグ戦
[女子フルーレ]
最大のヤマ場は東女体大戦だった。6人目で登場した山岡珠子(政経3=鳥羽)が上級生の意地を見せた。18―23という劣勢でピストに立つと、一気に12ポイントを奪い逆転に成功。再び1点差に迫られた最終盤も山岡が粘った。再逆転は許さず、44―43でタイムアップ。何とか逃げ切り、実力が拮抗している両校の戦いは明大が勝利をつかみ取った。「これまで勝った記憶がない」(山岡)というトンジョを撃破し勢いに乗った明大。もう一つ大事だった慶大戦も45―40で競り勝ち、2部優勝を大きく手繰り寄せた。
上級生の活躍が光った。井原健三監督は「山岡の存在が大きい」と試合後に語った。プレー面のみならず、精神面でもチームを引っ張っている。昨年度、インターハイ女子フルーレ個人でベスト4に入った古俣潮里(政経1=新潟)も「本当にチームの柱」と厚い信頼を寄せる。また奥村美咲(理工2=北陸)は慶大戦の3巡目に7―1で相手を圧倒し勝利に貢献するなど、成長した姿を見せた。
古俣が加わり、団体戦のメンバー3人がそろった。着実に実力を伸ばしている。念願の1部までは、あと一歩だ。この調子でエペ、サーブルでも2部優勝を狙う。
[男子フルーレ]
「苦しい戦いになることは分かっていた」(守屋一教主将・法4=愛工大名電)。1年生2人がメンバー入りするなど選手層が薄いフルーレ陣。戦前の予想通り、上位校相手に苦戦を強いられた。
4連敗して迎えた最終・日体大戦。勝利すれば1部残留という一戦だったが、粘り切れなかった。序盤から中盤にかけてはリードを保ち、優位に試合を展開。2巡目を終えた時点では30―28とリードしていた。しかし7人目、リザーブからの出場となった池畑亮太朗(理工1=三重県私立海星)が逆転を許し31―33。流れを奪われると、このビハインドを最後まで取り返すことができなかった。結局39―45で敗戦し、1部最下位に沈んだ。
1部残留を懸け、入替戦に回る。それでも「後輩たちの未来にどうつなげるか」(守屋主将)と下を向いてはいない。昨年度の4年生が残してくれた1部の座。何としても守り抜く。
[柴田遼太郎]
試合後のコメント
井原健三監督
「フルーレはメンバーがそろってない。1年生を2人使っている。守屋もサーブルの選手。その中でよく頑張っていると思う。今まで練習してきている。今のまま頑張ってほしい。学生は5試合で決着をつけようと思っていたと思うが(入替戦を含めた)6試合で残ることができればいい。来年1部に残るためにここで踏ん張る。女子は本当によくやっている。去年は2人でかわいそうの思いをさせた。3人になったことが大きい。ただリザーブがいるともっと良くなる。東女にはここ3年くらい勝ったことがなかった。古俣が入ったことも大きいが山岡の存在が大きい。声出したり、一生懸命引っ張っている。古俣以上に力を出している。責任感がある。奥村は悪くはないんだけどまだ。1年前に比べると大学生のフェンシングになってきた。もう少し練習量が必要。秋には使えるようになる」
守屋一教主将(法4=愛工大名電)
「1部と2部の差、去年の先輩方のすごさを感じている。去年は見ていただけだが、見ていた以上にかなりの負荷がかかっていたのだなと思う。苦しい戦いになることは分かっていた。去年の今ごろから分かっていた。リーグ戦が始まる前はもちろん1位を目指していたが、今になってみると1部残留が目標。根本的に、上位校とは技術力が違うなと感じた。そこが1番。今日、明日で変わるものではない。自分たちは技術を出させないようにメンタルで戦っていく。それが正攻法だと思う。来週のエペ、サーブルは物怖じせずに自分を出せたらいい。自分たち(4年生)は2人しかいない。後は後輩。このリーグ戦は後輩たちの未来にどうつなげるか。みんなにはそこを意識してほしい。課題は楽に勝とうとしないということ。楽をしようとしたら絶対負けてしまう。一本一本全て最後だと思って集中してやる」
山岡珠子(政経3=鳥羽)
「(1日目の試合後)東女体大にはこれまで勝った記憶がない。ここに勝たなければ1部には上がれないと思っていた。後輩も頑張ってくれて勝てたので良かった。東女体大と慶大に勝てればいけると思っていた。チームの雰囲気もいい。東女に勝ったことを自信に頑張ってほしい。古俣は自分のフェンシングスタイルを持っている。入ってきたことによって楽になった。15本がなくなったので気持ち的にも大きいが、インターハイでフルーレベスト4、エペでは優勝した実力者なので頼りになる。去年までは2人だったので、しょうがないと言われていた。それが悔しかった。逆に今年は3人になったので勝って当然だと思っている。正直2部で勝っても意味がない。1部で戦うためにも自分が点数を取ってこなければ、という気持ちはすごく強い。
(2日目の試合後)嬉しい。去年2人で3位だったので、今年は3人になったのでその分プレッシャーも大きかったが、楽しかったし1、2年生もしっかり頑張ってくれたので優勝することができた。本当に嬉しい。自分と奥村(理工2=北陸)は去年の悔しさがすごいバネになった。それで自分にとっては2人が頑張ってきてくれて最後に回してくれているので勝たなければという意識とプレッシャーもあった。明大は、他のチームより人数も少ないのでチームワークはすごく良い方だと思う。お互い誰かが負けてきたとしてもしっかり声出して他の人が取ればいい、ひとつでも取ってくれるっていう考えを持って多分プレーしてくれている。みんながみんな自分以外の人を信じてプレーして勝つというチームワークの良さが勝った秘訣。入替戦は多分日体大が回ってくる。一昨年負けている。今年自分は1部にすごく上がりたい。来年王座への道が少しでも大きくなるので。負けるとかそんな関係なく、2部なので自分的に気持ちとしては1部の人達より楽なので、しっかり胸を借りる気持ちで頑張って勝っていきたい」
古俣潮里(政経1=新潟)
「私は高校生の時から団体戦にも出たことがあるが、その時、私はあまりチームワークが取れてなくてちょっとリードされたらもうだめかな、みたいな雰囲気をベンチに見せてしまいそのままズルズル押され気味ということがあった。やっぱり今年は明大のフェンシング部ですごく頑張っている先輩たちばかりで、人数は少ないが本当に実力のある方たち。なので私も信じてプレーできたということと、ちょっと離されて、東女戦が特にそうだったが1回リードした後に逆転されて離されてもうだめかなって私はなりかけた。でも本当に2人は全然諦めていなくて私の気持ちが落ちかけていた時に山岡先輩が大量得点してチームの流れを持ち直してくた。それでこの人達だったら私が何マイナスしても取り戻してくれるし、その今の得点に応えるように私も頑張らなきゃいけないっていうようにプラスの方に気持ちを持ってってもらえた。3年生2年生さすがのベテランというかチームを引っ張ってくれる試合の流れ作りというか本当に上手くいってよかった。今日の慶大戦は、私は昨日の東女戦で勝ったのでそういう感じで、どれだけリードされて負けてても諦めずに行こうっていう気持ちでやった。私は最初ちょっとだめで相手にリードされた状態から試合が始まってしまったが、その後に山岡先輩が同点に戻してくれてそこから段々リードを広げてくれて、最後周りの私の試合ではリードした状態で持ってきてもらえたのでのびのびと良い集中で臨むことができて先輩2人には本当に感謝している。良い感じで戦わせてもらえた。私の専門はエペなのでフルーレでは攻撃権ってものが頭から飛んでしまっていて自分のランプしか使わないような状態、綺麗にポイントが取れないっていうのができなかったところ。先輩方に流れを作って頂いたので自分の持ち味である攻撃をして相手の剣を叩いて完全に自分の体から外してから自分一人だけランプをつくっていうシングルポイントが決まったので、それが功を奏したんだと思う。慶大戦で奥村先輩の3回目で逆転してくれたのは本当にありがとうございますという感じ。あそこがターニングポイントだったと思う。奥村先輩も自分と同じでエペが本種目なので、どうしても今までの試合は山岡先輩に頼り切りになってしまって、だけどそれでも大事な場面で力を発揮してくれたので、それで私も頑張らなきゃなという気持ちで次に臨むことができた。山岡先輩は一番学年が上で2回のリーグを経験してきた人なので自分たちよりリーグの経験値はありますし、フルーレに関しては本種目の人ってことで本当にチームの柱的な存在だった。ここまで来たら山岡先輩とぜひ1部に一緒に行きたい。私も頑張って、フルーレは本種目じゃないからっていうのを言い訳にしないようにしっかりポイントを取って、足を引っ張らないようにしたいと思う」
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