順大をストレートで下し3連勝/春季関東大学男子1部リーグ戦
センター陣が力を見せた。第1セット原潤一(文3=習志野)のAクイックで2ポイント先取すると、試合は明大リードで進んだ。杉本匠(政経4=聖隷クリストファー)が「(練習では)トスがサイドに固まっていた。今日政井(拓歩・営2=市立尼崎)が全体的に(トスを)修正できたのは良かった」と、政井のトスワークによりセンターの攻撃が機能。出だしから流れをつかんだ。政井は相手の前衛にセンターの攻撃を意識させたことにより、サイド攻撃にブロックを外すようにした。そこですかさず杉本を起用。順大の強みである高いブロックがそろう前に早めのサイド攻撃でポイントを重ねた。スキを与えないブロック、レシーブの徹底により終始リードを奪われることなくこのセットを先制した。
第2セットも勢いは続いた。セット先制に気を緩めることなく確実にポイントを重ねた。順大もそれに食らい付き、強烈なスパイクで大量リードを許さない。ツーセッターで多彩な攻撃を仕掛けてくる順大に対して、ブロックをさらに固めることで徐々にスパイクをシャットアウト。2セット目も終盤まで明大ペースを崩さず、25―19で勝負に王手をかけた。
勝負は拮抗(きっこう)した。第3セットは序盤より2―5でリードを許したが、杉本の効果的なサイドアタックによりブロックアウトでポイントを奪取。そのまま順大にリードを継続させずに食らい付いた。一時レシーブでお見合いをしてボールを落とすミスで流れを失うも、長いラリーを制し再び良い雰囲気を取り戻した。追い付き追い付かれの展開を繰り返し、お互い譲らぬまま決着は終盤に。デュースの場面で杉本のライトからのスパイクで2連取し、ストレートで順大を下した。
順大戦で大きく変化したのはブロッカーとレシーバーの連携だ。相手のスパイクに対してブロックの形をそろえることによってコースをなくし、確実なレシーブで決定打を許さなかった。また、サーブレシーブにおいても杉本と瀧野頼太(政経3=創造学園)の守備範囲を大きくし、レシーブのミスを減らした。昨年順大には3戦3敗しており、今回は見事雪辱を果たす勝利をなった。しかし「試合が終わるまでは集中してやり切ってほしい」(杉本)とまだまだ課題は残っている。リーグ戦後半、選手たちはさらなる高みを目指してスパートを掛け始めた。
[西尾健三郎]
試合後のコメント
有田賢史(政経4=福大大濠)
「バックが少ないと分かっていたのであえてブロックを外して、レフト、速攻だけを意識しました。明治のブロックは低いので形やタイミングを大事に練習してきました。また、フローターサーブで相手のカットを崩せていました。今のサーブカットの体型は基本杉本と瀧野の2人で、強いジャンプサーブの時は與崎が入るという感じです。守備はリベロを中心に組み立てられていてリズムが作れていると思います。課題はサーブです。まだ弱いので状況に応じて狙っていけるように全員が練習していかなければいけません。コンビに関しては、政井と自主練をしている成果がでてきて自信もついてきました。まだまだ精度を上げるためにも続けていきます」
杉本
「相手が出だしでミスをして、それに救われた感じがありました。3セット目では相手も本調子で結構競ったので、勝てて良かったです。調子はいいです。サーブレシーブの体形はもともと前の試合から2枚のレシーブで、僕と瀧野の2人のスペースを広めに取って自由にレシーブできるようにしています。その方がお見合いでボールを落とすことも少ないので合っていると思います。攻撃では前日のBチームとの試合に負けてしまい、その原因としてトスがサイドに固まっていたというのがあったので、今日政井が全体的に(トスを)修正できたのは良かったです。スパイクに関しては、やはり相手が大きいのでサイドアウトを狙ったり、トスを早くしてもらってブロックが完成する前に打つようにしました。さらに、今日は原と徹(小野寺・営3=東洋)が活躍してくれて相手のセンターブロックにセンター攻撃もあると思わせることができたので、なかなか僕の方に来られなかったのではないかと思います。僕のスパイク自体はまだ平行トスと合っていないので、打たされたスパイクの場合はミスだけはしないように精一杯打ちました。ブロックは後ろとの連携が良く取れていたと思います。ちゃんとブロックはブロックの仕事、レシーブはレシーブの仕事というのを割り切れて、役割分担をした結果がだと思います。ブロックの方に打ったらシャットできますし、逆にコースを変えてきたらこちらがレシーブをするというのができたと思います。レシーブでは相手の特徴をくみ取ってどこにボールが多いのかをコートを分割してパーセンテージで表しました。相手の10番はコートの真ん中が多いので意識は前目にして、あとはワンタッチボールとかも気にするように備えました。全体のプレーに関しては問題ないと思います。それでもまだアタッカー全員がセッターにトスを寄こせって気持ちがまだ足りないと思います。ボールをもらうように声を出してくれれば相手もどっちにくるか惑わすことができると思うし、セッターもアタッカーの存在に気付くことができます。その中で信頼関係をつくってほしいです。今後の課題は自分としてはスパイクに集中した分、レシーブ面がおろそかになってしまったのでそこは直したいです。チームとしてはリードして2セット取った後とかはもたついて気持ちで休憩してしまっているところです。試合終わるまでは集中してやり切ってほしいです。これからの試合のキーマンは徹だと思います。ブロックはできているんですけど、もっとスパイクを磨いてほしいです。そこができれば明治もぐっと強くなると思います」
與崎風人(政経3=鹿児島商)
「ブロックされる本数も少なかったので、そこは思わく通りいったという感じです。(高さへの対策としては)セッターにはブロックを散らすためにもサイドサイドで上げてもらい、サイドが開き出したら時間差の形をとる指示を出していました。それでも中盤になると中に中に寄ってきてしまって、別の方向にできたら良かったというのが反省ですね。(ブロックについて)相手のセッターも考えてやっているのですが、だいたいのセオリーがあって、それをこっちが先に突けました。それで思ったように攻撃をさせなかったし、サーブでも崩せたのでそういう点では攻撃を絞れたと思います。(サーブカットについては)ジャンプサーブしか自分はカットしないので、ジャンプサーブをキャッチする時は匠さんに攻撃の面だけ任せて、レシーブで負担を掛けないようにしています。前半戦は相手よりも自滅のパターンが多かったので、そこを修正するために空き週はコンビを重点的に確認しました。今日はコンビミスは少なかったと思います。(新チームになって)上を支える意識を持つようになりました。今やらなければ来年もできないと思います。3年でミーティングした時も今やらないとどうしようもない、自分たちのできることをやろうと話し合ってます。(3年生は)やるときはやるメンバーだと思っています。後半戦はどこのチームも大エースがいるので、そこを抑えて、コンビ良く攻撃できればいい流れに持っていけるかなと思います。(日体大戦に向けて)自分のできることは微力だと思いますが、自分の仕事をしっかりこなせばチームとしてもいい流れになると思うので意識してやっていきたいです」
政井
「1セット目はクイックや時間差を多く使って相手の意識を引き付けて、2セット目は早いトスをサイドに散らすことを意識しました。順大はブロックが高いので早いトスでブロックが完成する前に、1枚半の状態で打たせるということを徹底しました。日体大もブロックが高いので同じように戦っていきたいです」
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