弱さを実感した総合6位/関東学生春季選手権

2014.05.12
 去年までの主力選手が抜けた新チームで臨む今年度の関東春季選手権は、総合6位と物足りない結果に終わった。1日目の第4レースまでで総合6位となり、2日目は順位を上げることを目指した。しかし細かいミスが重なるなど思うようなレースが出来なかったため順位は変わらなかった。

 力不足を痛感した大会だった。10日に行われた1日目は北からの風や南風などレースによって違う風が吹いたため、選手それぞれに得手不得手な風があり順位が安定しなかった。結果スナイプ級5位、470級6位と納得のいかない順位に。今回は去年行っていた3艇まとまってのレースという作戦を取らず「バラバラに走っていってマークの辺りで集まる」(石井久貴・理工2=明大明治)という作戦にシフト。しかしそのことで意思疎通のできない艇も出てきた。巻き返しを図って臨んだ2日目は、ミーティングを行ったため1日目よりチーム意識が改善された。しかし基礎やスキルといった点でも上位校との差は大きく、順位を上げることはかなわなかった。

 この結果を受けて鈴木将平主将(商4=逗子開成)は「弱いということを再認識できた」と次につなげる気持ちを見せた。3着以内に入ったのは470級で出場の坂隼輔(理工3=逗子開成)・井上真梨子(農3=成城学園)ペアの第5レースのみと個人でもあまり結果は残せなかった。全日本インカレでの優勝という目標のため、基礎技術の向上など秋までにクリアしなくてはならない課題は山ほどある。しかし下級生が言いたいことを伝えられているというほどチームの雰囲気は良好だ。チーム一丸となって課題を克服し秋での好成績、インカレ優勝を目指す。

[谷澤優佳]

試合後のコメント
鈴木将平主将(商4=逗子開成)

「昨日は全ての風を行きました。その中で各々が得意な風、苦手な風、風域だったりがあると思うので、自分を含めてムラができてしまいました。今日は南風が吹いていました。  普通、南風は振れたり、やりづらいコンディションですが、今日のコンディションは悪くなかったです。結果は各大学の実力通りかなという感じでした。僕自身はボートスピードが遅かったです。あまり走らなかったし、明大としても良くはなかったです。昨日の総合6位という結果を受けて、1つ上の明海大さんを目標にするというよりは、今後のためにもできるだけ前を走ろうという話をしていました。それはできた人もいるしできなかった人もいました。ポイント、ポイントにもよります。スナイプチームの後輩たちはできていました。昨日よりはミスも少なかったと思うけれど、それでもまだまだ力不足を実感しました。そのことが今回、数字としてあらわになったことが今回の収穫です。弱いということを再認識できました。課題が明確になりました。練習などを見直していかなければならないかなと思います。2月、3月の長期合宿でメインにやってきた、基礎的なことが全然できていないというのが正直なところです。練習の質や効率といったところを見直していきたいです。残された時間は変わりません。今ある差をどうやって埋めていくか、追い越していくかだと思います。上位の大学とは基礎的なところで差が付いてしまっています。競っている場面で勝負を分けるのは基礎的な部分です。大学から始める人が多い部活なので、そこを疎かにしてプラスアルファができるとは思いません。目標は全日本インカレでの優勝です」

坂隼輔(理工3=逗子開成)
「思っていたよりも順位は悪かったです。個人としても大学としても、もう少し上にいけました。小さなミスが原因です。あとはチームの3艇がレースの合間に話をすることが上手くできずにレースでもまとまれませんでした。自分の艇ともう1艇は意思疎通ができて作戦を共有できましたが、もう1艇が違う方向に行ってしまいました。もったいなかったです。日頃の練習から3艇でまとまって、チームという意識を持つことが大事です。それでも今日は、昨日の夜にミーティングをしてみんなで共有したので昨日よりは良かったです。他大学に動作の早さだけで抜かれてしまったり、スキルの面では単純に練習不足だと感じました。そこは練習するしかありません。去年の4年生はスキッパーとして優秀な人がたくさんいました。その人たちがごっそり抜けてしまい、戦術的に大きな影響もあります。今年の春は新しいレースメンバーで挑んだので、どうなるか分からないというのが本音でした。今まではレースでも練習でも引っ張ってもらっていました。今年になってからは下級生も自主的に練習したり、ここが苦手だっていうことを言えるようになってきました。今回の成績はイマイチだったが、自主性というか、下級生が言える空気になってきたのは良かったと思います」

石井久貴(理工2=明大明治)
「今回はバラバラに走っていってマークの辺りで集まるという戦い方をしています。昨日、自分の艇は第2と第4レースで失敗しました。風が読めなかったです。昨日、最初はスナイプは出れないんじゃないかというくらいの北のど強風でした。しかし2レース目に入るか入らないかくらいのところで風がゼロになりました。3レース目では南に回りました。微風だったが4レースになるとまた吹き始めました。難しいコンディションでした。それでも昨日の総合6位という結果には納得していません。明治は吹けば勝てるけれど、軽風(風が弱い時)に弱いです。単純に下手です。スキッパーが軽風の時の対応を模索中です。チームとしての完成度はまだまだ低いです。ほとんど全部の面で上げないと話になりません」

近藤かんな(商2=登別明日中等教育学校)
「今日は風がないって聞いてたんですけど思ったより風がありました。昨日は2レース出て今日は1レース。今日は風の強弱とかがすごいあって、バランスを取るのが大変な風でした。風の振れとか風の強いとことかに、その良い海面を使った人が前に出ていい順位で帰って来られるという感じでした。わたしはそれを結構失敗してしまいました。今日はそういう風を上手く使った人がいいっていう感じでした。昨日のレースでもスタートがあまり得意じゃなくて、スタートってとても大事でスタートが決まるといい感じに自分の思い描いてるコースで回れたりするので、スタートを結構集中してあまり失敗しないようにっていうのを心がけました。あとチームレースなので3艇との情報共有とか情報をお互いの船に教えあったりとかそういうのも心がけました。今日の海はすごく大きいわけではないけど風は結構振れてはいました。それによってどっちの左の海面を使うかとか右の海面を使うかとかっていうのがすごく大事になってきます。昨日は1レースと2レースに出たんですけど、その時は最初1レース目はすごく風が強くて、こんなに吹くんだってくらい吹いていました。昨日の1レース目と今日のレースでは風が真逆でした。昨日は結構風が強かったのでひっくり返らないのはもちろん、強風の中でも上手く走らせる人が前で帰ってくるという感じでした。昨日の海面も真ん中というか左を使うなら左海面で勝負するとか決めないと、真ん中で戦うっていうのはあんまりよくなくてっていう風の傾向があったのでそれを意識していました。その後は風が変わって今日と同じ風になっていました。そういった意味では結構振れるっていうか安定しない風でした。ヨットもスポーツなので体が大きかったり筋肉いっぱいあった方が有利は有利ですけど、ヨットは二人乗りだから女子と男子のペアとか女子と女子のペアとかあって女の子でも十分戦える競技です。女子だからダメとかそういうのは全然ないです。男子も女子も一緒に競えます」