
GWの勢いそのままに! 筑波大に快勝で3連勝/関東大学1部リーグ戦
その右足に会場がくぎ付けとなった。「早稲田戦くらいからとても良くなっている」(神川明彦監督)という差波のキックが2得点を演出。前半3分のコーナーキックでは「あそこに蹴る練習をしていた」(差波)と狙い通りの場所へ蹴りこみ相手DFのオウンゴールを誘った。後半12分にはピンポイントの柔らかいクロスで「合わせるだけだった」という藤本の得点をアシスト。存在感を示した差波だったが「キックもパスも活動量も全部力不足」と自分のプレーには全く納得していない。攻撃のタクトを振る明大の指揮者はさらなる飛躍を誓う。
4年生がチームを牽引した。GKの三浦龍輝主将(商4=FC東京U-18)はチームを鼓舞し続け、石原幸治(政経4=市立船橋)は持ち前のスピードで何度もサイドを崩した。途中出場の苅部隆太郎(商4=川崎フロンターレU-18)も前線からのプレスで相手に自由に蹴らせなかった。特に矢島倫太郎(政経4=浦和レッズユース)に対しては、神川監督も「矢島は攻守においてチームを牽引した」とその献身的なプレーに賛辞を送った。連戦となりコンディション的にも難しかった今節において、最高学年である4年生の存在は非常に大きかった。
次節は約1週間後の中大戦。中大は現在10位と低迷しているが「個人技のあるチーム」(神川監督)であり、簡単なゲームにはならないだろう。しかし、3連勝となっても「自分たちの目指しているところはこんなところではない」(室屋)と現状に満足している者は誰もいない。前期の目標である勝ち点25獲得に向けて高い意識が共有できている今のチーム状態はとても良い。次節もチーム一丸となって、貪欲に勝ち点3だけを狙う。
[鈴木拓也]
試合後のコメント
神川監督
「(今日の試合を振り返って)GWの苦しい日程の中で、お互い様だが、最後まで集中を切らさずに3連勝ということで、2-1になって難しい展開になったが、あそこで3点目取れたことは今のチームの状態を表していると思う。(筑波大の印象は)パスを繋いで攻撃的にやってくるというスタイルは予想通りだった。彼らに無いものは、球際の激しさだったりとか、運動量、粘り強い守備なのでそういうところを突いていければ勝てるっていうのは栗田大輔助監督もしっかり指示を出して、選手たちもよく分かっていた。ファーストセットプレーで点を取れて良かったと思う。相手の弱点を突けて。(差波のキック精度について)ここ3試合くらい、早稲田戦くらいからとても良くなっている。前節に続いてセットプレーで点を取れたのは良いと思う。(前半の風下での守備ついて)やりにくそうだった。風下で押し込まれる展開になりがちだが、そこをうまく耐えながら点を取れたのは良かった。ボールが伸びるので、頭を越えるボールはGKが処理すれば良いからDFラインを高めに設定しやすかった。逆に風上の方が蹴ったボールが風で押し戻されるので、すごくラインコントロールが難しい。そういった意味では、前半はラインコントロールがしやすかった。(2得点目を演出した室屋について)あれは個人技だった。彼の思い切った、本当に良い判断だった。相手のボールになりそうなところを、自分の力なら奪えるという瞬時の判断で積極的に奪いにいって、あそこまでドリブルで抜けていくんだから個人の力が抜けてるっていう一つの証明になったと思う。ここ数試合、特に早稲田戦は圧巻のプレーだった。完全に今、自分の形にもってきている。どんどん積極的にやってくれれば良いと思う。さらなる成長を見届けたい。(後半開始直後は筑波大に押し込まれたが)立ち上がり気をつけるよう言ったが、スタッフ側の指示を選手がちょっと忠実に聞きすぎてしまって我々の望んだ守備とは少し違う形になってしまった。ボールに行かなくなってしまって、コンパクトに保ててはいたがボールに対してのアプローチが減ってしまった。そこはスタッフ側の思惑と選手側の受け取り方がちょっとずれてしまい、失点はもったいなかった。その後はよく修正して、最後まで良い守備をしてくれた。
(後半は高い位置から相手がプレスをかけてきたが)負けてるわけだから、相手は高い位置で奪った方が得になる。あれぐらいのプレスだったら、十分うちはかわせるので、問題はなかった。(FWを二人交代したが)藤本は守備の部分でうまくいかないところがあり 、一つイージーミスもあったので。矢島は本当に良かった。攻守においてチームを牽引してくれた。連戦もあり、前半から飛ばしていて少し疲れが見えたので、栗田助監督の方で苅部と木戸を投入したと思う。(早坂(龍之介・法2=浜松開誠館)を投入して室屋のポジションを上げたが)固く守って、成でカウンターという形。守備固めという印象。相手の10番が左でボールを持つと結構厄介なので、その辺をケアしてのことだと思う。(この試合で特に良かった点は)まずしっかりと勝てたこと。苦しい連戦の中で、連勝を途切れさせなかったことが、まずはとても良かった。勝ち方というよりも勝ったことがまずは大事。勝ち方としては、セットプレーあり、個人技あり、完全に崩した形ありと、いろんな形で点が取れた。失点は余計と言えば余計だけど、あの失点は判定に泣かされた感じはあるので、まあ良いと思う。(この試合で見つかった課題は)後半の入り方。あれは良くなかった。あとはもう少し点取れたかなっていう気持ちがある。もっと貪欲にいってほしかった。まあ、それも今後の課題。今日は十分良いゲームだった。(3連勝となり、チーム状態はどうか)非常に良い。交代した選手がズバズバ当たっているし、本当に誰が出てもよくやれているので、この調子で残りの3試合もしっかりやってほしい。(次節、中大戦に向けて)中大も今は勝ちきれてないところがあるが、もともと個人技のあるチーム。砂川(中大)をはじめ、一発を持った選手が多いので、がっぷり四つになると思う、その中で、競り合いのゲームをどう制するかというところにかかってくると思う」
差波
「立ち上がりに先制できたのでその後の展開がすごく楽になった。勝ててよかった。けど内容は全然駄目。勝ったという事実に満足しちゃいけない。筑波大は今は順位低いけど強いチーム。7番と6番にボールを集めてくるからそこはしっかりケアしようと話し合っていた。(1点目は)もともとコーナーはあそこに蹴るって練習の時からやってきていたのでそれができたんだと思う。3点目はサイドから良いボールがきて自分がボールを持ったら藤本が走りこんでくるのが見えたからそこに蹴ったら藤本がうまく合わせてくれた。後半開始直後筑波大に攻め込まれる時間があったが、もともと力のあるチームだからあれくらいやられるっていうのは想定していた。後半シュートを多く打たれたがあれは相手が自分たちのディフェンスにうまく対応してきたのに自分たちが対応できなかったから。失点シーンはしょうがないっちゃしょうがない。PKは取られたら1点は覚悟しなくちゃいけないから。ただししょうがないで片付けるんじゃなくて失点したことはちゃんと反省してPKを与えないような守備をすべき。3連勝したのはチームの状態や雰囲気がいい証拠。このまま連勝していきたい。今日は勝てたけど課題はたくさんある。キックもパスも活動量も全部力不足。キックの精度の関しては最近はチャンスをつくれているけど満足することはない。もっと上を目指して練習していかなきゃいけない。次節の中大は順位は低いけど力のあるチーム。しっかり準備して勝ちたい」
藤本
「(2得点を含め、今日の試合を振り返って)チームに勢いも出てて、良い状態だったので、まずは勝ち点3を取ることだけを考えてみんなやっていた。2点は取れたが、自分としては全然満足していない。点を取っただけだったという感じで。勝てたことは素直に嬉しいが、個人的には課題の残る試合だった。(2試合連続のFWでの先発だったが)今季は最初サイドで起用されていて、見る景色は違うが、基本的にやることは変わらない。ゴールを目指すことだったり。守備の部分も、自分は両方経験してるので、うまく対応出来ればと思う。FWには慣れているという気持ちもあるが、チームの状況に応じて監督に与えられたポジションをこなしたい。試合に出るのが大事だと思うので、ポジションは特に気にしていない。(連戦でのコンディションはどうか)自分だけではないが疲労はあると思う。相手も同じだと思うので、そういうのは言い訳にならない。そういう中でしっかりと勝ち点3を取れたというのは、後になってから非常に大きくなってくると思う。(次節、中大戦に向けて)今、明治がすごく良い状態だと思うので、次の試合も勝ち点3を取ることだけを考えて、チームでしっかりと準備していきたい」
室屋
「(今日の試合を振り返って)早い時間帯に先制点が取れて、前半のうちに2点目が取れたので、前半で試合が決まった感じがあった。後半に自分がPKを与えてしまい、流れが悪くなってしまった。ああいうところでファウルとか、小さいミスをしないのがこの先重要だと思う。
(2点目について)奪われたボール、切り替えのところはチームで共有してたので、練習通り、スタッフの指示通りのプレーができたと思う。個人的には横パス出してアシストしたつもりだった。(連戦でのコンディションはどうか)今の気持ち的にすごく、早く試合したいという気持ちがある。中3日とか、そういうところに、個人的には問題なかった。意欲的に練習にも取り組んでいたので、今すぐに試合したいという気持ちがあった。(チームでの競争意識について)誰が出ても、パフォーマンスは変わらない。東国大戦でも、新しく入った選手がすごく高いパフォーマンスを発揮していた。自分も今日途中出場した早坂とかにすごく刺激をもらっている。競争できる環境での練習が試合にも出てると思う。(SHでのプレーはどうだったか)SHでのプレーは高1以来で楽しかった。攻撃に集中できるので。 (ポジショニングについて)前半は点を取るために意識して高い位置をとって、ボールを動かした。後半はリードしている状況で、後ろを固めたら勝つことができるという考えがチームにあったので、自分もそれほど高い位置に入らずに、守備のことを考えてプレーした。後半のゲーム運びはうまくいった。(次節、中大戦に向けて)3連勝はしたが、自分たちの目指しているところはこんなところではない。もっと良いサッカーをしなきゃいけないと思うし、チームとしてもまだまだミスが多い。1週間あるので、そういったところを個人としても、チームとしても修正して、4連勝したい」
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