今年度初戦は結果振るわず/全日本大学選抜宇和島大会

2014.04.30
団体戦は全敗
 勝利が遠かった。2戦2敗で迎えた団体戦予選リーグ最後の同大戦。副将の武政進之介(政経3=埼玉栄)が上手出し投げで敗れて1-3となり、明大の予選敗退が決まった。0-2の状況から中堅の小山貴雄主将(政経4=向の岡工)が寄り切りで勝利。主将が意地を見せて望みをつなぐも、武政は「勝負弱さが出た」と肩を落とした。高校横綱だった日大の佐々木から下手出し投げで白星をつかむなど、ここまで団体戦でチーム唯一の白星を挙げていたが「落とせない状況で役割を果たせなかった」と小川清彦総監督。勝負所でエースが敗れ、明大に勝利をもたらすことはできなかった。
 新チームになってから新たな取り組みを始めた。昨年までは決まった時間に練習を行っていたが、授業で欠席する部員もいて参加できる人数が限られていた。今年は部員の授業を考慮して、できるだけ多くの人数が参加できるように練習時間を調整している。「人が多い方が集中していろんなバリエーションで練習できる」(小山)と試行錯誤の中でチーム力を高めていく。

ケガから復帰
 復活に向け大きな一歩を踏み出した。高校時代に国体で優勝した経験を持つ名和闘志(政経2=埼玉栄)が大将を務めた。「ケガにも負けないでよくやっていた」(小川総監督)という気持ちの強さを買われての抜てきだった。高校3年の冬に膝の靭帯(じんたい)を切って手術して以降、1年間リハビリの日々が続いていた。昨年出場したのはインカレ個人戦のみ。ようやく本格的に実戦復帰となり、明大入学後初となる団体戦だった。3試合とも名和に出番が回ってくるまでに勝負は決まっていたが、最後の同大戦は突き出しで相手を下し「1つ勝てたことはうれしい」(名和)と自信を深めた。まだ膝の状態は万全でないが、チームにとっても明るい材料となった。

攻めの姿勢貫く
 不本意な結果に終わったが手応えもある。選手全員が立ち合いから攻める姿勢を貫き、負けても相手に圧倒される取り組みは少なかった。それでも「思った以上に勝ち切れなかった」(小山)。小川総監督は「いいところもあったが迫力に欠けていた」とさらなる奮起を促す。今年も目標とするのは「インカレ優勝」。11月の本番に向け、まずは来月3日に行われる全日本大学選抜宇佐大会で上位を狙う。

[坂本寛人]

試合後のコメント
小川総監督

「体も大きくなってしっかり稽古もしています。最初の大会なので立ち合いから攻めていくように言っていました。内容は悪くないが、勝負は結果だからね。まだまだこれからなので経験になったと思います。弱いところを見つけて次につなげてほしいです。まだ覇気が足りません。取り切れていません。いいところもあったが迫力に欠けていました。攻め合って五分のところもありました。もっと追い込んでいかないといけません。勝って自信をつけるのではなくて、練習で自信を付けて土俵に上がらないといけません。日頃のやるべきことをやります。名和はハートが強く、ケガにも負けないでよくやっていました。気持ちが強いので大将に置きました。武政は最後の同大戦で勝てませんでした。落とせない状況で役割を果たせませんでした。勝負所で強くならないといけません。まだまだだが、前には進んでいると思います。インカレまであと半年あるので、どこまで成長できるか楽しみです」

小山
「思った以上に勝ち切れませんでした。相撲が悪くなかったが、勝ち星が付きませんでした。内容自体は悪くないです。もっと戦えたと思います。勝ち星を取れるように練習していきたい。自信を持って臨めるように稽古していきたい。新チームになってからできるだけ全員が練習に参加できるように、授業などを考慮して試しながら練習時間を決めています。昨年までは練習開始時間が同じで授業で行けない人もいました。人が多い方が集中していろんなバリエーションで練習できます。チーム自体は3年生に勢いがあります。目標はインカレなのでそれに向けてやっていきたいです。次の宇佐大会では今日負けた日大と同大とまた当たることになっているのでまずはそこに勝ちたいです」

武政
「大事なところで勝てませんでした。勝負弱さが出ました。力は付いてきたが大事なところで勝たないと。チームとしては攻めているが勝てないです。勝ちにこだわっていきたいです。勝負強さも身に付けて上で戦っていけるようにしたいです。今年は個人戦でインカレ優勝を狙います。次の宇佐大会は3位を目指したいです。上と戦って上位入賞をしたいです」

名和
「緊張しました。昨年のインカレの個人戦は出場したが、団体戦は大学に入って初めてでした。全然力が足りてなかったです。高校3年の冬に膝の靭帯を切って手術してようやく本格的に相撲を取れるようになってきました。今も様子を見ながらで思うようには練習できていないです。選んでもらったのはありがたいです。次もまた使ってもらえれば勝ちたいです。大学の試合は高校と雰囲気が違い、圧力、体の大きさ全てにおいてレベルが違います。1つ勝てたことはうれしいです。前に出る相撲を磨いてトップレベルで戦えるようになりたいです。どの大会でもいいので個人、団体でベスト4以上に入りたいです」