
リーグ戦最終戦 男子は学習院大に勝利 女子は早大に敗戦/関東学生1部リーグ戦
リーグ戦最終戦を白星で飾った。学習院大を相手に3742-3807と65点もの大差をつけて勝利した。前半50mこそ強風にあおられ苦戦したものの、後半30mは調子を持ち直して見事勝利を収めた。専大戦、日本工大戦、早大戦と初戦から3連敗を喫したものの、第4戦となる拓大戦に続き2勝目を挙げ、3勝2敗で今年度のリーグを終えた。この試合の結果により明大は入れ替え戦を回避、3年ぶりに入れ替え戦をすることなく1部残留を決めた。
前半の50mは強風の影響を受け点数が伸び悩んだ。しかし、前田悠帆(法3=東福岡)が320点、佐山陽亮(法4=京華)が302点と、300点超えの点数でチームを支えた。前半50mを僅差で競り勝ち、試合は後半へと持ち越された。
後半の30mは点差を広げ、相手を突き放した。午前の試合を終えた女子チームが会場に駆け付ける応援が盛り上がると、明大ペースで試合が運んだ。ふたを開けてみれば65点もの大差をつけての見事な勝利だった。
チームの成長を感じる一戦だった。過去2年入れ替え戦までもつれこんでいた明大だが、今回の勝利で1部残留を確実にした。丸子博貴主将(営4=広島大附)は「今年は入れ替え戦にならなかったのは成長」と、笑顔を見せた。開幕前のオフシーズンには一部の部員が韓国遠征に行き、そこで得た練習方法を部に取り入れた。インナーマッスルを強化する筋力トレーニングも導入するなど、新たな取り組みがチームの強さにつながった。4年選手にとっては現役部員として参加する最後の試合となったが「一番楽しい試合だった」(太田俊・理工4=明大明治)と選手たちは一様に最も楽しい試合だったと口をそろえる。有終の美で4年生を送り出した。
この試合終了とともに代交代を迎え、リーグ10位のリーグ戦合計得点(3306点)を記録したエースの前田は「先輩たちを超える代になりたい」と意気込む。現3年生にはリーグメンバーの前田、増田圭祐(商3=長野日大)、田代和也(文3=横浜隼人)といった実力を備える選手がそろうが、2年生は常に試合に出場する選手は荒木慎也(政経2=明大中野)のみ。部全体の戦力の底上げが急がれる。来年の王座出場に向けて、戦いは既に始まっている。
ついに迎えたリーグ戦最終戦は強豪の早大との一戦。リーグ開幕前から警戒していた一番のヤマ場であったが、前半で92点差をつけられると後半でもその差を詰めることはできず2374―2516と力負け。総合成績は3勝2敗となり、王座出場は来週の振り替え試合の結果を待つこととなった。
「やれることは全部やろうと思った」(中村彩・商4=越ケ谷)。最終戦を前に行われた前日のミーティングでは、出場する選手を活気づけるため、応援の2年生が主導で喝を入れた。その思いを受け取った選手たちは格上相手にも果敢に攻める姿勢を見せ、プレッシャーを感じることなく「大きくのびのびと射てた」(西川夏未・理工4=神大附)。心強い応援も加わり「試合の雰囲気は5戦の中で一番良かった」(西川)と終始良い雰囲気で試合は進んでいった。
しかし50m終了時点で1097―1189と大きく出遅れた。一度ついた得点差を縮めることはできず142点の大差での敗戦となり、試合後には選手全員の目から涙がこぼれた。それでも不調が続いていた中村も最後には全力を出し切った。「後悔なく終えることができた」(中村)。また最終戦を終えて「自分が思っていた明大らしさを出せたチームだった」(西川)と今年のリーグ戦を振り返った。
笑顔を絶やさなかった。人数は少ないながらも、校歌や応援歌でチームを盛り上げた。練習試合ではあまりなかったという応援も「試合ごとに声が出るようになっていった」(松坂茉莉・国際4=神奈川県立多摩)。試合をこなすたびに応援の力強さやチーム内の雰囲気は良くなっていった。最後には「応援で他校を一番圧倒できる雰囲気ができた」(西川)と持ち前の団結力の強さを見せつけた。この日は30m最終エンドが始まる前に円陣を組み、中村から「最後まで楽しんで射とう」と声が掛けられた。最後は中村が全員に見守られながら弓を放ちリーグ戦を締めくくった。
自らの勝利で王座出場の切符をつかむことはできなかったが、まだ可能性は残っている。まずは来週の振り替え試合でBブロック3位に入ることが必須だ。そして来月11日に行われる5位決定戦で勝利すれば、念願の王座出場がかなう。「チーム一丸となって攻める」(中村)。3年連続の王座出場へ、まだ戦いは終わっていない。
[鈴木千明・板橋洋子]
【男子】
試合後のコメント
丸子
「今日は最後の試合だったが、いつもと変わらずやることはきっちりやろうという気持ちで臨みました。全国へ行こうということを目標にしていたが、それは3敗でついえてしまいました。そのことは残念だが、自分が入部してからずっと入れ替え戦までもつれていたのが、今年は入れ替え戦にならなかったのは成長かなと思います。今日はチームとして圧勝できたと思います。最後の試合ということで、疲れが出てしまって、詰めが甘い部分もあったし、点数があまり出なかったことは反省点です。フィールド予選が今の目標。いい点数を出したいです」
太田
「今日はあまり調子は良くなかったです。50mは風が強かったので射形が崩れてしまいました。それを調整して、30mは調子が良かったことは良かったです。最後だから楽しもうと思ったし、みんなすごく楽しんだ試合だったと思います。一番楽しかった試合でした。負けたら…と考えもしたが、試合をしてみるとすごく楽しくて、今日が最後とは思えなかったです。今年は3年生を中心にみんなが伸びて、チーム全体でもかなり点数が伸びました。楽しくやろうという方針の下、韓国で見た練習方法を取り入れたり、今まではほとんどやってこなかった筋トレを練習に取り入れたりしたことがその要因だと思います。自分は早く射つようにということを言っていて、それがコンパクトな射型につながったとも思います。今日で現役は引退だが、インカレフィールドには本腰を入れて臨みたいです。まずは出場することが目標ですが、昨年は4位だったので今年は優勝を狙いたいです。この1年間で点数を出して当然というポジションになりました。つらいと思うこともありましたが、最低点は出せるようになりました。今のメンタルなら昨年よりもいい結果が出せると思います」
佐山
「今日の調子は良くもなく悪くもなく。でも50mではリーグベストを出すことができました。今年は弱点を強化する練習方法に変えたり工夫したが、王座出場には届かず残念です。今日は最終戦だが、試合を楽しむことを重視していつも通り出せるものを出そうという気持ちでやりました。2、3年でリーグには出場できなかったけど、4年生で出場できたし、6トータルの中に入れたので良かったです。今日で現役引退だが、今後もフィールドの個人選手権か関東の学生個人選手権には出場するつもりです。現役には負けないという気持ちでやっていきます」
横尾大河(文4=掛川東)
「50mは最低な点数を出してしまいました。悔しいし、反省する点です。2年前から試合に出てきました。王座はなくなってしまったが、最後の試合は楽しくできました。今年は入れ替え戦を回避したし、チームのレベルが年々上がっているのを感じます。未経験でも全国レベルで活躍する選手が出てくるのが明大のすごいところ。アーチェリー部での4年間はとても楽しかったです。入らなかったらと考えると恐ろしいくらい。濃い経験をしたと思います。今までインカレは一度しか経験していないので、今年は一つはインカレに出場できたらと思います。点数にこだわっていきたいです。よくできた後輩が育っているので、特に心配はありません。練習量と工夫を大事にしてもらいたいです。とにかく楽しんで頑張ってもらえたらと思います」
前田
「50mはそこそこの点数でした。5エンド目ですごく当たって稼いだという感じです。でもミスは30mにも出ると思って真ん中に寄せようと修正しました。330点を切らないようにならないと。ここから1、2か月で修正していきたいです。30mは最初はサイトが合わなくて点数が出なかったが、それ以降は良かったです。今の調子では最高の射ができました。今日は先輩の最後の試合だったので、歴代新記録出して引退してもらおうと思っていたが、残念ながら最高点は出せませんでした。でも勝ちで終わることができたし、先輩にも今日はいい試合だったねと言ってもらえました。後悔はありません。代交代だが、先輩たちを超える代になりたいです。世界代表選手権の選考会では上位に絡んでいけたらと思います。力の入れ方、かけ方がばらばらなので、一定で射てるように。意識しないでそれができるように修正していきたいです」
増田
「リーグ通じて調子は良くなかったです。50mは迷いがあると当たらないので直したいです。30mは射型がよく分からなくなってしまいました。今日はいつも通りにやろうと臨みました。今日は有終の美を飾れたと思います。貢献できずに残念ではありますが。これから射型を一から作り直そうと思います。今後は国体の選考に出られたらと思います。それまでに射型を直したいです」
田代
「今日は5戦の中で一番貢献できた試合でした。点数は628点で良くも悪くもないです。3月の練習試合からは点数が下がってしまって、リーグにピークを持ってくることができなかったのは少し後悔しています。50mはこのリーグで2番目に良かったです。3エンド目からは取りかけを深くしたら射が安定しました。自分は最初はあまり調子が良くなくて、それが今日も出てしまいました。今日は風が強かったが、風を読んで射つことができました。30mは50mの射の良さが点数につながりました。射型も安定しました。女子も応援に来てくれて、5戦で一番楽しかったです。最終エンドの最後の射で、これだ、という射ができました。今回は幹部の引き継ぎに時間を取られてしまったのは反省点です。来年もエイトを狙っていきます。今年は個人戦の本選にいきたいです」
荒木
「全体的にアンカーが入らず、クリッカーを出して射ちました。引けずに気持ち悪い状態でした。前回は自然に切れて当たったが、今日は射型が乱れてしまいました。今日はいつも通り緊張はなく気張らず射つことができました。先輩のリードの仕方など、自分にはないものを吸収していきたいです。勝つことができたが、風に翻弄(ほんろう)された部分がありました。点数はもっと出せたと思います。2年生で試合に出ているのは自分だけなので、1年生に経験者が入ってきそうなので、自分は試合に毎回出て、指導する上でもつなぎ役になりたいです」
【女子】
中村
「今日の調子は悪くはなかったです。みんなを引っ張りたかったけれど、点数はいつもの点ではありませんでした。前日に応援の2年生から喝を入れてもらったおかげで試合の雰囲気もよく、後悔なく終えることができました。最終戦のプレッシャーなどは個人的には感じずにできました。青学大戦の負けからは切り替えて臨みました。自分たちの力を出し切って、やれることは全部やろう思いました。今日はしっかり楽しんで攻めていこうと声掛けをしました。それがちゃんと実行できたと思います。みんな笑顔で前向きに試合を運べていました。リーグ戦全体はふがいない試合ばかりだったけれど、調子が崩れている中でやれることはできたので悔いはありません。王座に行けるかどうかは来週の振り替え試合が行われないと分からないけれど、ストレートで王座へ出場というのがかなわなかったのは悔しい。ただリーグ戦を通してやれることはやれて、いいチームになったなと感じています。先週の青学大戦は王座出場を左右する重要な試合だったこともあり、敗戦は選手それぞれにとって痛手でした。悩んだところで負けたものはどうしようもなかったので、気持ちよく今日の試合をやろうと伝えました。最後、チームへ支えてくれて頼もしかったという感謝の気持ちを伝えて、来年も再来年も王座へ行ってほしいということを伝えました。3位決定戦になった場合、どんな対戦相手でも出せる実力を出し切ればそれが勝ちにつながると思うので、今までと同じようにチーム一丸となって攻められたらいいと思います」
西川
「昨日、早大が相手ということで気合を入れようと、2年生が発端となって意識統一を行いました。試合の雰囲気は5戦の中で一番良くて、勝つぞという気持ちで臨むことができました。今週のベストではないけれど力は出せました。早大は2500点台を出してきて、明大がベストを出しても届かない点数でした。それでもいい雰囲気で試合ができてよかったです。試合だから頑張ろうと思うことは無かったけれど、いざ的前に立つと緊張してしまっているところはありました。相手が強くてもひるまず諦めずにやろうと心掛けました。ただ自分で最終戦であるというプレッシャーをかけてしまって最初は緊張したけれど、だんだん乗り越えて大きくのびのびと射てるようになりました。先週の青学大戦は2450点くらいを出してきて、自分たちがこけてしまったというよりも相手の出した点数に追い付くなかっただけだったので、この1週間はいつも通り練習して落とさないようにやろうと思いました。4年間リーグ戦をやってきて、今年が一番、自分が思っていた明大らしさを出せたチームでした。練習試合の時とかは応援は静かで、個人でやるチームだったところがあったけれど、それでは勝てないのではとなって、応援から盛り上がる雰囲気をつくるようになっていきました。応援で他校を一番圧倒できる雰囲気ができていったと思います。今年は幹部になったけれど、知識不足のせいで先輩として射形の指導や弓具の相談に乗ったりできなくて申し訳なかったです。それでもチームをつくってくれた下級生にはありがとうと伝えました。3位決定戦があるなら相手はきっと2450点台を出してくると思います。今のままだときつい部分があるけれど、実力を出せば勝てると思います。緊張しないメンタルづくりなどに取り組んで臨みたいです」
松坂
「今日の点数は目標に及ばなかったけれど、今までと同じペースで射てたのはよかったと思います。最終戦というプレッシャーはなく、前日のミーティングで応援の後輩が元気づけてくれて、プレッシャーをみんなで均等に感じるくらいになって、楽しくできたと思います。今週の試合は厳しいだろうという覚悟があったけれど、勝てるんだという意識で臨みました。一人一人が実力か実力以上を出せば勝てると思います。来年、格上の相手と戦うことがあってもその意識で挑んでいってくれると思います。1カ月前にミーティングでチームづくりをしたけれど、そこからどんどん変えていって、急速に今のチームが出来上がっていきました。具体的には応援ですが、最初は選手が集中できる空間づくりを大切にしていたけれど、次第に声を出して全体で盛り上がるチームになっていきました。試合ごとに声が出るようになっていって、応援に助けられることは多かったです。応援のお陰で点数が出せました。チームで一番上の学年になるということで、活躍できる選手になりたいと思って上位4人に入ることを目標に、1番にもなれるようにやっていました。リーグ戦を通して毎回4人に入れたのでそこは達成できました。でもそこは個人の少しの努力でできることで、それ以外の外の力が大きかったです。いいチームをつくるために何ができるのかみんなで考えていました。男子は男子なりの団結力があって、女子は少数精鋭なのでその分個人個人が深く結び付いていて、とても好きでした。3位決定戦は力を出し尽くすだけです。それができればどんな相手でも勝てると思います」
関連記事
RELATED ENTRIES