首位を走る順大とスコアレスドロー/関東大学1部リーグ戦

2014.04.28
 痛み分けのスコアレスドローとなった。相手は第4節終了時点で首位の順大。序盤は明大が持ち前のポゼッションサッカーで主導権を握り、前節2ゴールの藤本佳希(文3=済美)を中心に積極的にシュートを放つ。しかし順大がパスの出所であるボランチやDFラインに素早いプレスを仕掛けると、明大は思い通りのサッカーができなくなる。すると後半は風上の順大に攻め込まれる場面が目立ち、局所で明大も粘りチャンスをつくるが、互いにゴールマウスを割ることができずに勝ち点1を分け合った。

 明大のリズムをつくれなかった。順大の激しい前線からのプレスに苦しんだ。特に小谷光毅(政経3=ガンバ大阪ユース)と差波優人(商3=青森山田)の両ボランチへの徹底的なマークで、前線にパスを供給することができず。明大攻撃陣のタクトを振るう差波は「あれぐらいのプレッシャーでも余裕を持ってプレーしていかないと、上では通用しない」といつもの笑顔はみせずに振り返った。「状況を見ながら攻撃をしていく柔軟性が大事かなと。ちょっと攻撃に偏りがあったという印象」(三浦佑介ヘッドコーチ)とサイドチェンジなどで局面を打開していく必要があると分析。攻撃のバリエーションを増やしていくことが急務だ。

 堅守が光った。今節も無失点で終えた明大は、2戦連続クリーンシートを達成。開幕から3試合は失点を重ねていただけに、明るい材料となった。GKの三浦龍輝主将(商4=FC東京U-18)は「守備は手応えを感じている」と「いい守備から、いい攻撃」をモットーにする明大はこのまま堅守を維持していきたいところだ。

 次節は順大と同じサッカースタイルの早大だ。昨年は白星を挙げることができず、順位も明大より頭一つ抜ける2位だった相手。「前期の山場、ここのゲームが大事だなと思う」(三浦ヘッドコーチ)と早大相手にチームのここまでの出来が問われる試合となるだろう。またGW中は短い間隔で試合が続く。ここで連勝をすれば前期の流れもつかめる。「連戦で上位のチームなので、勝ち点を一つでも多くとれるように」(苅部隆太郎・商4=川崎フロンターレU-18)と気を引き締めた。

[西田理人]

試合後のコメント
神川明彦監督

「前半ゼロに押さえたというのが、後半ちょっと危なかったので。守備の部分はだいぶん改善されてきた。幅を使った攻撃が全然できいないので、効果的に意図的にサイドを使った攻撃ができていないそれはいろんな意味で手詰まり感とか中盤でボール失ったりとかにつながっていると今日も見えたんで、一試合一試合だとは思うんですけど、ボランチをテコ入れしていかないとと感じてる。守備はサイドからのクロスを上げさせ過ぎたかなと思う。今日はたまたま失点にならなかったけど、最後の一対一のところでクロスを上げさせ過ぎた印象。今日だったらサイドをもっと効果的に使わなければ点にならない。その中でドリブルとか個人で打開すること入れられれば。そのためにはサイドをうまく変えて相手のパワーをずらしながら、スペースをうまく見いだしたり、人をうまく絡めれば崩せたが、ちょっとひとつ手前の作りの部分がノッキングしちゃったり、うまくサイドを変えられないので、結局広く空いたスペースを使えない。結局狭いところで勝負していくので結局カウンターをくらってしまう。論理的には簡単だが実行するには非常に難しい。そのへんのところはまだまだ力不足だろうと。次の早稲田戦も相当苦労するだろうと思います。今日の風は取り扱い難しかった。そう意味で風下だった後半っていうのはいろんなアクシデントが起こりやすい中でしっかり対応できたので、多少安心して見てられた。両サイドバックが強いので、安心して見てられた。(次節)同じようなチームなんで、今日の改善する点をしっかり理解して準備してくれればなと思います]

栗田大輔助監督
「勝ち点で順天堂が上だし勢いもあって、守備から入って縦に速いサッカーというチームだったのでそこを意識して、明大は守備からということを徹底して試合に入った。守備のところをきちっとやらないとポゼッションにもつながらないし、ボールを奪えてなんぼなので、ポゼッションのとこは改善の余地がまだたくさんあるので練習していくしかない。今日は縦に圧力の強いチームだったのでやらせないようにした。守備に関しては駒沢戦と今日で180分間を0で抑えたのでよかった。ただ攻撃については引いた守りに対しての崩しというのが課題だと思う。こういう時は勇気を持ってエリアに侵入していく、勇気を持ってチャレンジしていくことが大事。またこの力だけではなくて、複数の人間で崩していくのがテーマ。土居を投入したのはボールを持てるし、リズムがつくれる。三苫は縦に入っていくし、泥臭くボールを奪えるので、そういうのを期待して入れた。次節は早稲田で強いですし、守備型のチームなので。こっちも守備から入っていい攻撃をしていきたい」

三浦ヘッドコーチ
「0で抑えられたのは良かった。2試合連続0だったので、守備に関しては大分安定してきている。まだ攻撃に部分は、相手の狙いとしてくるところで攻撃をしてしまった。状況を見ながら攻撃をしていく柔軟性が大事かなと。同サイド一辺倒だったというか、縦にきたらまた縦に返しちゃったり。一回横に幅を使ってずらしてあげれば、相手のプレスから逃げられて自分たちの攻撃ができたと思う。冷静にやってたつもりだったと思うけど、ちょっと攻撃に偏りがあったという印象だった。後半はハーフタイムで言ったので大分良かったけど、前半からやっとけば相手が疲れてきて穴が開いたかなと。ボランチ2枚に差波、小谷弘毅を使っているのは、そういう部分もあってのことなので、納得はしていないし改善してほしいと思う。もっと自信を持って自分たちがゲームをコントロールをするんだというくらいの気持ちで小谷と差波にはやってほしいですし、そうじゃないとあの2人を置いた意味がないので、2人には意味を確認してプレーしてくれたらいい。2人がもう一つ上のレベルにいけば、明治のサッカーももう一つ上のレベルにいくと考えている。やっぱり彼らは上手い選手だと思うので、もっとレベルを上げていろんな意味でスーパーなボランチになってくれることが、攻守もできるし、得点も取れるしっていうところをしてかないと上には通用していかないと思うので。彼らが本当に相手に選手からボールを取られないくらいすごくなったら次のステージに行くんじゃないかと。まだまだそこには達していない。今日の相手はCB2枚が強かったので、どう横から相手の背中を取っていってやれば、崩せたのではないかと。そういった部分ではちょっと縦に速かった。縦に入れるとしても相手の力を受けながらなので、相手をひっくりかえすような攻撃ができればよかった。早稲田も今日と同じようなチームなので、どれだけ縦にくるチームに対してびびらずにピッチの幅を使ってボールを回して攻撃できるかと、相手のFWと両サイドは強烈なんで、じれずに、バランスを崩さずにどれだけ90分間やれるかだと思う。前期の山場、ここのゲームが大事だなと思うので何とか1週間準備したい」

三浦主将
「守備は手応え感じてるんですけど、攻撃の部分でもうちょっと幅を使えたらよかった。とにかくサイドを使うこととボランチがサイドで崩すことでそこのバイタルをついていうという話をした。(攻められたシーンは)想定内というか別に崩されたわけではないので、点を取られなきゃいいという気持ちでやっていました。うまくいかないのはまだ始まったばかりでしょうがないので、どんどん話し合っていってひとつでもいい攻撃ができればいい。とにかく勝ち点を増やしてがんばっていきたい」

苅部
「順大が上位だったんで厳しい試合になると思っていたが失点しなかったことが一番大きいというか2試合続けて無失点にしているので、そこがよかった。前半は結構いい形でできていたが、後半になって強みのサイドがあまり使えなくなったので、単調な攻撃だったので、サイド攻撃をもうちょっと徹底できれば、よかった。(ヘディングについて)相手来てたんですけど触れたので決めたかったんですけどちょっと浮いて。ああいうの決めないと優勝に絡めないので、そこはひたすら練習するだけです。(風の影響は)後半は特に相手のクリアがいっきにゴール前にきちゃうなかでやりにくかったんですけどうまく守備は耐えてたと思います。もう少し落ち着いてボランチがサイドなりさばければ。さばいているときにはいい形になっているので、それをいかに試合で落ち着いてできるかが、そういう時間を増やせば明治の攻撃が増えてくると思うので。全員がもう一回統一というかやるべきことを統一してやっていけば改善できる。守備からいくのを徹底してたんで。そこは結果ゼロなんで、成果はある。(次節)連戦で上位のチームなので、勝ち点をひとつでも多くとれるように無失点を続けていく」

差波
「後ろが0で抑えられたというのは収穫だと思うけど、その中で前が点を決めるという意識を持ってチームを勝たせられるような攻撃だったり、セットプレーだったりをやっていかないといけない。(攻撃陣の課題は)リズムのいい時は上手く最後まで行けるんですけど、上手くいかない時の攻撃の仕方を変えていかないといかない。個人個人の能力だけって場面が多いので、そこをみんなで合わせながら、毎試合毎試合パフォーマンスとして出していくことが大事。細かいパスつなぎで崩すのが理想。そうしながらミドルシュートだったりをDFラインの背後だったりを使って崩していければ相手にとって脅威となると思う。(順大のプレスが厳しかったが)あれぐらいのプレッシャーでも余裕を持ってプレーしていかないと、上では通用しないと思うし、そういった点では目立ったプレーもできなかったし、もっと自分に責任を持ちながらやっていかないといけないと感じた。三浦さん(ヘッドコーチ)には『まだまだ』と言われたし、『自分自身が1番わかっているんだろ』というのは言われたので、1週間いい準備をしてちゃんと自分と向き合いながらやっていきたい」