
勝木組初陣 青学大から13トライ奪い快勝/関東大学春季大会
13トライの猛攻で青学大を寄せ付けなかった。「簡単にボールを蹴らないでアタックできた」(丹羽政彦監督・平3文卒)と素早いパス回しでフェーズを重ね、次々とインゴールへ持ち込んだ。この試合一番の収穫は「スクラムを始めセットプレーが安定していたこと」(勝木来幸主将・営4=常翔学園)。序盤の相手ボールのスクラムで2度ターンオーバーすると、前半20分には敵陣5メートル前から圧巻のスクラムトライを決めた。ラインアウトも全て成功し、1月から始動したチームの完成度の高さを示した。ディフェンスでは1トライを許したが、その後は低いタックルで守り抜いた。
さらに昨年からの主力が多く残るチームの中で新しい戦力の活躍が光った。右WTB堀米大地(政経4=流経大柏)が右サイドを駆け抜け前半だけで4トライを奪うと、右LO小林航(法3=明大中野八王子)も果敢なラインブレイクを見せた。
一方で相手のキックオフボールを何度もお見合いするなどミスが目立ったことが反省点だ。前後半の中盤には集中力を欠く場面もあり、強豪校を相手に勝利するための大きな課題が見えた。勝木も「ミスをしていたら強いところから点を取れるところも取れない」と気を引き締め直した。
U20組が存在感
1週間前までU20日本代表としてジュニア・ワールド・ラグビー・トロフィー(JWRT)で活躍したHO中村駿太(商3=桐蔭学園)と右WTB成田秀平(営2=秋田工)が存在感を見せた。チームへの合流が遅れたこともあり後半からの出場となったが、中村はビッグゲインからのオフロードパスで何度も好機を演出。成田も後半24分にハーフウエー付近で自らターンオーバーするとそのまま独走トライを決めるなど3トライを挙げた。「厳しい戦いをやって来たので練習での取り組みから一段とたくましくなった」と丹羽監督も成長を認めている。
点差以上に「精度が高いところがあったのでいい試合だった」(勝木)と内容で大きな手応えをつかんだようだ。リザーブ組も活躍し、あらためて層の厚さを示した。それでも「トライを取られた踏ん張りのところがこれからの課題」(勝木)と1トライに抑えたことに満足はない。
次は昨年度リーグ戦6位の法大戦が控えている。法大は昨年末のB、Cチームの練習試合で敗れ、先日の東日本セブンズでも黒星を喫した相手だけに「もう負けることはできない」と勝木。法大に雪辱し、対抗戦上位との対戦に向け勢いを付けたい。
[坂本寛人]
1.PR | 勝木 来幸(営4=常翔学園) | 9.SH | 加納 遼大(文4=常総学院) →21.浦部(後半10分) |
16 | 中村 駿太(商3=桐蔭学園) ←2.牛原(後半10分) |
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2.HO | 牛原 寛章(政経4=佐賀工) →16.中村(後半10分) |
10.SO | 田村 熙(営3=国学院栃木) | 17 | 植木 悠治(政経3=常翔学園) | |
3.PR | 松波 昭哉(政経4=東福岡) →18.塚原(後半23分) |
11.WTB | 齊藤 剛希(商3=筑紫) | 18 | 塚原 巧巳(政経3=国学院栃木) ←3.松波(後半23分) |
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4.LO | 大椙 慎也(法4=国学院久我山) | 12.CTB | 水野 拓人(情コミ4=東海大附仰星) | 19 | 塚田 友郎(文3=深谷) | |
5.LO | 小林 航(法3=明大中野八王子) | 13.CTB | 西橋 誠人(商4=桐蔭学園) | 20 | 桶谷 宗汰(営2=常翔学園) | |
6.FL | 田中 健太(営3=大阪桐蔭) | 14.WTB | 堀米 大地(政経4=流経大柏) →23.成田(後半10分) |
21 | 浦部 岳之(法3=桐蔭学園) ←9.加納(後半10分) |
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7.FL | 平井 伸幸(法4=桐蔭学園) | 15.FB | 村井 佑太朗(政経4=秋田工) →22.長石倉(後半10分) |
22 | 長石倉 豪(営4=報徳学園) ←15.村井(後半10分) |
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8.No.8 | 松橋 周平(政経3=市立船橋) | 23 | 成田 秀平(営2=秋田工) ←14.堀米大(後半10分) |
試合後のコメント
左PR勝木来幸主将(営4=常翔学園)
「チームとして勝てたのでいいスタートが切れた。でもまだ前半の中盤や後半の中盤に中だるみでミスが多かった。そういうミスをしていたら強いところから取れるところも点を取れないと思う。いい課題が見つかった。点差はあまり気にしていなくてプレーの精度を第一に考えていた。精度が高いところがあったのでいい試合だったと思う。一番の収穫はスクラムを始めセットプレーが安定していたこと。コミュニケーションなど簡単なミスが多かったのがこれからの課題だと思う。個人としてはフィールドプレーでボールに絡んで印象に残るプレーヤーにならないといけない。自分なりには常に声を出してスクラムなどでも体を張れていた。ディフェンスはトライを取られた踏ん張りのところがこれからの課題。法大は昨年もセブンズでも負けているのでもう負けることはできない。しっかり準備して臨みたい」
左CTB水野拓人(情コミ4=東海大附仰星)
「全体的に言ったらこれだけの点差を付けられたしシーズン開幕初戦の試合としてはよかったと思う。悪かったところは、BKとしては外に余っている状態で真ん中に寄り過ぎて取れるところを取り切れない場面があった。FWはキックオフの処理などが雑だった。良かったところは接点で圧倒できたところと、オフロードでつないでパスする形がよく作れたところだと思う。(スタメンに4年生が多いが)今年はリーダーが多く4年みんなでチームを引っ張っていこうという意識はある。その中でAに4年生が多く出てるのはチームに刺激を与えられるし、下級生もそれを追い越そうとしてチームがいい形になっていけばと思う。個人としてはケガもあって自分のプレーが思うようにできなか った面があった。次の試合では今できるベストをもっと上げていきたい。(これからやることは)今日のようなセットプレーでのミスや連携ミスをしていては強いチームには付け込まれて得点されてしまう。今日出た課題はしっかり修正していきたい」
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