大東大に5-1で勝利 準決勝進出/関東大学選手権

 学生三冠の一つである関東大学選手権の準々決勝が19、20日に行われた。昨年2位の明大は同11位の大東大と対戦。「全体を通して課題や反省が多く見つかった」(DF梶原聡人主将・政経4=北海道清水)と、パスの乱れなどから攻守で精彩を欠いた。それでも地力で勝る明大は、FW佐々木創(法4=釧路江南)の2得点の活躍などでしぶとくリードを広げた。格下の大東大を相手に思わぬ苦戦を強いられたが、5-1で勝利し準決勝にコマを進めた。

 明大の躍動感あふれるホッケーが鳴りを潜めた。パスの乱れなど、思うような形で攻撃に入れないことから苦戦。ようやく本来の調子を取り戻したのは第3ピリオドになってからだった。FW大椋舞人(法3=白樺学園)のゴールを皮切りに3点を追加し、何とか試合を決めた。4つで回していたセットを3つに変えるなど「危機感が生まれた」(佐々木)という選手起用で、試合終盤に流れを変えるのがやっと。それでも「3ピリの後半はゴールも決まってきて、いい流れで試合を進められた」(藤井匡智監督)と修正できた点は、接戦が予想される次戦以降へ向け明るい材料だ。
 「いい流れのゲームだとは思わなかった」(梶原)。格下相手に試合の主導権を握ることが出来なかった。立ち上がりの第1ピリオド2分、右サイドを突破した佐々木が冷静にパックを流し込み先制。流れに乗るきっかけを作ったものの、後が続かない。試合を支配しきれない嫌な展開の中で、パスミスなどからパックを失う場面が目立ち始める。次第に攻め込まれる時間も長くなった。そんな中で光ったのはGK佐藤永和(文4=軽井沢)の好セーブだ。今大会での初出場に「緊張感があった」(佐藤)と言うが、相次ぐ決定機を作られながら失点を最小限に防いだ。
 悪い流れは、運も敵に回した。第2ピリオド、2人多いパワープレーの場面。梶原とFW高橋佑輔(政経4=武修館)がブルーライン付近から立て続けにシュートを浴びせ、FW工藤翔介(政経2=北海道清水)らも必死でこぼれたパックを押し込む。ゴールまであと一歩のチャンスは作ったものの、絶好の得点機であるこの2分間で追加点を奪うことは出来なかった。この間、パックがポストを叩いた回数は4回にも及ぶ。「スコアすべきところでスコアできなかった」(藤井監督)という影響は思わぬところにも出てしまった。

 26日に迎える次戦は準決勝。相手は昨年インカレの決勝でGWS戦の末敗れた早大だ。「リベンジしたい」(佐藤)と雪辱の舞台ともなる。さらに昨年、1年を通して1セットで出場したDF松金健太(法2=釧路江南)がケガから復帰できる見通しで、藤井監督が「かなりいい選手」と期待するルーキー・FW桂川涼(政経1=白樺学園)もチームに合流する予定。「もっといいセットが組める」(藤井監督)と、さらにベストに近い布陣で臨めそうだ。昨年までの課題であった立ち上がりの動きは良くなってきている。この日出たパスワークや決定力の課題も克服できれば、優勝はぐっと近づく。

[高田悠太郎]

試合後のコメント
藤井監督

「スコアすべきところでスコアできなかったです。なので、幸先良く先制点を決めながらもいい流れで試合を進められませんでした。チャンスの場面で決めるべき人が決めていかないといけないです。ただその中でも3ピリの後半はゴールも決まってきて、いい流れで試合を進められました。DF面では、桂川や松金が準決勝から試合に出てくると思うのでもっといいセットが組めると思います。(次の試合に向けては)もっともっと1プレー1プレーに集中していかないといけないです。さらに今やるべきことをしっかりとやっていき、相手がどこであろうと明治がやるべきことをやっていこうと思います」

梶原
「今日は全体を通して課題や反省が多く見つかりました。いい流れのゲームだとは思わなかったです。決めるところで決められなかったです。昨年も課題でしたが、1試合を通してそれが出てしまったことは日頃の意識などに問題があったのだと思います。DFからのパスやFW間でのパスが安定せず、いい形でアタッキングゾーンに入れませんでした。前の試合(対神大戦)でも失点してしまい、失点以外でも危ない場面が多かったです。完全にキープしている場面で取られてしまう、相手がパックを持っていても引いてしまっている部分がありました。早大はやりやすい相手ではないと思っています。ですが個人の力では明大の方が上だと思いますし、チームプレーが加われば負けないと思います。一試合一試合、大切にしたいと思います」

佐々木
「2得点しましたが、もっと入れられたと思います。同じセットの選手がパスをくれていましたし、次以降はもっと入れないといけないと思います。FW陣はベンチに入っている選手もそうでない選手も、誰が出てもおかしくないです。いい練習をしてチーム内競争に勝たないと試合に出られません。いい状態にあると思います。1点目に関しては余裕があったのでキーパーをかわして落ち着いてゴールできました。2点目は入れなきゃいけない場所だったので、入れられてよかったです。(次戦は対早大戦ですが)早大とかではなく、勝つしかないということです。4年で春は最後なので、1戦に集中していきたいです。チームのために何が出来るかと言えば点を入れることだと思うので、もっと得点に絡みたいと思います」

佐藤
「この1週間は、今日の試合に向けていい準備ができたと思います。今年初めての公式戦ということもあり緊張感がありました。絶対に失点してはいけないと思っていて、完封で終われれば良かったのですが、集中力が切れてしまって失点を許すかたちになってしまいました。(ファインセーブを連発していましたが)練習から矢板と失点しないことを意識して取り組んでいるので、それがこの結果につながったのだと思います。(DFについて)氷の状態が良くなかったのもありますが、あまり動けてなかったように思いました。もっと足を使っていければ良くなってくると思います。(早大戦に向けて)インカレで負けた相手なので、リベンジしたいのもありますし、(伊藤)優人さん(平26卒=現東北フリーブレイズ)の分まで勝ちたいと思います。そして、いい流れで決勝に行ければいいです」