原主将が今年度初タイトル達成! 吉川も大会新を更新/全日本学生選抜大会

 原亮太主将(法4=須磨友が丘)が62㎏級で見事優勝を果たした。昨年の同階級でのインカレ優勝に続き、2大会連続でのタイトル獲得となった。吉川琢磨(政経4=明石南)も自己新記録を更新し、2位と奮闘。畠山もジャーク自己新記録を更新するなど収穫の多い大会となった。
 確かな実力を見せつけた。62㎏級では原主将がスナッチ111㎏、ジャーク143㎏を成功させ、表彰台の頂点に立った。スナッチは1本目の108㎏を成功させるも、2本目の111㎏を失敗してしまい「もったいなかったと思う。まさかという感じだけど、自分の甘さだったと思う」と悔しさをかみしめたが、3本目は見事成功。ジャークは137㎏からスタートし、2本目の143㎏まで順調に記録を伸ばしたが、3本目の145kgは惜しくも失敗。大会当日のアップから感じていた腰の痛みが、2本目終了時から強くなり「調整不足」(原主将)と唇をかんだ。
 本多達雄監督は原主将の強みを、時期に応じた練習ができ、強い気持ちを持っている点、ジャークの刺し上げる力と評価する。好成績を収めた今回の大会だが、膝の調子が悪く、1カ月もの間重量を触れなかった時期があり、直前の調子も決して良くはなかったという。万全ではなくても、その中で対策を怠らないことが今回の優勝につながった。
 今回の優勝に原主将は「優勝はうれしいが、内容はふがいない」と決して満足していない。「ケガ、体の違和感にも気を付けないと。今年もインカレで有終の美を飾りたい」と今年の抱負を語った。5月には全日本学生個人、さらに全日本選手権が控える。大学王者に立った原主将は、全日本の舞台を見据えている。

 スナッチ大会新記録を更新した。吉川はスナッチ140㎏、ジャーク150㎏を成功させ、トータル290㎏を記録した。1位の平仲(法大)とはわずか1kg差、昨年のインカレ77㎏級の優勝記録を上回る高レベルな争いとなった。スナッチでは2本目の137㎏を成功させた時点ですでに大会新記録を更新していたが、「好きに挙げようと思った」(吉川)と臨んだ140㎏も見事成功させ、さらに記録を更新した。ジャークでは自身の練習ベストとなる149㎏を更新した。膝、腰、手首、肘などにケガを抱え、調子はよかったものの、治り切らないままに本番を迎えたという。大会新を記録したスナッチも、練習では130㎏までに抑えていた。ケガのために練習を切り上げることもあったが、ジャークを伸ばすため足の強化に重点的に取り組んだ成果が表れた。吉川は「内容に満足ではあるが、次は見とけよという気持ち。ケガを治して体をつくり直してから種目を強化していきたい」と手応えをつかみつつ、さらなる活躍を誓った。

 悔しい結果に終わった。85㎏級に出場した西岡翔吾(政経4=洲本実)はジャークでは157㎏を成功させたもの、スナッチ120㎏を3本失敗し記録なしとなった。練習では原主将に見てもらい、スナッチのフォーム改善に取り組み、以前では考えられなかったという120㎏をスタート重量にするまでに記録を伸ばした。また、ジャークの記録を伸ばすためにデットリフトに力を入れ、クリーンができるようになったと手応えをつかんでいた。大会までの調子は良かったものの、「プラットでは重く感じた」(西岡)と実力を発揮できず悔しさをにじませた。今後はスナッチでもっと重い重量を触ること、上半身の強化を課題に練習に励む。全日本学生個人では「3位以内を狙っていく」(西岡)と意気込んだ。

 ジャーク自己新記録を出した。105㎏級では畠山桂(政経4=能代工)がスナッチ118㎏、ジャーク170㎏を成功させた。腰と肩甲骨をケガしており、痛み止めを飲んでの出場だった。スナッチでは2、3本目を失敗し「今日は50点満点中10点」(畠山)と満足のいくものではなかった。ジャークでは1本目の150㎏、2本目の160㎏を成功させ、臨んだ170㎏では「昨年のインカレから160㎏以上は触っていなかったし。164㎏でも無理かと思っていた。次につながるような刺しができれば」(畠山)という気持ちで挑んだというものの見事に成功。自己ベストを4㎏更新した。この結果には「ジャークは満点」(畠山)と笑顔を見せた。「今後はスナッチと補強を強化していく」と次の全日本学生個人を見据えた。

 入賞や自己新記録更新と、成果を残した。今大会が今年度初の全国規模の大会となった選手も多く、スムーズにシーズンへと入っていくことに成功した。来月には全日本学生個人、全日本選手権など大きな大会が控える。今大会の収穫や反省を生かし、万全の体制で臨みたい。

[鈴木千明]