(5)新3年生の活躍が優勝へのカギ
須藤は明治のFWに欠かせない存在だ。上級生としての自覚と責任を持ち、今年はさらにチームを奮い立たせる。
「他人と一緒ではレギュラーになれないと思った」。人一倍自主練習に励み、1年次からレギュラーに名を連ねた。昨年度は不動の右PRとしてスクラムを支え、得点源となった密集プレーにも大きく貢献した。
今春のジュニア・ジャパン遠征に参加し、海外にも通用するスクラムを学んだ。低い姿勢とヒットスピードの向上の大切さを改めて実感し、オーストラリア戦で実践もした。その経験を生かし、今年は「大学の中で一番強いスクラムを目指したい」と語る。
現在、腰のケガで練習に参加しておらず、復帰は夏の見通しだ。療養の期間もトレーニングはもちろん欠かさない。復帰後は「スクラムだけでなくアタックやディフェンスも力を入れていきたい」と意気込んだ。三冠達成を強く掲げる須藤の活躍に、今年も期待が懸かる。
◆須藤元樹(すどう・げんき)文3 国学院久我山出 173cm・107㎏
明治の「8」に注目だ。昨シーズン終盤にスタメンの座をつかんだ松橋が、勢いそのままに、3年目はチームの核を目指す。
飛躍の1年となった。昨年は手を手術し、試合に出られない日々が続いた。しかし目標をぶらさずに、紫紺を目指した。その努力が実を結び、対抗戦終盤からAチームへ。大学選手権では、全試合に出場した。
忘れられない試合がある。昨年度大学選手権セカンドステージの立命大戦。敵のハイパントキック処理で痛恨のミスを犯した。ペナルティーをもらうと、直後にトライを献上。
チームは、10―12で敗戦し、大学選手権ベスト4を逃した。「負けは自分のせいでもあると思う」と念願のAチームに出場はしたものの、チームの勝利に貢献できないことが悔しかった。そして持ち味である「前に出るプレー」を、大事な試合で出せずにいた。安定感を持ち、常にチームに貢献するために、今はキック処理やアジリティーなど自分に足りないものを磨いている。「日々がむしゃらにやるだけです」。この悔しさをバネに、今年は一層成長した姿を見せてくれるはずだ。
◆松橋周平(まつはし・しゅうへい)政経3 市立船橋出 178cm・93㎏
昨年度、春シーズンの終盤からレギュラーに定着した川田。対抗戦と大学選手権では、10試合中9試合でスタメン出場を果たした。持ち味は安定感のあるディフェンスと、周りを生かしたゲームメイクだ。昨年度は丹羽監督に評価された守備面を第一に考えてプレー。出場時間の増加とともにディフェンス、特に危機管理能力においては自信を深めた。
しかし一方で、アタック面では課題も見つかった。自らの仕掛けは止められる場面も多く、CTBとしてボールキャリアーの役割を果たし切れなかった。
相手に当たり負けしない体をつくり「自分でも行ける選手」を目指す。まず取り組んでいるのは体重の増加だ。縦への推進力を身に付けることができればプレー選択の幅が広がる。周りを生かしたゲームメイクもさらに輝きを見せるはずだ。今シーズンもレギュラーの有力候補だが「明治のCTBは全体的にレベルが高い」と慢心はない。ゲームメイク能力と突破力を高い次元で兼ね備えた、万能型インサイドCTBを目指す。
◆川田修司(かわだ・しゅうじ)情コミ 桐蔭学園出 175cm・78㎏
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