藤本が2得点! 駒大に無失点で勝利/関東大学1部リーグ戦

2014.04.21
 優勝を狙うために連敗は許されない明大は、藤本佳希(文3=済美)の2得点で駒大に勝利を収めた。序盤はなかなかペースをつかめずにいたが前半ロスタイムに先制。その後は危険な場面もあったが、後半28分に2点目を取ると相手の反撃を許さなかった。

 負けは許されなかった。第3節終了時点で早くも2敗。前期の目標である勝ち点25を達成するためにはこれ以上勝ち点を取りこぼせない。「まずは失点しないことが重要」(三浦龍輝主将・商4=FC東京U―18)と慎重に入ったために序盤はペースをつかみ切れず、何度かゴール前での危険な場面もあった。前半40分ごろから徐々にペースをつかみ始めると、終了間際に左サイドの髙橋諒(文3=国見)がファーサイドに上げたクロスに藤本が合わせ先制。「0-0で終わっても良かった」(三浦)明大にとって価値のある得点だった。
 後半は同点を狙う相手に対し守備陣が粘り強く対応。28分には左サイドの石原幸治(政経4=市立船橋)からのクロスにまたも藤本がダイレクトで合わせ2点目を挙げた。終盤は落ち着いた試合運びを見せ、今期リーグ戦で初めて無失点で勝ち点3をつかんだ。

 期待に応えた。藤本は昨年まではFWだったが、今年からは「突破力があり、サイドで攻撃の起点になれる」と栗田大輔助監督の判断でサイドハーフに転向。「ゴールを決めることを求められていることに変わりはない」(藤本)ものの、ポジショニングの違いなどに戸惑い、同サイドの室屋成(政経2=青森山田)との連携もなかなかうまくいかなかった。リーグ戦が始まっても結果を残せずにいたが、信じて起用してくれていた期待に応えたいという気持ちがこの日の2ゴールという結果を生んだ。栗田助監督も苦しみながら結果を出した藤本に「調子を問わず信じて使い続けた。結果を出してくれて良かった」と目を細めた。

 次節は現在2位の順大との一戦。「今日の勝ちというのを無駄にしないためにも、しっかり次も勝てるように準備して勝ち点3を絶対取れるように頑張りたい」(石原)と今期初の連勝を狙う。

[髙山舞]

試合後のコメント
神川明彦監督

「連敗はどうしても避けたかったから勝てたのはとっても大きい。相手は縦に縦にというチームだったが試合序盤はどうしても相手と同じように縦を意識しすぎてしまったところがあった。もう少し幅をうまく使えれば良かった。相手の攻撃は想定範囲内。無失点で勝てたのは大きい。(藤本は)ずっと辛抱して使ってきて良かった。サイドハーフになったには栗田助監督の指示。室屋との距離感も良くなってきた。本人もやっと分かってきたんじゃないか。前節で小出(悠太・政経2=市立船橋)が大きなミスをしたので今日は小池(佑平・営3=セレッソ大阪U―18)を起用したが、いい働きをしてくれた。今期ずっと調子が良く、今CBはどっちが出てもおかしくない。山道(和彦・農4=長崎日大)も昨シーズンからずっと調子が良かった。今日もいい形でプレーできていたのでは」

栗田助監督
「とにかく1勝2敗で負けていたので、勝つということが目的だった。駒沢は空中戦で縦に入るのは分かっていたので、そのセカンドボールを拾うということにとにかく集中していた。やっぱり無失点で終わったということは次につながると思います。(先発した小池について)シーズンインからも含めて昨年からずっと調子も悪くないですし、チームを引っ張っていける存在ではあった。体を張ったプレーとかはチームに勇気をもたらすので、その辺を計算していました。(得点を挙げた藤本選手について)やっぱり体が強いのと、縦に強い。後、シュート力があるというその3つだと思う。調子のいかに問わず、彼を信じて使い続けていて、結果を出してくれたのでうれしかったですね。(藤本選手のポジションを変更させようとした理由は)やっぱり縦への突破力とか、体が強いので、サイドで収まってそこを起点に攻撃ができるということ。後は中に入っていってシュートが打てるという佳希のいいところを出してあげようという起用ですね。(次節に向けて)順大は非常にいいチームだし、結果がそのまま出てうちより上だと思っているので、そこに挑戦する気持ちを忘れずに粘り強く勝ちをもぎ取りたいなと思います」

三浦主将
「(前半乗り切れなかったように見えたが?)ここまでの3試合で前半から先制点を取って勢いづくことは大事だと思ったが、その中で攻め急いで点を失うところがあって、そういう面で今年は前線からの守備を意識してやっているのでまずは失点しないことが重要になってくると思う。その中で多少慎重に入ったっていうのはあるんですが、そういう面では特に問題視するところではないのかなと。(相手の攻撃に関しては)両サイドからのカウンター、ドリブルということで対応しやすいというか、ある程度予想できたので、セカンドボールを意識することを徹底した。先制点をなかなか取れていなかったのでその中で前半に取れたのはすごく大きい。個人的には0-0でもOKという気持ちだった。(勝ち切れない試合が続くが)毎年明治は調子が悪いのでそこは自分たちでも反省しているので何とか今年は勝ち点25っていうのを目標にしてやっている。ここまでで2敗してしまっていて負けられない状況の中で落とせない試合が続いていくと思うので、その中でも攻め急がず、まずは失点しないことから意識して前期はとにかくやっていきたい」

石原
「相手がひたすら蹴ってくるということで、まずは競り勝つということとセカンドボールを奪取しようとした。無失点で抑えられたことは良かったですし、勝ててイーブンにもっていけたのは良かったです。ここ3試合内容的には悪くなかったんですけど、なかなか勝ち切れないという試合が続いていた。そうした中で焦らないで、しっかりとボールを動かして粘り強く守備をしようと今日の試合に臨んだ。それが結果として出たのは良かったと思います。(得点を挙げた藤本選手の特徴は)やっぱり体が強いので、しっかりボールをキープしてくれる。足も速く、時間もつくってくれるので助かります。順大は守備がしっかりしていると聞いているし、相手として不足はない。今日の勝ちというのを無駄にしないためにも、しっかり次も勝てるように準備して勝ち点3を絶対取れるように頑張りたいと思います」

小池
「駒沢の他の大学とは違う蹴ってくるというサッカーにはうまく対応できた。だけど、他の大学の時に適応できるかが重要になってくると思う。今日は良かったが、違う戦い方だったので次に向けて準備したい。(久しぶりの先発だったが)自分は試合に出たくて必死だったので、気持ち込めて精一杯戦いました。いつでも行ける準備はしていたので、特に問題はなかったです。勝利することはうれしいですし、勝ててなかったのでそういう意味では大きいかなと思う。(得点を挙げた藤本選手の特徴は)やっぱりフィジカルが強いので、これからもごりごりいってほしいですね。順大はまだ見たことがないが守備がしっかりしていて、攻撃もつないでくると聞いている。明治らしく戦えればなと思います」

藤本
「1勝2敗という現実があり、この試合を迎えた中で勝たないという危機感もありましたし、3試合はゴール前での厳しさが足りなかった。自分は攻撃の選手なのでクロスに人数かけて入っていくことを意識した。(得点を決めた時の気持ちは)開幕戦も同じような形で外していたので、ほっとした。あれは諒のゴールみたいなものだった。自分はただ合わせるだけでした。でもクロスに入っていくということが大事だと思うので。とにかく1点は1点なので、うれしかった。時間帯的にも本当に良かった。(2ゴール目は)あれは幸治君がうまく切り返した瞬間、来るなと思っていたので最初は相手の見えないとこに、そこからタイミング良く入っていけた。つま先に当たってゴールに入ったのはラッキーだった。(右サイド室屋との連携は)成は本当に自分が良くない時でもサポートしてくれていて、成とのコンビは本当に良くなってきているけど、もっとできると思うし、あいつが深い位置で持ち味を出せるようなこともしていかないといけない。これから楽しみ。(ポジションが変わったことについて)どうしてもやっぱりFWやっていた時の感覚とは違うけど、それでもゴールを決めることを求められていることには変わりないので、試合に出るのはぶっちゃけどこでもいいので、そういうチームに貢献できることをしたい。ゴールを決めないと、あんまり自分がいる意味がないのでゴールにこだわりたい。栗田さんが数日前に『信頼して使っているから。別に気負わなくてもいいけどお前のプレーをやってくれ』って言われて、まぁ気負いますよね。自分が良くない状態でも開幕から使ってくれたので、自分が監督だったら使わないだろって思うんですけど、自分が出なきゃいけないっていう思いもあるし、気持ちに応えたいというのはあった。ポジション変更の話も助監督からされたし、それに応えたいという気持ちは大きかった。強い気持ちがあった。まだまだですけど。順天堂大学さんはすごくいい状態ですし、自分たちより順位は上だと思うので、でも自分たちのやることは変えずにいきたい。今日の基本的にサッカーは戦えていたけど、ポゼッションをしながらという風にしたかった。次に相手はそういうことができると思うので、基本的なことは変えずにやりたい」