19得点の猛攻で神大撃破 準々決勝進出/関東大学選手権

 難なく準々決勝進出を決めた。今年度の開幕戦となる関東大学選手権が開幕し、明大は2回戦から登場。格下の神大を相手に19対1で勝利を収めた。明大は、第1ピリオド序盤にFW工藤翔介(政経2=北海道栄)が先制点を決めると、それを皮切りに得点を量産。ルーキーなどの活躍も光り、19得点を挙げる猛攻を見せた。また、次戦の準々決勝は1週間後に行われ、対戦相手は大東大に決まった。

 力の差を見せつけた。明大が最初に掲げた「全力」というテーマのもと、選手は今年度最初の公式戦で躍動した。シュート数6本の神大に対して、明大は62本。圧倒的な攻撃力を発揮し、さらに得点力不足の解消に向けても手応えをつかんだ。藤井匡智監督も「今日の攻めに関してはスピードもあったし、相手との力の差はあっただろうけど悪くはなかった」と、一定の評価を下した。
 第1ピリオド2分55秒。今年度、新チームに初得点を呼び込んだのは工藤だった。工藤はゴール裏からドリブル突破し、そのままシュート。パックはゴールネットに吸い込まれ「新チームになって初めての公式戦で、緊張感があったがゴールできて良かった」(工藤)。この先制点から29秒後にも、ルーキーのFW中島健登(政経1=駒大苫小牧)が大学初ゴールを挙げるなど、試合開始約5分間で5得点を挙げた。初ゴールを決めた中島は「素直にうれしい」と、目を細めた。その後も全く攻撃の手を緩めない明大は、試合終了1分前。素早いパス回しで神大DFを翻弄(ほんろう)すると、最後はルーキーのFW佐藤優(法1=白樺学園)が19点目のゴールを決め「チャンスで決められて良かった。試合は最初にしては良かったので80点くらい」と述べた。また全得点のうち、9得点に絡んだFW大津晃介(法3=日光明峰)は「一つ一つのプレーをしっかりできたので良かった」と、手応えを口にした。
 しかし19得点を挙げる快勝にも、課題が見つかった。第2ピリオド9分39秒、中盤でパックを奪われると数的不利な状況を作られ、簡単にゴールを許した。「もっともっと守備の意識を高くしていかないといけない。失点場面以外でも危ないところがあった」(藤井監督)。格下の相手とはいえ、油断は禁物だ。新チームの主将に就任したDF梶原聡人(政経4=北海道清水)も「今後は相手のレベルが上がってくるので、個人個人でレベルを上げていかないといけない」と、DF面の成長が優勝に向けてのカギとなってくる。
 優勝に向けて、絶好の滑り出しを見せた明大。新チームで最初の公式戦にも「いい形で点数が入っていたので良かった。いい流れの試合だった」(梶原)と、自信をのぞかせた。準々決勝の大東大戦について藤井監督は「一戦一戦(調子を)上げていくしかない。今日よりもコンディション良くゲームできるように準備していきたい」。昨シーズン届かなかった頂点に向け、一気に駆け上がっていくつもりだ。

[加藤拓哉]

試合後のコメント
藤井監督

「力の差があるのは分かっていたし、あっても自分たちがチームとしてやろうとしていることをやって点数取るということだったので、駄目なところもあったし、攻めばかりで守りの時間が少なかったけれども、しっかり守って攻めてというところをやったつもりだけどまだまだ足りないです。今日は攻めに関してはスピードもあったし、力の差はあったんだろうけど悪くはなかったし、もう一回やることを確認して1週間あるので、しっかり準備して試合に臨みたいです。失点についてはあの位ので1点取られちゃうわけだし、シュートだけに限らずその前のプレーも流れ的に失点してしまう流れだったので、反省材料です。点数取られないのは当たり前だけど、点数取られなかったところでもいくつか危ない場面があったし、そういうところをしっかり守ってやらないと、上の方にいけないです。ルーキーについてはプレイヤーに関しては持ち味がそれぞれ違うので、持ち味を出すようにということでやっています。いい持ち味は出していると思うし、今アンダー(U-18日本代表)でいない桂川(涼・政経1=白樺学園)もかなりいい選手だし、戻ってきてまたセットも変わってくるだろうし、彼の得点力は相当なものなので、これからセットバランスはもっと良くなると思っています。これからは一戦一戦準備して上げていくしかないので、今日よりもコンディション良くゲームできるように準備していきたいです」

梶原
「初めての公式戦ということで、かみ合わない部分が出てくると思ったのですが、意外といい形で点数が入っていて、全体的にいい流れの試合だったと思います。合宿ではいいチームにならなかったが、東京に戻ってきて大会に向けてチームが仕上がってきたのが良かったです。戻ってきてからは、セットプレーを中心にやって、フォアチェックやパワープレー、スペシャルプレーの確認をしました。そのかいあって、今日もアタッキングゾーンでいいFWの動きができていて良かったです。攻めに関しては少し危ない部分もありましたが80~90点くらいだろ思います。DFは今日の試合に関しては問題なかったと思いますが、今後相手のレベルが上がってくるので、練習から個人個人レベルを上げていきます。いない人の分はいるメンバーでやっていかなければならないので、セットの5人で守っていかなければならないです。合宿などを見る限り、FWの決定力が心配だったんですけど、今日の試合を見る限りではFWのゴールに向かう姿勢が上がってきたのでいいと思います。ただDF面で落ちる部分があるので、そこを自分がDFリーダーとしてみんなを引っ張っていきたいです。去年も悔しい結果で春は終わっていますし、自分が2年目で優勝した時のあの思いは忘れられないので、後輩たちにも味わわせてあげたいです。絶対優勝したいです」

大津
「チームの最初に掲げた『全力』というのはしっかりできたかなと思います。楽しく一人一人やるべきプレーをやれていたのが19点の得点につながったんじゃないかなと思います。9ポイントに絡み、FWとしてポイントを挙げるというのは今年の自分の目標にしていますし、点数に関してもアシストに関してもセットの連携だと思うので、今日も自分のパスからだったり、味方からのパスからつながったプレーだったり、一つ一つをしっかりやれたのが良かったと思います。次の大東戦で、インカレでも当たっているんですけど、インカレで勝ったとかそういうふうには思わず、明治の『全力』という言葉通り全員で、全力でプレーしながら、自分はまた5ポイントぐらいは取りたいです」

工藤
「新チームとして初めての公式試合だったので、緊張感がありました。チームづくりやコミュニケーションをしっかりして、もっと強くなって優勝したいです。完成度は半分くらいです。今日の試合でさえパス回しもしっかりできていたわけではないので、もっと状況判断やポジショニングをしっかりしなければいけないです。FWはずっと攻めていて、点数としても19点入れられたので良かったと思います。しっかり声を出して、ゴールに向かう姿勢とスコアリングチャンスを絶対に決めたいです。今日は枠にいかなかったのが目立った。勝ちにこだわりたいです。一試合一試合のプレーが大事なので、そこで成長していい試合ができるように頑張ります」

佐藤優
「明治の一員になったんだなと思いました。結構ピンチはあったのですが、チャンスを決められたので良かったです。初ゴールは創さんからいいパスがきたので、それをごちそうさんさせてもらっただけです。試合は最初にしては良かったので80点くらいです。決めるところを決めてなければならないです。今日は1点しか決められなかったので次は3点くらい決められるように頑張ります」

中島
「得点シーンは大津さんが確実に決められるパスを出してくれたので、後は自分が空いているところに狙って打つだけでした。大津さんと上野先輩のおかげです。ただ、あと2点は決められたかなと。ただ、セットとしての2つ目はできていたので、これから仕上げていけばいいセットになると思います。大津さんはホッケーに対してめちゃくちゃ熱い人なので、自分がちょっと自信ないプレーをしたら自信持てと言ってくれるし、峻輔さんもめっちゃ声掛けてくれるので、あの2人と組んでいる今はすっごくやりやすいです。初ゴールは素直にうれしいです。今日はワンサイドゲームで点数いっぱい入ったんで、初ゴールは初ゴールですけど、これからどんどん強いチームと当たっていく中で確実に点数を取れるようにしていきたいです。1年生なので思い切ったプレーをすることと、ピンチになったら体張って守って、ひたむきに、1年生らしくプレーしたいです」