軽量級に向けて手応えつかむ/日立明三大学レガッタ

2014.04.15
 毎年恒例の定期戦が今年も行われた。日大、立大、明大の三大学で行われる今大会は男子がシングルスカル、ダブルスカル、舵手付きフォア、エイトの4艇、女子はダブルスカル、舵手付きクオドルプルの2艇が出場。明大は先日行われたお花見レガッタとほぼ同じクルーで臨み、好成績で伝統の一戦を終えた。試合後は各大学の選手たちが食事等が用意されたテントで談笑。終始和やかな雰囲気で幕を閉じた。

 最高のスタートを切った。櫻井克茂(法2=加茂)と中村裕喜(法3=宮津)が乗った男子ダブルスカルはスタート500mで前に出ると、日大に4秒ほど差をつけその後1500m地点付近まで首位に立ち続けた。「スタートから攻めていこうと二人で決めていた」(中村)。練習期間が少なかった中でも息の合ったこぎで前半のレースの主導権を握った。櫻井は「前半で前に出ることができて、次につながる試合だった」と手応えをつかんだ。終盤で日大に追い付かれ、優勝はかなわなかったが収穫の多いレースだった。今後はラスト500mを抜かれないように体力を付けていくことが課題だ。
 成長を感じた一戦だった。中村は冬季、U―23日本代表の選考に参加。日本代表のコーチのアドバイス等を受けながらこぎのテクニックを磨いた。レース後半でのスピードや、ファイナルでの力の入れ加減を重点的に改善。感覚でこぐことがなくなり、体の使い方が変わった。また、1カ月に1回の選考のために常に高いモチベーションを保ち続けたことで、気持ちの面でスムーズにシーズンに入っていくことができた。「普段から改善点を意識して練習に入った」と中村。選考のために練習量を増やしてきた経験が生きた。

 相手を寄せ付けなかった。女子舵手付きクォドルプルはスタートからゴールまでの2000m、一度も相手に背中を見せることなく勝利した。レースプランが見事にはまった。ストロークとしてクォドに乗った冨田千愛(政経3=米子東)は「前半は飛ばしていけた」と満足げな表情を見せた。スタート練習を取り入れたメニューの成果が出た。

 選手たちはおのおの手応えをつかんだ大会となったが、本格的なボートシーズンはこれからだ。5月には軽量級選手権が控えている。インカレにはクォドでの出場を目指す櫻井は「昨年のクォドを越えたい」と意気込んだ。マネジャーからコックスに転身し、クォドに乗った里村杏香(農2=青森)は「軽量級で今回での経験を生かしたい」と次を見据えている。軽量級に向け、選手たちは気持ちを切り替えている。それぞれの課題を克服し、インカレ総合優勝への足掛かりとしたい。

[箭内桃子]

試合後のコメント
中村(男子ダブルスカルクルー)

「レース前にふたりでスタートから攻めていこうと決めていた。昨年のインカレでも同じクルーで乗っていたがそのときよりも成長を感じた。中盤から後半にかけて体が硬くなってしまった。だんだん日大に詰められて精神的につらいレースだった。途中でリズムが悪くなってしまったときにいいリズムに切り替えられればよかった。ラスト500mで抜かれないようにしたい。U23の代表選考のためにこの冬は意識が下がることなくやってきた。月に1回ある選考のために高いレベルでのこぎを追求していった。日本代表のアドバイスを受けてテクニックが上がったと思う。今まで感覚でこいでいた部分が、普段から意識して練習に入ることで体の使い方が変わった。軽量級、インカレではスタートを飛ばしていく今日の感じをこのままできるようにしたい」

櫻井(男子ダブルスカルクルー)
「中村さんとは昨年のインカレ以来だいぶ伸びた。中村さんは昨年と変わらずずっと強くて、こぎをより良くしてもらった。今回は選考メンバーでメンバーを入替えて並べる練習をしたりした。今回は前半出ていく作戦だった。スタートはよかったが、後半は追い上げるには追い上げたが追いつけなくて、どうしても離されてしまった。体力をつけていかなくてはいけないと思った。昨年のインカレでは一方的に出られてしまった。今回は前半はこっちが出ることができたし、次回につながる試合だった。インカレにはクォドで出たいと思っている。今回のように、序盤の500mで出て心に余裕を持ってこぐということはそこでも意識していきたい。まずは軽量級に向けて体重を落とすことで精一杯。昨年のクォドを超えたい」

松岡結(文4=浦和一女)(女子舵手付きクォドルプクルー)
「お花見が終わってから、少し停滞していた。でも、お花見からは調子をつかめたし、座る位置をずらしたり、オールを変えてみたり色々工夫して練習してきた。今日は前半1000mで全力を出し切るという作戦だった。スタートを盛り込んだ練習メニューも何回もやったし、最初の500mで目標タイムを出せた。今日は思い切ったレースができたと思う」

冨田(女子舵手付きクォドルプルクルー)
「今回はお花見レガッタの反省を踏まえて前半の強化をしようと意識した。2000mが木曜解禁になって練習を始めたが、前半が遅かった。スタート練習を取り入れた練習メニューにして、目標にしていた1分50秒も達成できた。スタートでは出たけど、まだまだスタートは課題。中盤は落ちてしまったが、前半は飛ばしていけたのでインカレを見据えると課題はたくさんあるが、良かったと思う。お花見レガッタが終わってから乗る順番を変えて練習した。1本のこぎが大きくなったことを感じた練習だった。U23があるので、軽量級には出場できない。明治として出場できないのは残念だけど、代表になったからにはしっかり戦う。シングルに慣れて、技術を高めてクォドに還元したい」

里村(女子舵手付きクォドルプルクルー)
「マネージャーとしての活動だけでは物足りなさを感じて、もっと部とのつながりがほしくてコックスに志願した。コックスのことは何も分からず、ゼロからの挑戦だったが松岡さんが丁寧に一から教えてくれた。クルーのモチベーションを上げていかにして勝たせることができるかを考えて乗っている。今日は楽しくレースに入れたと思う。スタート地点では松岡さんと握手をして緊張をほぐすことができた。軽量級では誰と乗るか分からないけれど、このクルーの方々に成長させてもらえたので生かしていきたい。インカレ総合優勝に貢献できるクルーの一員になれるようにしたい」