男子は早大相手に初勝利ならず 女子は3連勝飾る/関東学生1部リーグ戦

2014.04.15
 晴天の中行われたリーグ戦第3戦。男子は早大と、女子は上智大と対戦した。男子は宿敵早大を相手に大接戦の末試合を落とし、リーグ戦初勝利とはならなかった。女子は上智大を大差で下し、開幕3連勝を飾った。

【男子】
 リーグ戦3戦目は宿敵の早大との対戦。前半の30m途中で3点差まで詰め寄る追い上げを見せたが、最後は一歩及ばず3853―3861と8点差で惜敗した。

 実力も拮抗(きっこう)しており、お互いに良きライバルとなっている強豪の早大との一戦。王座出場へ向けてカギとなる試合に「調子を合わせてやってきた」(丸子博貴主将・営4=広島大附)。前半の50mは一時リードするなど強豪相手に食らいつき、7点差のビハインドで終えた。しかし、後半の30mで徐々に点差を広げられた。4エンド目終了時点で3182―3185と3点差まで追い上げを見せたものの「点数に対する意識が甘かった」(丸子)と最後に引き離され、惜しくも8点差で敗れた。

 王座出場へ向けて、勝ち取りたかった強豪相手との3戦を終えたが、どの試合も僅差で涙をのんだ。しかし、王座出場への道はまだ閉ざされてはいない。残り2戦で勝利すれば手が届く可能性がある。また、今回敗れはしたが丸子が644点と自身の試合新記録を出した。チーム全体の点数も初戦から右肩上がりで「去年と比べると100点は上がっている」(前田悠帆・法3=東福岡)と調子は上向きだ。残り2戦の拓大、学習院大とは実力は同程度。リーグ戦はあと残り2戦。連勝を果たして王座出場へ望みをつなぐ。

【女子】
 開幕3連勝だ! 女子は上智大を相手に2355-2272と、リーグ戦第3戦を圧勝で飾った。試合は前半の50mは接戦となったが、30mで徐々に相手を突き放し、後半だけで65点もの差をつけた。昨年は「弱点だった」(平塚まな・商3=水戸二)という30mで強さを見せ、今シーズンのチームの強さを改めて印象付けた。

 「落とせない」(西川夏未・理工4=神大附)試合だった上智大戦。しかし、選手たちは「あまり意気込まずにやろう」(中村彩・商4=越ケ谷)と平常心を保った。前半は上智大が高得点を出し、接戦になったが「一射一射きちんとやれば勝てる」(牛久保早紀・政経3=大妻多摩)と後半の30mで落ち着いた射を見せた。30mでミスを連発する上智大とは対照的に、明大は安定して得点を重ね、50m終了時点で18点だった点差も終わってみれば83点差と、大差での勝利となった。

 この日、600点台を出したのは松坂茉莉(国際4=神奈川県立多摩)のみ。選手は軒並み本調子とは程遠かった。しかし、この試合でチームの得点となる上位4人に河西真帆(農2=横浜緑ヶ丘)がリーグ戦で初めて入るなど活躍。先週の堀栞(商2=春日部共栄)に続き、昨年のリーグ戦時にはいなかった戦力の台頭が目立つ。チームの底上げができていることが、安定した成績を残せている理由だ。

 次の対戦相手は青学大。次戦に勝てば、初の3年連続王座出場が決まる。青学大はこの日同じ会場で別の試合を行っていたが、この日の明大の点数を上回る得点を出しており、油断はできない。厳しい戦いが予想されるが、選手たちは「気負いはない」(松坂)と頼もしい。「いい意味で緊張感を持ってやっていく」(牛久保)。大一番の勝負に向けて、選手たちは気を引き締めた。

【板橋洋子・本永雅敬】

試合後のコメント
【男子】
丸子

「前の試合が終わった後でミーティングをして、出ている選手の中で、30mで少し点数に対する意識が甘いということが出たので、1エンド57点を目指すことをもっと意識するようにと共有して詰めて臨みました。今日は良くなったけれど、今度はプレッシャーが掛かると点数にムラが出てしまうという新たな課題が見つかりました。ですので、練習でもプレッシャーをかけて意識して心を整えるようにこの1週間は練習をしていきます。今日は自分の試合新記録を出すことができました。調子も良くて、調整も上手くいっています。3月上旬にあった合宿のときから早大戦はキーポイントだと思っていて、調子を合わせてやってきました。チームとしても徐々に点数が上がってきていて、課題も一戦一戦クリアできて、成長しています。残りの2戦もやることは変わりません。課題を詰めていって、準備をした結果に勝利できれば良いです」

太田俊(理工4=明大明治)
「個人としてできることをやろうと心掛けました。負けてしまったけれど、全員が力を出し切ってくれたと思います。チームとしては悪くなかったです。出ている選手は途中の点差とかは分からずに射っていて、特に意識はしていませんでした。もともと照準を今日の早大戦に合わせていました。660点台に乗せたかったけれど、これまでの3戦の中で一番いい点数で、全部とは言い切れないが力を出すことができました。調子は上がってきています。先週、引き方を真っすぐするようにしてみたのを実践してみたら上手くはまりました。まだ王座の可能性は残っています。チームとしてもっといい点数を出せれば1%でも可能性はあるので、自分にできることがもっとあると思うので、それをしっかりやります」

佐山陽亮(法4=京華)
「今日の点数は前よりも出せていたけれど、もう少し出せると思います。最低でも640点をだ王と思っていて631点だったので、あと少し上を狙えていれば良かったです。50mの入りは良かったけれど、詰めが甘くて最後が45点を出してしまって、ぎりぎり300点でした。最低でも超えていただけ良かった。30mも出だしが53点といつもと同じだったので、50mと30mの切り替えを気を付けていきたいです。早大とは10月の六大学戦の70mで、早大に勝ったのは唯一明大だけだったし、負けたくないという意識はありました。今日は30mの出だしが悪かったけれど、そこがなければ勝てていたかもしれません。あと2戦はこれまでの戦いに満足しないで、さらに上を目指します」

田代和也(文3=横浜隼人)
「チームの感覚や雰囲気はだんだん良くなってきています。雰囲気も良かったから勝てると思ったけれど、早大とのあいだに何の差があるのかは分からないです。何が足りなかったのかは1週間かけて見つけていきます。個人としても調子は良くなってきていて安定しています。けれどあと1、2点上のところで安定させることができるともっと良いです。今日はコンディションも良くて、集中して射つことができました。1戦目より2戦目、2戦目より3戦目というように調子も点数も上がってきています。チームを引っ張れるような点数を出せるかと思います。早大戦ということでどうしても勝ちたいというのがあって、ピークも合わせて意識も盛り上がってできました。いい成績を出すこともできたので、落としたのはどの試合よりも悔しいです。残り2戦は勝つのが目標。切り替えないといけないです。個人的に50mが良くないので、試合と同じように50mからやって、体力がなくなった中で30mでどれだけできるかという練習をしていきます」

林凌司(理工3=富士)
「初めてのリーグ戦ということもあって、緊張していないつもりでもしてしまっていました。出だしで崩れてしまって、思った点が出せませんでした。次も出られたらちゃんと目標の点を出したいです。620点を出せるかと思ったけれど、メンタルが良くなかったです。早大には負けられないという思いが強くて、思いを入れすぎてしまいました。練習では試合にも出たことがあったけれど、リーグ戦は独特で、応援にも力が入っていて、いつもと違いました。応援がすごかったという印象が強いです。今後は気持ちの作り方に気を付けて、いつも通りの射ができたら良いです。もし次の試合にも出られたら6位に入ることを目標に、残りの2戦戦っていきます」

前田
「今日の早大は実力も拮抗(きっこう)していて、お互いライバル意識もあります。特別な思い入れがあるから勝ちたかったけれど、負けてしまって悔しいです。早大とは練習でも接線で、お互いに高めあえるライバル校という感じ。個人的にライバルも2人いて、一人には負けてもう一人とは同じくらいの点数でした。今日は納得のいく射ではなかったです。調子も良くはなくて、よくない中での点数としては悪くないくらいです。チームのみんなが目標としている点数を出してきています。去年と比べると100点は上がっていると思います。それなのに自分は冬から不調で、チームとして勝てる形ができているのにエースの差で負けてしまうのが多いです。今苦しい思いをしているが、頑張れば勝てると心から思えます。残り2戦の相手は今までよりも少し余裕があるけれど、1部である以上は油断はできないです。今まで格上の相手との対戦だったのが同格になったくらい。次の1週間で見つめ直して、休息をとって挑みたいです。調子が良い時より手がぶれたり、リズムよく射てなくなっています。練習から無理矢理矯正するようにします。矢数を増やして、3日前くらいから休んで、感覚良くピークをもっていくようにします」

増田圭祐(商3=長野日大)
「チームのことはそこまで考えず、自分のことを考えて臨みました。今日の点数はあらかじめ決めた期待値に届いていなくて惜敗だから悔しいところがあります。今日、分からなかったところが明確になってつかめたのは良かったです。今日は雰囲気も流れも良かったです。早大は力も似ていて、選手とも仲がいいので楽しくできました。その分負けたのは悔しいです。バランスについて課題が見つかりました。30mのときは意識できていたから、50mでも意識できるようにしていきます。あと2戦も同じ気持ちで、気合を入れすぎず抜きすぎず、いつも通りにやります」

荒木慎也(政経2=明大中野)
「今日の点数はチームに貢献ができませんでした。620、630点を出そうと思っていたけれど50mでこけてしまいました。今日は弓を引くのがつらいとかではなくて、弓のセッティングが甘かったです。先輩と同じ的ということもあって緊張したりしました。このあたりで1戦離れてもいいのかもしれないです。早大という意識は個人的には無く、今日の試合は惜しかったです。来週は弓のセッティングをしっかりとやって、自分を見失わない程度に騒ぐことを目標にしたいです」

【女子】
中村

「今日は勝ち試合だと思っていました。ただ、あまり意気込まずにやろうと。個人的には先週はフォースから外れてしまったので悔しい思いはあったんですが、1人で頑張りすぎないようにと思っていました。自分の射に集中できていたので、今日はいけるかなと思っていたんですがあまり点数は伸びませんでした。でも先週よりはいい点数だったので、調子は少しずつ上向いていると思います。(青学大戦は王座出場が懸かっているが)気合を入れすぎず、雰囲気で勝ちたいと思います。個人でも、気負いすぎずに自分のできる射をやっていこうと思います」

西川
「落とせない試合だと思っていました。いつも通りに射てば勝てると思ってはいたんですが、いつも以上に緊張してしまいました。序盤は相手も当ててきているのが分かったので、緊張で、押し手が震えました。(実戦の)距離の練習が今週は1回しかできていなくて、体力もありませんでした。これからたくさん練習したいと思います。(青学大戦への気負いは)あまりありません。応援が支えになってここまでやってきているので、それに報いるような結果が出せればなと思います」

松坂
「途中までは同じくらいの点だったので、緊張しました。今日は応援の力で勝てた試合です。今週はあまり練習を詰めていなかったので、体力不足でした。600点という点は、思ったよりできたという感じです。(青学大戦に向けて)気負いはありません。(得点になる)フォースに入ってチームに貢献したいと思います」

牛久保
「今日は勝ちに行こうと思っていました。途中、点差を詰められて焦りましたが、一射一射やれば勝てると思って射ちました。個人的には体力、コンディションとも良くありませんでしたが、勝ててよかったです。気持ちの切り替えがうまくできなかったので、次はできるようにしたいと思います。青学大は侮れません。隣で別の試合をしていましたが。今日当たっていたら負けていました。いい意味で緊張感を持ってやって、次に向けてコンディションを整えていきたいと思います」

平塚
「50mは接戦で焦りました。でも、30mで相手が失敗するだろうと思って、自分たちの射に集中しました。昨年からはリズムの強化をチーム全体でやってきたので、それが30mの強さにつながっていると思います。個人では、前回の試合で同じように射つということができていなかったので、できるようにしようと思って臨みました。今回はできる時もあったし、できない時もあったので、試合を通してできるようにしていきたいと思います。青学大戦は、王座は意識せずに、いつも通りの緊張感だと思って楽しんでやっていきたいと思います」

河西
「今日はまず選手になれると思っていなかったので、気楽に射てました。(試合前に提出する)申請点よりも高い点数を狙いすぎて、いつもだめだったので、今回は気楽に射つことを心掛けました。(先週の堀に続き、上位4人に入り)今までフォースに入れていないことがすごく悔しかったので、嬉しいです。堀にはいつも負けているので、勝ててよかったです。同期はやはり意識しますしね。次の青学大には、高校時代の先輩が2人いるので、点数でも勝てるようにしたいと思います」

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