筑波大に完勝 開幕2連勝飾る/関東学生春季1部リーグ戦

2014.04.14
 終盤の猛攻に耐え、開幕2連勝を飾った。競り合った試合が予想されたが前半から厳しいディフェンスから流れをつかみ、前半だけで9点差が付く一方的な展開になった。後半に入ってやや押し込まれる場面も見られたが、前半の貯金を生かし筑波大から25―21で逃げ切った。

 相手の追撃を振り切った。試合終盤、徐々に相手ペースで試合が進み、点差を詰められる。9点あった差も最大3点差まで詰められ「後半途中からオフェンス、ディフェンスともに失速してしまった」(堤由貴主将・営4=洛北)と波に乗ってきた相手に4連続得点を許し逆転されることも考えられる状況まで押し込まれた。それでもこの試合絶好調で何度もチームに勢いをもたらしてきた藤本寛史(営3=法政二)の好セーブもありシャットアウト。相手の攻撃を断ち切り、最後は吉野樹(政経2=市川)のシュートで試合を決めた。
 ディフェンスが光った。筑波大の強力攻撃陣に対し、高い位置で当たることを徹底。約束事を全員が守り、前半の失点をわずか7点に抑えた。中大戦ではポストが空いてしまうシーンも見られたが、この日は一人一人が足を動かしきっちりとフォローすることで筑波大オフェンスに好きなようにさせず「ディフェンスが課題」(東謙佑・法3=法政二)で挑んだ試合でうまくリズムをつくった。

 オフェンスでも堤を中心に相手ゴールを脅かした。田中周平(商3=長崎日大)の振りの速いステップシュートで先制すると速攻、セットでの攻撃でバランス良く得点。相手ディフェンスに的を絞らせなかった。前半残り5分からの怒とうの5連続得点で一気に突き放した。後半に入って堤にマンツーマンディフェンスが付くと流れが悪くなるが、東が鋭いロングシュートをゴールに突き刺しなんとか試合を重ねていった。

 新守護神が何度もチームを救った。今年から正ゴールキーパーを任されている藤本が序盤から相手の速攻や一対一を何度もセーブし、流れを渡さなかった。「ディフェンスとうまく連携が取れた」と藤本。筑波大攻撃陣の強力なロングシュートも何度もセーブし、7mスローもセーブするなどこの試合絶好調。松本監督も「キーパーが良かった」と絶賛するプレーでチームの勝利に貢献した。昨年まで絶対的守護神としてゴールを守った荻原良太(平26営卒)の抜けた穴を感じさせないプレーだった。

 開幕2連勝で好スタートは切った。だが昨年の秋季リーグのように途中で失速してしまっては連勝の意味がなくなってしまう。堤主将にマンツーマンディフェンスをされたときの攻撃、退場の多さ、層の薄さ、といった課題をクリアしながら今後の戦いに挑む。

[松井嚴一郎]

試合後のコメント
松本監督

「前半を7点に抑えたディフェンスが良かった。やっぱりキーパーが当たっていればペースは良くなる。前半にディフェンスで頑張って、キーパーが取って、セットで得点できた。これが今日の勝因。ただ退場が多かったのは良くない。そのせいで他の選手を使わないといけなくなるとばたばたしてしまう。経験だと思えばそれもそれで悪くはないが。今日後半に追い上げられたのも競った試合の経験の足りない選手が多いから。その中で今日の試合は結構自信になったはず。最後もう少し踏ん張れると良かったが、肝心なところでミスも出てしまった。そういうところ課題になってくる。まだ2勝しただけ。とはいってもやっぱり大きい。これからも今日と同じように一戦一戦やっていく」

堤主将
「前半は明大ペースで、ディフェンスもしっかりできていた。しかし後半15分くらいからみんな守りに入ってしまい、パスが多くなってそこから逆速攻されることが増えてしまった。今日の試合は前半から後半15分にかけてディフェンスの足が動いていたし、田中もしっかりプレーできていたので良かったと思う。ただ後半の途中から、ディフェンス、オフェンスともに失速してしまった。勝てるかもしれないと思ったときの心の隙がそういうことを招いたと思う。今日の試合を最低ラインとして、これからの試合でいかに上げていけるかだと思う。今日の速攻の形は納得のいくものではなかったので、次の試合までの練習で修正していきたい。開幕2連勝できたので、油断せず、来週の2試合も取れるように頑張りたい」

田中
「前半はチームが目指している形を100%できたので、あれだけ点差を離すことができたのだと思う。しかし後半流れが悪くなり、試合の中で修正していけなかったところがだめだった。個人としては、前半は自分のイメージしている通り動けた。後半はあんまりですね。今日の試合は堤さんがマンツーマンに付かれてしまって、こういう場合に他の人でどう取るかだと思った。これからリーグ戦を通してマンツーマンに付いてくるところは他にもあると思うので、重点的に練習していかなければいけない。次の東海大は格上だけど、今日みたいに自分たちの試合ができれば勝てない相手ではないので、今日のような試合をしていきたい」


「課題がディフェンスで臨んだ試合だった。今日はいつもより足が動いていたのでそこからリズムがつかめた。上で当たるようにという意識はあったし、それができていれば足が動いているということ。そこは良かった。普段はディフェンス中心での出場なので得点を狙えるときは狙っていきたい。ロングシュートも好きなので。堤さんにマンツーマンディフェンスで付かれたときが課題だと思うのでそういうときにもっとコミュニケーションを取って前を狙っていきたい。来週の東海大戦は2つ勝っているので課題を修正してその次の日体大戦につなげたい」

藤本
「今日は調子がよかった。ディフェンスとの連携がしっかり取れて約束事の通りにシュートがきた。うまくリズムに乗れた。誰かのミスは誰かがカバーするものだと思うので1本でも多く止められればと思っていた。7mもうまく反応できたので良かった。昨日は緊張しなったが今日は適度な緊張感をもってやれたのが良かったと思う。支えてもらっている周りの人には感謝している。相手もトップを目指しているチームなので簡単にはいかない。今日の試合で自信がついた。やることは相手がどこでも同じなのでしっかりやりたい」