神村200m背泳ぎで初優勝/日本選手権

2014.04.14
 200m背泳ぎで神村が初優勝した。ラスト50mのターンでライバル赤瀬紗也香(日体大)に体ひとつ分のリードを許していたが、猛烈なスパートで逆転。昨シーズンはケガや不調に悩まされ苦しんだが、大学入学後最高タイムとなる2分09秒76をマークした。

 150mのターンで前を泳ぐ赤瀬と体ひとつ分の差を確認した。「いける」。バサロキックから上がると、ぐいぐいと差を詰めラスト25mで失速したライバルを捉えた。100mのターンでは1秒5秒以上離されていたが「自分の持ち味」と自信を持つラストスパートが勝負を決めた。高校3年時のインターハイ決勝以来約2年ぶりの2分09秒台。「今年は優勝を狙えるチャンスだと思っていたので嬉しい」と笑顔が弾けた。
 200mで最大のライバル赤瀬に勝ったのは2011年の日本選手権以来3年ぶりのことだった。同学年で中学時代から共に背泳ぎをけん引してきた神村と赤瀬。高校時代は赤瀬がケガに悩まされ出場を見送る中、神村は高校記録樹立、インターハイ優勝と輝いた。だが、大学に入学すると今度は神村が不調に悩まされライバルには勝てなかった。大学2年となった今シーズンようやく復調し、日本一を懸ける戦いで直接対決を制した。
 女子背泳ぎはロンドン五輪銅メダルの寺川が引退し、その後継者争いが注目されている。神村自身も日本一になったが「寺川さんという偉大な選手の跡を継げるようなタイムを出したかったがタイムが伸びなかった」と自覚している。アジア大会の派遣標準も切れず、まだ満足はしていない。6月のジャパンオープンで「代表入りを決めたい」と次のターゲットは見えた。大先輩の寺川の背中を追う神村が、その力を証明する時が来た。

[奥村佑史]