4発快勝!今季リーグ戦初勝利/関東大学1部リーグ戦

2014.04.13
4発快勝!今季リーグ戦初勝利/関東大学1部リーグ戦
 待望のリーグ戦初勝利だ。開幕戦は黒星スタートとなり連敗を避けたい明大は第2節桐蔭横浜大戦を迎えた。前半17分の先制直後に同点弾を許した明大だが、2分後に苅部隆太郎(商4=川崎フロンターレU18)がペナルティアリア付近からアウトサイドで放った技ありシュートで勝ち越す。試合終盤にも2得点を挙げて勝利を収めた。

 ネットが揺れると一瞬静まり返った会場が沸いた。前半21分、苅部がバイタルエリアで味方の奪ったボールを受けると、前を向きドリブルで中央へ。詰めが甘かった相手DFのスキを突き、右アウトサイドで放ったミドルシュートは相手キーパーが指一本も触れられずにゴールへと吸い込まれた。相手に同点弾を決められた2分後での流れを明大に呼び戻す重要なゴールだった。後半29分には小谷光毅(政経3=ガンバ大阪ユース)のゴールをアシスト。45分には室屋成(政経2=青森山田)がペナルティアーク手前で受けると、「シュートモーションに入った時に苅部君が入ってきたのが見えた」(室屋)と相手の意表を突いたパスを、苅部はペナルティエリア内でトラップし冷静にゴール左へ流し込んだ。終わってみれば4-1と快勝。結果だけを見れば十分な結果だが監督、選手はまだまだ内容には満足はしてない。「今日は終わった後、かなり厳しめのことを言ってある。専修や早稲田はあきらかに力があることは間違いなくわかる。今、うちのチームはそういうとこに仲間入りしていない」(神川監督)と優勝という高みを目指すからこそ、チームを引き締めた。

 やっとの思いでつかんだチャンスだった。今日の試合で2得点・1アシストと十分過ぎる結果を残した苅部はこれまでトップチームで満足な出場機会を得られていたわけではなかった。2年次に出場機会も得るも「評価されるために必要な結果を残せなかった」(苅部)とゴールという絶対的な結果が求められるFWとして定位置確保に至るまでのアピールができなかった。
しかし昨季はセカンドチームが出場するILリーグで地道に試合に出場し、得点王となり実績を残した。リーグ戦後期からは実力が認められ徐々に出場機会を手にし、今季は開幕から2戦連続先発。ようやく手にしたFWの位置でチームを勝利に導く働きをした。努力が実を結び、得点という結果をもぎ取った苅部だが、セカンドチームでプレーする間に前線からの守備という泥臭い仕事も身に付けた。「点を取るだけが明治のFWじゃないので。前線からの守備というのを意識している」(苅部)と結果に表れない場面でもひたむきにチームに尽くす。指揮官に苅部が1番成長したところを聞くと、「やっぱり献身的に最後走り切るってところですかね。元々あれだけのサイズもあって技術がある選手はなかなかいないと思うので。身につけさせたかった部分なので良かった。俺からすればまだまだですけどね」と神川監督は指導者としての愛情を込めた表現で、下積みも経て活躍する苅部の成長を認め、さらなる成長を求めた。

 次節は中3日で流経大戦だ。選手は「ここで勝てるかどうかで前期の流れが変わってくると思う」(矢島倫太郎・政経4=浦和レッズユース)と次節の重要性を認識。優勝のためにもチーム一丸となって連勝を狙う。

[西田理人]

試合後のコメント
神川監督

「前節ああいう形だったので、ちょっと気合が空回りしたというか。前半はファイティングスピリットが溢れすぎちゃって空回りした印象、要するにチームとして統一感というよりも個々がそれぞれ頑張ってくれた印象でちょっとバランスが整ってなかったですね。でも、そういった中で幸先良く先制点が取れましたし、すぐ追いつかれたところは何とも言いようがないですけども、それでも気を取り直して2点目を取れたっという。前半で言うと失点を埋められたっていうのが大きかったんじゃないでしょうか。後半は、ハーフタイムでもう少し落ち着こうということで修正したところがちゃんと生きて。で、交代で入った瀬川祐輔(政経3=日大二高)と水町政哉(営2=ヴィッセル神戸ユース)が、それぞれ持ち味を発揮してくれて4-1で勝つ要因(要員?)になったと思います。苅部はもう点も決められたし、彼からすれば欲しかった欲しかった一番の得点だと思うので。点もとれましたし、最後まで献身的に走り回って前線の守備をして体はってゴールおさめて本当によくやった。今日は本当に4年生4人がよくやりました。試合終わった後褒めました!本当によくやった」

石原幸治(政経4=市立船橋)
「前回負けしまったので、連敗だけは避けようということで勝てたことはよかったですけど、前半に関してはちょっとバラバラで距離感も悪くて抜けることが多くて自分たちのリズムをつかめなかったのが上手くいかなかった原因なのかと。守備の面で前からのプレスということを掲げているのですけど、はめられているときは上手くいったんですけど、いけなくなったときにというところで全体的にちょっとバラバラになった。全体としてはよくなってきてますし、個人としては今日いいシュートがあったかもしれないですけど、結果が出ていないので気入れてやらないといけない。(後半のシュート)ボールもちょっと悪かったってあってミスしてしまったんですけどもうちょっとコースがよければ入った。(ゴールへの欲)決めないといけない。(ポジション争いについて)やっぱり気の抜けたプレーはできないですし、4年としてもプレー引っ張っていかなきゃいけないので、あとは結果という部分で得点だったりアシストをふやさないといけない。明治の守備がベースなので、まずは守備をやった上でゴールとかできたらいい」

苅部
「前半行ったり来たりという落ち着かない試合展開で、点上げれたんですけどすぐに失点するっていう中で、ああやってすぐに勝ち越しゴール決められたのでまぁ明治の流れでできた。前節もそうですけど点とれてないんで、今日はもうゴールだけを考えてやっていたので、ほっとした。気持ち的に楽になりました。(ILリーグで結果を出してここまで来て、感慨深いものとかありますか?)そうですね。2年生の時も出てたんですけど、結果を出すというか、評価されるためには結果が必要なので、今はその事だけを意識して。もちろん得点ランキングの事もそうですし、点を取るだけが明治のFWじゃないので。前線からの守備っていうのを意識して、チームとして日本一を目指していきたいです。やりやすいですね。うーん、なんかやってる人の間では、感覚が合う合わないって人がいるんですけど、お互いに見なくてもどこにいるかわかる。そういう感覚でやっているからやりやすい。自分自身得点取るのもそうですけど、まずはチームで勝利を収めるのが1番。中3日でキツイと思うんですけど、しっかり準備して臨みたいです」

矢島
「練習していたセットプレーで得点できたのは良かったけど、その後にすぐ決められてしまったのでそこはゲーム運びの課題。点を取られた後はしっかり締めていくべきだと感じた。後半はいい形で点を決められたので良かった。セットプレーは個人の責任の部分だと思うのでチームの中で厳しく追及していった。今日も最初セットプレーがあってしっかり守れたので良かったと思う。(苅部選手の長所は)キープ力と体は大きいが器用なところ。自分も二人でやっていてやりやすい。(今の調子は)調子はいいんですけど決められてない。結果を出せていない。チャンスはたくさんあるので、次は絶対に決めたい。次の流経大は強いと思う。ここで勝てるかどうかで前期の流れも変わってくる。中3日できついと思うが、気持ちをみせて勝ちたい」

小谷
「苅部さんにボールが入って来たときに、こぼれてくるな、と思った。苅部さんとやるときは、いつも距離を近くして入って行くように意識している。練習ではうまくいかないことも多いが、今日はできたのでそこは良かった。昨年は股関節のケガで試合にほとんど出られなかった。復帰してからも左ももの裏が肉離れを起こしたり。そういうことがあったから今年はもっと活躍したい。守備はずっと言われているし、これからも守備をちゃんとして、かつ攻撃に貢献できるようになりたい。チームとしても、前線からのプレスはまだまだ足りない。次節も勝って勢いを付けたい」

差波優人(政経3=青森山田)
「勝てたことが一番。次は内容も満足できるように。得点した後すぐに失点してしまったのは課題。前半あまりいいサッカーをできていなかった。前後半で良いプレーが出来るように。(得点を振り返って)セットプレーは普段から練習しているし練習の成果が出たのだと思うが、流れの中での得点は個人個人が調子いい証拠。連携の部分でまだまだやれる部分はあったが複数得点できたのは良かった。(苅部さん)仕事してくれた。失点した後の2点目は本当に助かった。自分はまだまだミス多い。ミス減らしてゴールに直結するようなプレーを。今チームの雰囲気はいいが、いいだけじゃダメ。もっと厳しくやっていけたらと思う。(失点シーン)ボランチのもう片方と話してて、あそこ侵入されるのは試合前からある程度予想していた。けど対応しきれなかった。(ボランチ小谷選手になって)昨年と特に自分のプレーを変えてはいないが、小谷は同い年でずっとライバルとしてやってきたから今いっしょにプレーできるのは嬉しいけど、油断すればすぐ試合に出れなくなる。気を引き締めなきゃとは思う。守備については特に役割は決めていない。自分が前でうまく回している時は小谷が下がるし、逆の時は自分が下る。お互いを見ながらやれている。(流経大)中3日で体はきつい。前節負けて今節勝って、いっちゃえばチャラなので次が重要。結果にこだわって勝ちたい」

室屋
「前半チームとして全然うまくいかなくて、後半よくはなってきた。悪い時間帯の中で得点をとれたのは良かったが、失点もしてる。自分はディフェンスだがそういうところで考えたらまだまだ。(失点)自分が競り合って次のセカンドボールを取られたが、そこはずっとああいうところでとられたらアカンってことをやっていて個人の責任というわけではないが球際とかそういう所をもっと強くやらなきゃいけない。(セットプレーの守備)この1週間ずっと練習してきてたから自信はあったし、逆に自分たちがセットプレーから点がとれたので1週間でうまく修正できた。(4点目)後半終了間際で相手は運動量落ちていたけれど自分はまだまだ走れると思ってた。ゴール奪ってからすぐに高い位置に行けたのでシュートモーションに入った時に苅部くんが入ってきたのが見えた。決めてくれたのは良かった。今日はもっとクロスをあげたいなと思ってやっていたがなかなかできなかった。サイドハーフとの距離感とかがまだ遠い。求めていたプレーはできていない。連携とか攻撃の部分は追求していきたい。同じサイドの佳希くんは今年から新しいポジションになってなかなかうまくいかないところもあるし、自分が前出たときになかなかボールがこなかったりこなかったりもする。そういうのを練習や試合を通じてお互いもっと近づけたらと思う。自分たちはいままでずっと守備の練習してきてて攻撃全然やって来なかったんで、ああいう流れの中での得点があるのは大きいと思う。試合内容はよくないが、難しい時間帯に点がとれたのは自信になる。前半はチームがバラバラで相手に支配されてて、本来ならもっと強くいけるのにいけなかったりした。守備から全然バラバラ。本来は守備のところではめるということを練習してきたのに上手くいかなかった。もっと強いチームとやったらやられるな、という感じだった。(流経大)今日のチームよりもっと強いので、中3日でチームとしてやれることを皆で話し合っていい内容でしっかり勝てるようやっていきたい」