今年度最初の大会 それぞれが課題見つける/六大学記録会

 今年度の大会が幕を開けた。六大学記録会は今回が5回目の開催。総勢60名以上が参加し、明大からは17名が出場した。全ての選手が記録を残し、新たな課題を発見した。

 佐藤彰紀(営2=常翔学園)は56kg級の規定記録であるトータル200kgちょうどを挙げ、5月の個人戦出場に望みをつないだ。しばらく記録の伸びていなかったスナッチでは5kg重い88kgを挙げ切り「やっと伸びた」と安堵(あんど)の表情をのぞかせた。今後はインカレ出場を目標に、さらなる努力を重ねていく。

 62kg級では美島亮(政経2=名城大附)も規定記録のトータル225kgちょうどを挙げ切った。普段は69kg級からの出場だが、今回は2週間で約3kgの減量を敢行。減量によるパワー不足を「スクワットやデッドリフトに取り組んだ」り、腹筋や背筋に取り組むことで補った。ジャークで127kgを挙げた後には大きくガッツポーズが飛び出した。5月の個人戦へ向けて「1カ月で調子を持っていけるようにしたい」と意気込む。

 69kg級の齋藤竜磨(農1=金足農)は「ユニフォームの後ろに名前が入っているのに重みを感じた」と、明大の選手としての出場に緊張を見せる部分もあったが、ジャークで今までの記録を1kg更新する122kgを挙げ切った。量も時間も増えたという大学の練習だが早くも「成果を実感した」と調子はいい。今後は「体重が足りていないので体づくりに取り組む」とこれからの成長に期待が懸かる。

 二村岳周(営3=名城大附)はスナッチで自己新記録を更新する106kgを挙げたものの、ジャークでは1回目の130kgのみの成功という結果に終わり「試合運びが雑になってしまった」と悔しさをにじませた。今大会へ向けて食生活に気を使っていたという二村。自炊をして野菜を取るよう心掛けた結果「体重が落ちて体が締まった」と自身の体の変化を実感。今後はこのままの体の状態で、さらに体重を増やしていくことが求められる。練習では「補助種目を強化する」と熱意は十分。これからのさらなる記録更新に期待だ。

 針生丈士(政経2=東京学園)はジャークで自己新記録の141kgを挙げる活躍を見せた。背筋を痛め、昨年度から取り組んでいる「おやすみスクワットがあまりできなくなっている」と調子はあまり良くなかった。しかし「パソコンでジャークの強い人の動画を見てまねをした」と、ジャークの刺しのフォームの改善に取り組んだ。実戦で新たな刺しを試すのは初めてであったが「上手くいった」と記録更新という結果に表れた。しかし「スナッチがぼろぼろだった」と記録更新に満足することはなく、今回の結果を受け止める。今後は刺しだけでなくジャークのフォームの改善に取り組み、自己新記録へ挑む。

 1年生の上野祐脩(政経1=東京学園)はケガの影響もあり「攻められなかった」と目標のトータル280kgには届かず、スナッチ110kg、ジャーク140kgのトータル250kgに終わった。目標の記録にはスナッチ、ジャークそれぞれ5kgずつの記録更新が必要だったが「まだ早かった」と肩を落とした。今回出場したことで「上半身が弱いことが分かった」と課題を発見。改善に取り組み、次こそ新記録更新を狙う。

 今回は規定記録を上回った選手やそうでなかった選手など、出場した選手それぞれにとって自分の試技を見つめ直す記録会となった。今シーズンはまだ始まったばかり。おのおのが見えてきた新たな課題や目標に真摯(しんし)に向き合い、さらなる記録更新へ向け努力を続ける。

[板橋洋子]

試合後のコメント
二村

「今回77kg級でエントリーして、規定が255kgだけれど245kgくらいを目指してきた。けれど試合運びが雑になってしまった。試合前は調子が良かったけれど、ジャークとかは特に荒くて結局全部で3本しか挙げられなかった。今回は内容的に全然良くなくて、スナッチで記録を更新できたこと以外は悪いことばっかりだった。大会までは食生活に気を使うようにしていて、ここ3週間くらい自炊をして野菜を取るよう心掛けた。体重が落ちて体が締まったので、この状態を維持したまま体重を増やせるようにしていく。3年になって寮の仕事が減って練習に集中できるような環境にはなったけれど、後輩がいっぱいっぱいになっているときに面倒を見られるようにしていきたい。練習では補助種目を強化していかないと壁に当たりそうなので、セットで新記録を狙ったり、重い重量をこなせるようにしていきたい。今年で個人戦の新記録をとれるようにやっていく」

佐藤彰
「56kg級の個人規定であるトータル200kgを目指していて、とりあえずはクリアできた。この前のジュニア大会よりよくなった。やりたい練習や、スナッチハイプルーを頑張った。それが今回のスナッチにつながったと思う。スナッチは毎回83kgだったけれど今回88kgを取れて、やっと伸びたという感じ。今年はインカレに出て、得点を多く取れる選手になりたい。1年生が入ってきて、面倒を見たりするので忙しい。教える立場も大変なんだと改めて実感した」

中田耀介(農2=能代工)
「1月から手首をケガしてしまっていて調子がよくなかったので、スナッチ112kg、ジャーク135kgのベストが取れればいいと思って臨んだ。手首が痛いから補強を強くして、フォームを考えながら練習してきた。この大会が終わったあとからは本格的にフォームを直していく。今年は個人戦で規定記録を取ることを目標にやっていく。後輩に教えたりするのは大変で、越されないようにしたい。練習は楽しい。厳しいところは厳しくやっている」

永原祐志(法2=熊本西)
「トータル225kgを目標に出た。だけど今回は明大から出る選手が多くてセコンドに余裕がなかったので自分でやったら、重量の上げ方などがおかしくなってしまった。自己ベストが223kgだったけれどスナッチで間違えてしまって届かなかった。ジュニア大会が終わったあと調子がまた落ちて絶不調になってしまった。調子を戻すのにいっぱいいっぱいだったけれど、元に戻ってきて今回はジャークで自己新を取ることができた。今は原さんと後藤と同じプラットで練習をしているがきつい。今後56kg級で出るなら10月にある試合の記録は超えているけれど減量が厳しくて、このまま62k級で出ると減量は大丈夫だがトータル240kgの記録に達するのが難しい。今後どの階級で出るかはまだ悩んでいる」

針生
「自己新記録のスナッチ114kg、ジャーク141kgを狙っていた。いつもやっているおやすみスクワットが、背筋を痛めたせいであまりできなくなっていた。3本やっているところを2本に減らして、デッドリフトをやってきたけれど調子はあまりよくなかった。今日はジャークで自己新記録が出たけれど取れるとは思っていなくて、いけるかなくらいの自信だった。でもスナッチがぼろぼろだったのが悔しい。ジャークはパソコンの動画で強い人の刺し方などを見ていて、まねをするようにした。クリーンは微妙だったけれど、立てたら取れると思っていて、実際に立てて取ることができた。原さんにフォームを変えたほうがいいと言われていた。今回は時間がないからスナッチは変えずに、ジャークの刺しだけを変えた。実戦で試すのは今日が初めてだったけれど上手くいった。今後もジャークをメインにまっすぐ引けるようにしたい。スクワットができない分パワーが落ちてしまったので、フォームで補いたい。後輩も入ってきて、しっかりやらないとついてこないと思うから頑張らなければならない」

美島
「62kg級で5月の個人戦に出るための規定がトータル225kgで、減量をして取りにいって今日ちょうどの記録を取れた。減量は特に厳しいものではなく、2週間で3kgくらい落とした。食事に気を使って、夜は炭水化物を少なめにしたり野菜やジュースを飲んだりした。体重が落ちるとパワー、馬力も落ちてしまう。それを補うためにスクワットやデッドリフトに取り組んで高重量を落とさないようにしたり、腹筋と背筋は多めにやった。今年はインカレに出られるような選手になりたい。5月の大会では62kgで出る。そのあとの階級をどうするかは悩んでいる。後輩には強い子もいるから負けないように、記録的にも恥じないようになりたい。合宿や2部練をしてきて、原さんがメニューを決めてきた。いろいろなメニューや方法をやって新しいことを知ったりできてよかった。重量を上げて下げてまた上げてというのを3段階やるメニューをやったのが生きたように感じる。5月の大会へ向けて今回の反省をして、ジャークは直して1カ月で調子を持っていけるようにしたい」

上野
「個人戦の固定記録のトータル280kgを狙っていたけれど、ケガをしていることもあって攻めることはできなかった。自己ベストは270kgなのでスナッチ、ジャークで5kgずつ更新できたらと思っていたけれどまだ早かった。下半身はスクワットなどのおかげで強いけれど、上半身が弱いことが分かったので、上半身を鍛える。鍛えなければならないなと再度実感することができた。大学では練習量が増えた。練習は好きなのできつくはない。先輩は優しくてすごい人が多いので尊敬する。一緒に練習できることがうれしい。1年生でインカレに出場できる、信頼されるような選手になっていきたい」

朽名泰河(法1=名城大附)
「スナッチ85kg、ジャーク110kgを目標に臨んだけれど初めての大学の試合ということもあり緊張したり、焦ったりしてしまった。高校の時から体が硬いので、ストレッチを入念にやって、フォームの改善をしていきたい。フォームはまだ体で覚えられていないので、自然とできるようになりたい。大学は全国から強い人が来ていて練習に集中できるし、強い人が多いので向上心が上がる。来年度の全日本ジュニアに出られるよう頑張っていきたい。規定には届いていないので、まずは出ることを目標にする」

後藤将(政経1=川口)
「今日3本目で取り組んだスナッチ85kg、ジャーク110kgを目標としていたけれど、どちらも失敗してしまって悔しい。ジャークは惜しいところまで挙げられた分悔しさが大きい。キャッチが苦手なので、この大会が終わった後からまっすぐに引けるように治していく。大学は練習場の決まりがあったり厳しいところもあるけれどとても活気や意欲がある。高校の時とは目指しているところが違うので、やる気にもなれる。今日トータル190kgだったので、200kgの個人戦の規定記録をとれるようになりたい」

斉藤
「明大の選手として出る初めての大会だった。ユニフォームの後ろに名前が入っているのに重みを感じた。スナッチは調子が悪くて、ジャークで自己新記録を取ろうと思っていた。今回122kgを取れて1kg更新できた。大学に入って高校の時よりも練習時間も量も増えた。クリーンもよくなってきてるし、練習の成果を実感する。体幹を取り入れたり、腹筋の量を増やしたりした。その効果もあってジャークはよかった。体重が足りていないので体づくりに取り組んでいきたい。明大は強い人が多くて練習中から刺激になる」

中野景介(総合1=須磨友が丘)
「スナッチ100kg、ジャーク125kgが個人戦に出られる記録だったけれど、調整がうまくできずに終わってしまった。2月中旬に手首を痛めてしまい種目の練習ができずにいた。治ってきたことが実感できたので、これからは種目の練習を増やして記録を元に戻していきたい。足が弱いことも分かったのでスクワットとか補強に取り組んでいきたい。明大は全体的にレベルが高くて、人が多い。練習でも盛り上がるし、練習をしていてプラスになる。今年は全日本の規定であるトータル240kgを目指して練習していく」